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異世界と私と銃とファンタジー  作者: 白築 える
リール国と観光とアルニカ
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出発準備

日は変わり、翌朝。

アイリスと飛鳥は部屋を変更され昨日のような寝坊対策が行われていた。

しかし、それの心配はなさそうだ。


「アイリス起きて!早く行こうよ!」

「うるさいわね…まだ早朝よ…馬車もまだ来ないわ。」

「ほら観光とか旅行って楽しみじゃない!?」

「それはそうだけど、時と時間を考えなさい…。」

「ぐぬぬ…!」

「ぐぬぬじゃないわよ。そんなに暇なら外でも走ってきなさい。」

「そうする!にょおおおおおお!」


スズはドタバタと音を立てながら宿を出ていった。


「朝からうるさいわね…。」


ちなみに地球時間で朝四時である。

木造建築の宿では迷惑である。


「もう少し寝よう…。」


アイリスはベッドに潜ると再び眠ったのだった。

そのころスズは街中を走っていた。


「観光!旅行!異世界観光!いえーい!」

"朝からうるさいね。"

『だって観光だよ!そして西の島のアルニカまで旅行!いいじゃん!』

"なんでそんなに嬉しそうなの?"

『…だって今まで一人だったんだもん。』

"そっか。そうだよね、今まで見てたよ。"

『やっと…やっとこの世界で出来た仲間で楽しく観光ができる。今までのギスギス感なんてない。本当の…。』

"そうだね。"

『だから、今は走る!』

"いや、それはわからないよ。"








その後街を二周すると宿に戻った。

さすがのスズでもこの距離は疲れる。


『つ、疲れた。』

"お疲れ様。"

「あーいーりーすーおーはーよー。」

「おはよう。」

「だいぶ走ってたみたいね。」

「二周走ってきた!」

「この街って結構大きかったわよね…。」

「うん。だから結構時間かかった。」

「まぁ、時間潰せたならいいわ。飛鳥起こしに行きましょう。」

「了解サー!」


鈴とアイリスはイルミスと飛鳥が泊まっている部屋へと出向いた。

扉をノックし、開けてもらうとイルミスは困り果てた表情をしている。


「当ててあげる。飛鳥が起きないのでしょ。」

「あぁ。そうだ。」

「あーすーかー!朝だぞー!」


鈴は走って飛鳥が寝ているベッドへダイブした。


「ぐぇ!」

「ぐふぅ!」

「何してるの…自分も負傷してるじゃない…。」

「ベッドの角に頭ぶつけた…。」

「な…なんじゃ…スズはなぜ妾のお腹の上に乗っているのじゃ?」

「起こすため…アイリス~頭治して~。」

「バカは治せないわよ。」

"ぷっ…あははは!バカは…治せない!"

『バカじゃないぞ!ちゃんと勉強したし!』

"十段階中、万年成績三で?"

『ぐぬぬ…』

「まあ治してあげるから飛鳥の上から戻ってきなさい。」

「は~い。」

「ふぅ…朝から大変な目にあったのじゃ…。」


鈴が額のコブを魔法で治してもらっている中ベッドから飛鳥が起きた。


「ふむ…服は確かここに置いたはずじゃが…。」

「こっちにあったぞ。」

「おお!そうじゃった!ありがとうイルミス殿!」

「…何自然とやってるのよイルミス。」

「イルミスさんのえっちー。」

「お前ら俺がアラスみたいな奴だと思って―」

「イルミス殿。別に減るものではないし別に見ていてもいいのじゃよ?」

「飛鳥…それはフォローになってないぞ。」

「そうなのか。」


飛鳥はそういいながら服を着だしている。

イルミスはこれ以上何か言われないように背を向けて立っているのであった。


『イルミスさんをさりげなく弄り、アラスさんを刺激することができる。』

"おぉ、黒い黒い。"

