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異世界と私と銃とファンタジー  作者: 白築 える
ルーツ国の披露宴
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「奇襲、待ち伏せ共に失敗しました。入口も何かしらの方法で脱出されました。」

「そうか。あの国の新兵器とやらはそこまで強いのか。」

「奇襲ではとてつもない効果を発揮していましたが、待ち伏せでは違う兵器により部下の視力、聴力を奪ったようです。」

「どんなものだ?」

「小さな筒みたいでしたね。それがとんでもない爆音と光を発しました。本当に厄介なのは私を二回殺した少女の方ですね。今回もあの少女にしてやられました。」

「興味があるが、支配魔法も聞かないのだろう?」

「はい。ガーランドからの報告通りです。悪意反射結界がある限り無理ですね。」

「っとなると人質か殺すかだな。こちらの言うことを聞かない奴は敵だ。」

「ボス、殺すのは惜しいです。あの力は利用できます。もちろん私限定ですが。」

「強い魔物でも殺させて屍人形にでもするのか?」

「ええ。そうです。この間はオーガ二体もらいましたからね。ドラゴンは惜しくも消されてしまいましたが。」

「そうか。では女の対処はシュバルツに任せる。」

「はい、わかりました。」


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



無事に城に戻った鈴達は馬を渡し、ルンガーダと共にアゼリアのもとへ謁見しにいくことになった。


「やはり漏れていたか…。」

「一度兵士の身柄チェックをした方がいいのではないでしょうか。」

「無理だ。身元などいくらでも偽装できる。」

「んー。出生届で国民を管理すればいいんじゃないかな…。」


鈴は小声でそう呟いた。


「ん?鈴何か言ったか?」

「え?聞こえてました?えっと、出生届を国に提出して国民一人ひとりを管理するようにすればいいんじゃないかと。管理にはギルドで使われているシステムを利用すれば簡単そうですが。」

「入国してくる外国人や冒険者はどうする?」

「パスポートと言うものを作ってシステムで一括管理すればいいんじゃないでしょうか。」

「そうだな…。宰相はどうおもう?」

「国民一人ひとりを管理するのはいいと思いますが非常に難しいかと思われます。」

「あー。そっか、まず基盤がないから無理なのか。でもそんなに詳しくないし…。」

“スズが分かるはずもない。”

『くっ言い返せない!』

「残念だがそれはできそうにない。っと話がずれてしまったな。続きを聞かせてくれ。


「はい。奇襲に遭いましたが負傷者ゼロにて殲滅、闇ギルドの拠点にて待ち伏せがありましたが鈴殿のおかげですぐに殲滅しました。」

「負傷者ゼロと言うのが良かったといえようか…。」

「その後内部を調査しましたが書類の一つも残っておらず到着する前に運び出されたと思われます。調査最中に入口が闇ギルド幹部シュバルツににて崩されましたが、鈴殿のダイナマイトで入口をふさいでいた岩を除去、脱出することができました。その後入口が崩落しました。」

「わかった。シュバルツというのはどんな人物だ?」

「鈴殿の方が詳しいと思われますので鈴殿よろしくお願いします。」

「はい。シュバルツ、シュバルツ・ゼイノスと言います。得意魔法は闇、屍人形を使役し自らもアンデッド化しており不死身になっています。今回霊体だけを監視としてギルドに残していました。」

「また厄介なのがいるのだな…。それにしても逃げ足が速い。どうやったんだ?」

「質問よろしいでしょうか。」

「なんだ?鈴。」

「遠くに声を飛ばせる魔導具とかないのでしょうか。」

「私はしらんな。宰相はどうだ?」

「残念ながらご期待に添える答えを持っていません。パーラ魔法隊長をお呼びになられますか?」

「たのむ。」

「はい。少々お待ちください。」


宰相が王の間から出て行ったその途端アゼリアは空気が抜けたようにだらけた。


「いやー。鈴もルンガーダも無事でよかった。宰相が帰ってくるまで敬語はいらないぞ。」

「実は途中で転んで膝怪我したんだよね。」

「ドジだな。それで、大丈夫なのか?」

「うん。アイリスから貰ったポーションでなおっちゃった。」

「ポーション?そんなに効果合ったか?」

「アイリス特性の治癒魔法を付加してあるのだー!」

「魔法はよくわからんぞ。それとどうだ?魔導ライフルでの実践は。」

「相手を寄せ付けない強さでした。相手の鎧など紙切れのように貫通し、弓や魔法より早い。まだ小規模な我が隊ですが、魔導ライフルが量産されればかなりの戦力となるでしょう。」