「アイリスありがとう。」

「どういたしまして。」

「イルミス殿着替え終わったぞ。」

「そうか。それでは行こうか。」

「うむ。」

「私はアームとアラス呼んでくるわ。外で待ってて。」

「いってらっしゃいー。」

「では俺たちは外に出て待っているか。」

「了解サー!」


いつもより元気なスズ。

三人は先に宿の外へと出た。

今日も空は快晴だ。


「観光~♪旅行~♪いえーい!」

「スズ殿は朝から元気だのぅ。妾と同じく朝は弱いはずじゃったが…。」

「ふっふっふ。私はこう見えてもいつもより早く起きてアイリスをせかしていたのだ!」

「なんと!その秘訣はなんじゃ?」

「それは…。」

「それはなんじゃ…!」

「観光だからでーす!いやね、観光とか旅行ってみんなで行くの初めてだからテンション上がっちゃってついつい早起きしちゃってね!わかる?楽しみなことがあると寝れないやつ!」

「お、おう。そうか、ようは楽しみで早起きしてしまったということじゃな。」

「うん!」

「その調子でいつも早起きしてくれると助かるんだが…。」

「あ、それ無理です。」

「なぜそこで否定する…。」

「いや~朝起きは苦手なもので…。」

「今日と同じように起きればいいだろうに。」

「それができたら苦労しないですよ。」

「自慢げに言うな…。」


話していると宿から三人が出てきた。


「ういーす!おはよう、スズちゃん!飛鳥ちゃん!とイルミス。」

「おはよー!」

「おはようじゃ。」

「俺だけ扱いが雑じゃないか?」

「野郎はどうでもぐふぅ!」

「はいはい。静かにしましょうね。」

「ま、魔力をまとったこぶしは効くぜ…。」


アラスの耐久度が上がった!