「そうか。後敬語はいらないぞー。近衛騎士団と私とお前たちしか居ないのだからな!ひっさしぶりに素で話せる!」


アゼリアはそう言いながら笑っている。

これには近衛騎士団も呆れ気味だ。


「いやまて、そこまで強い武器だと対立国の手に渡った時が心配だな。鈴、何か案があるか?」

「ん~。生体認証とか魔力認証とか?認証してない人が使うと壊れるとか。」

「そういう手もあるな。そうだなー。パーラならやってくれそうだ。」


だべだべと話していると宰相が戻ってきた。


「パーラ魔法隊長を連れてきました。」

「只今参りました。」

「ご苦労。パーラ魔法隊長よ。聞きたいことがある。」

「何でしょうか。」

「遠くに声を飛ばせる魔道具は無いのか?」

「声を遠くに…昔そういう魔道具が有った覚えがあります。確か……ギルドのネットワークを創りだした人物が作ったと言われています。」

「で、今はどこにある?」

「それが、その人物の死後行方不明となっています。」

「行方不明か…闇ギルドが持っていてもおかしくはないな。…あ。」


突然アゼリアが何かを思いついたようだ。

それに宰相が反応する。


「アゼリア王女どうしました?」

「私を襲った闇ギルドの男の持ち物だ。まだ保管してあるな?」

「はい。まだ保管してあります。」

「全部持ってこい!あいつは毎日あそこに居たんだろう?どうやって情報を本部へ流していた!」

「! 直ぐに持ってまいります!」


そう言うと宰相は駆け足で部屋から出て行った。


「なるほど。それがありました。」

「後パーラ魔法隊長。魔導ライフルに個人認証をつけることはできるか?認証された者以外が使うと爆発するような。」

「(アゼリア…爆発ってまた…。)」

「個人認証ですか?えー…魔力は個人個人違うため魔力認証でできると思いますが、一から作るので時間がかかるかと思われます。爆発ですが…魔石を取り外されないようにカバーを付ける必要がありそうですね。」

「それで行こう。パーラ魔法隊長頼んだぞ。」

「ハッ!」

「これで一つ進めそうだ。」

「しかし、実際に持っていたら厄介そうです。複製されていたら各国の情報が駄々漏れですよ。」

「そうだな…」


その時兵士が駆け込んできた。


「何事だ!」

「保管庫にて侵入者です!宰相様が刺されました!」

「なんだと!ルンガーダ銃士隊長、装備を整え至急保管庫に迎え。」

「ハッ!」

「私も行きます。」

「行ってくれるか。鈴頼むぞ。そこの兵士!鈴を現場に案内するのだ!」

「鈴殿こちらです!」

「はい!」


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


保管庫では黒い侵入者と居合わせた兵士三人が対峙していた。


「宰相様はお逃げください!」

「くっ…この年でこの傷はきつい…。」

「俺たちがこいつを抑える!その隙に運び出してくれ!」

「わかった!宰相様大丈夫ですか!」

「大丈夫じゃないとだけ言いましょうか…。」


兵士は宰相を担ぐと部屋の外へと出ていく。

後ろでは金属がたたき合う音、戦闘が行われている。

部屋の外に出た兵士は宰相を廊下にゆっくり降ろす。


「治癒が使える魔法使いを呼んできます。それまでお気を確かに。」

「えぇ。頼みましたよ…。」


兵士は魔法使いのいる部屋へ走り出した。

今いる位置からはあまり離れていない。

宰相の傷も縦に斬られているが傷は浅い。

急げば間に合うだろう。

一方部屋の中では。


「くそ!こいつ動きがおかしいぞ!」

「二人掛なのに押され気味だと…!」

「………。」

「応援は…まだか!」

「こいつ息一つ乱してないぞ!化け物か!」


黒い侵入者は異常な速度で剣を振るい、二人の兵士を圧倒していく。

次第に二人は壁際に追い詰められていく。

「もう後が…無いぞ!」

「くそ…!」


一人の兵士の剣が弾かれた。


「………。」

「っ!?」

「伏せろ!」


部屋に声が響く。


二人は瞬時にその場に伏せると、銃声が鳴り響く。


銃弾が侵入者に撃ち込まれ、その場に倒れ伏し血を流し倒れ伏せたのだ。


銃撃をしたのはルンガーダと鈴。


「大丈夫か!」

「助かりました!」

「ありがとうございます!ルンガーダ銃士隊長!」


ルンガーダは保管庫に入ると侵入者が狙っていたと思われる保管箱の前まで行く。


「魔道具はこれか?」


ルンガーダは箱のなかから一つの魔道具を取り出す。


「これっぽいな。よしこれを―。」

「ルンガーダさん!後ろ!」


そこには先ほど銃弾のフルオートを浴びせられ死んだはずの侵入者が立っていた。


「なっ!?お前は死んだはずじゃ!」


体から銃弾が排出され傷がふさがっていくのだ。

侵入者は分が悪いと思ったのか保管庫の窓から逃げていく。


「逃すか!」


鈴は引き金を引いた。

アサルトライフルから銃弾が発射され窓から身を投げようとしていた侵入者の足に当たった。

が、そのまま窓から逃げてしまった。


「城内をくまなく探せ!奴を逃がすな!」


ルンガーダが指示を飛ばす。

その指示は集まってきた兵士達にも伝わる。


スズはリンに変わると窓から飛び降りた。

ちなみに保管庫は二階である。


血痕を頼りにリンが全力疾走で追いかけるが途中で血痕が途切れてしまっている。


「血痕が途切れてる…一体どこに。」


リンは当たりを見渡しても血痕どころか影も形もない。


"てか、あの侵入者人間?“

『人間みたいな何か。だと思うよ。』

"あの回復は異常だよ。あれ絶対死んでたし。“

『スズは知らないだろうけどドラゴン戦で同じ光景をみた。』

"まじで。じゃあアレはシュバルツの屍人形?“

『違うと思う。簡単に言うと改造人間?』

"魔法でいじられた体なのか。それならあの超回復もわかるけど…。“

『まだ城に潜んでると思うけどこれ以上の追跡はできなさそう。』

"だね。“

『とりあえず戻ろう。』


リンは入り口まで戻るまでに兵士に何度か侵入者の行方を聞かれたがわからないので血痕のあった場所だけ教えていた。


城内に入るとリンはスズへと変わり、そして迷子になる。


「ふえぇぇ。王の間どこぉ…。」


その辺にいる兵士に話しかけようとしてもみな侵入者探しで取り合ってくれない。


『こうなったら使用人に場所聞いて…。』

"こんな騒ぎだから使用人は部屋にこもっちゃってるんじゃないかな。“

『そんなー。ええい!右手の法則だ!これで行ける!』

"それ迷路じゃ…。“


鈴は右側の壁にそって歩くしばらく歩くと見覚えのある場所に戻ってきた。


「ここ入り口じゃん!」


思わず声が漏れる。

鈴は今度こそ王の間への行き方を聞こうと兵士に話しかけた。


「王の間ってどこですか!王の間!」

「お、王の間?この先を―。」


なんとか兵士から話を聞けた鈴は人格(パーソナリティ)同調(シンクロ)でいつものメモ帳とペンを創造すると王の間への行き方をメモする。


「ありがとうございます!さよなら!」

「一体何だったんだ…。」

『えっと!次どっちだっけ』

"メモしたでしょ。次左。“

『左か!』


鈴は時間をかけながらも王の間へ戻ってきた。

王の間にはすでにルンガーダが戻ってきていたのだった。


「鈴か。窓から飛び降りて追いかけたというが、どうだった?」


アゼリアが鈴に侵入者の行方を尋ねる。

鈴は窓から飛び降りた後の話を始めた。

血痕を追って追いかけたこと。

途中で血痕が途切れてしまっていたこと。


「ルンガーダの意見と合わせてもとても人間とは思えない。パーラ魔法隊長はどう思う?」

「はい。屍人形と似ては居ますがそこまでの命令は出せません。おそらく生きた人間を魔法で改造したのでしょう。」

「生きた人間を…か。」

「ただ、聞いた話だととてつもない回復力があると聞きました。おそらく表面上は回復したように見えると思いますが、内面ではかなりのダメージを受けていると思われます。」

「あ。」

「どうした鈴。」

「えっと、前アイリスと依頼に行った時なんですが、そこで問題になっていた屍人形が今回のように再生していました。」


鈴は以前行った依頼の事を思い出していた。

銃弾が効かない屍人形達。

火炎放射器とアイリスの魔法で殲滅したことを。


「前にもあったのか?」

「はい。その時は灰になるまで燃やしました。さすがに灰になれば再生できないみたいです。」

「灰になるまで…か。パーラ魔法隊長どう思う?」

「おそらく闇の魔法だと思われますが…そこまでの超回復といいますか、どこからそれだけの魔力を引き出しているのかわかりません。灰になれば蘇らないのは術式が燃えたからでしょう。」

「闇の魔法か。厄介そうだ。」


アゼリアはそう言うと腕を組んだ。


「そういえば宰相はどうなった?」

「傷は浅いものでしたので治癒魔法で完治できるでしょう。おそらく着替えているのかと思われます。」


ルンガーダがそう答えた。


「そうか。命に別状がなくてよかった。」


そっと腕組を戻したのだった。



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