「それでは俺は交渉に行ってくる。朝食でも食べて待っててくれ。」

「わかった。」






イルミスは定期馬車が止まっている場所へ赴くと、馬の世話をしている人が目に入った。

おそらくその人物が馬車のオーナーなのだろう。


「すまない。少しいいか?」

「ん?なんでしょう?まだ出発するには早いですよ。」

「ああ、そういうことじゃないんだ。実はこの馬車に六人で乗りたいのだが、交渉しないか?」

「交渉?料金のことですか?」

「話が早くて済む。その通りだ。俺はこういう者だ。」


イルミスはギルドカードを取り出すと手渡す。


「イルミスさんね。ギルドランクは…Bじゃないですか、すごいですね。おっと失礼。私はライアット・ギルスタインと申します。」

「ライアットさんか。交渉させてもらっても?」

「はい。いいですよ。」

「それはありがたい。こちらからの要求は賃金の割引で差し出す物は体だ。もちろん護衛という意味でな。」

「ふむ。最近物騒な事が起きますからね。幾日か前うちの定期馬車も襲われた次第でしてね。護衛を付けるかと議論になっているところです。」

「それなら両方ともウィン―ウィンの関係じゃないかと思うのだが、どうだろうか。」

「そうですね…(六人ならば元も取れそうだし、護衛を下手に頼むより安上がりでいいかもしれない。)」

「どうだ?」

「いいですよ。その交渉受け入れましょう。その代り何か起きたら―。」

「俺たちに任せろ。」

「通常三銀貨のところを…そうですね…一銀八百銅の六人十銀八百銅でどうでしょうか?」

「六割か。その条件でお願いする。」

「では二時間後に出発しますのでそれまでにお越しください。」

「わかった。」






「さて!イルミスも行ったことだし、朝食を食べに行こー!」

「スズ元気だな。」

「朝からあんな調子よ。私より早く起きたからね。」

「明日は雨が振るんじゃないか?」

「それは困る!水着の女の子が見れない!」

「私も困る!観光が出来ない!」


アラスとスズは並んでそれを否定していた。


「明日は!」

「絶対晴れ!」

「目的は!」

「観光!」

「水着!」

「いえーい!」


アラスと鈴が異様にテンションが高い。

そんな二人を遠い目で見るアイリスとアーム。

飛鳥はまだ日が浅い為元気な二人だと思っていたのであった。


アラスが近場に食堂があることを知っていたため四人はアラスの後へついていく。

しばらく歩くといい匂いが漂ってきた。


「ん~。いい匂い。」

「そうね。いい匂い。」

「妾はお腹が減ったのじゃ。」

「アラスにしてはいい店知ってるじゃないか。」

「ふっふっふ。いつでも女性に最高のおもてなしをすることができる。それが!紳士!これぐらいはリサーチ済みさ!」

「まったく。アラスは変なところで役に立つんだから。」

「アイリスちゃんひどいよ~。」

「アラスさん!ここのお店はどういうもの出すんですか?」

「魚の干物とか後は普通の食堂と変わらないな。リール国は唯一魚の料理が出るんだ。王都では焼き魚が食べれるんだ。」

「おお!久しぶりに魚食べるなー。」

「この時間だと客も少ないだろうから余ってると思うぜ。」

「よし!注文するものは決めた!魚!」

「朝から食い意地が張ってるわね。」

「走ってたらお腹すいちゃった。」


そんな話をしながらアラスが案内した食堂へと入る。

質素な作りをしているが、料理から発せられる匂いはこの食堂の作りからは考えられないほどいい匂いだ。


「いらっしゃい。」

「五人です!」

「はいよー。こちらの席にどうぞー。」


スズ達は四人用のテーブルに椅子を一つ足した席に座ると羊皮紙に書かれたメニューを見始めた。

案の定向こうの世界とは魚の名前が違うのでどれがどの魚なのかわからない。


『しまったぁ~!魚の名前がわからない…。』

"アラスに聞いてみれば?"

『それだ!』

「アラスさん。」

「なんだい?スズちゃん。」

「魚の名前と魚が分からないの。どんな魚か教えて欲しいなーって。」

「まかせろ!このトイって名前の魚は赤みがかった鱗を持ってる魚なんだぜ。」

「赤っていうと知ってる限りだと鯛かな?」

"そうだと思う。"

「スズちゃんの世界では鯛って呼ぶのか。世界が違うとややこしいな。」

「よし!私はトイの焼き上げにする!あと白米!」

「私は煮物と白米にするわ。」


各自がそれぞれの朝食を店員に注文する。

スズは久しぶりの魚料理でさらに元気になっている。


五分だろうか最初の料理が運ばれてきた。

男組は皆肉を注文していた。

それ故か二人同時に運ばれてきたのだ。


「うっまそー!」

「この間のフィグの切り分けた肉と負けない大きさだな。」

「おぉ…お肉もおいしそう…じゅるり。」

「この大陸に来てから肉が多いのぅ。もっと軽い食事はないものか。」

「スズ、食べてばかりだと太るわよ。」

"お腹ぷにぷにになるぞー。"

「二人してうるさい…。私は太りません!」


しばらくすると魚の焼ける匂いとともに次の料理が出てきた。


「よしきた!いただきます!」

「私のも来たわね。」

「妾もじゃ。」


五人は食事をしていると周りをきょろきょろとしているイルミスと窓越しで目が合った。

イルミスもそれに気が付くと食堂の中へ入ってきた。


「ここにいたか。」

「いるみひゅひゃんおかへりなしゃい。」

「スズ殿、食べながら話すのは意味が分からないぞ。」

「ん…。イルミスさんお帰りなさい。」

「おう。交渉の方だが上手くいったぞ。四割まけてもらった。」

「結構大きいわね。」

「まあ護衛を付ける必要がなくなるからその分浮いた経費だろうな。」

「それはともかくイルミスさんも何か食べた方がいいですよ!腹が減っては戦はできぬ!」

「どこに戦いに行くつもりだ…。とりあえず、おすすめ頼む!」

「かしこまりました。」


イルミスが厨房に向かってそう叫ぶと奥から声が聞こえてきた。


「おすすめって何?」

「いや、俺にもわからん。メニューを見たら書いてあったものでな。」


その後出てきたおすすめ料理を完食し、食事代を払い外へと出た。

イルミスが来てから三十分ほど経過していた。

定期馬車の出発時刻にはまだ少し早い。


「馬車いこ!馬車!」

「馬車が俺たちを呼んでいるぜ!」

「アラスはともかく、スズがいつもより増して元気だな。」

「観光が嬉しいみたいよ。」

「そうか。それはよかった。」

「うおおおお水着!」

「うおおおお観光!」

「少しうるさいわね…。」

「…そうだな。」


イルミス達は少し早いが、アラスとスズが急かすので馬車が止まっている場所まで行くことにした。

そこには馬の毛並みを整えているライアットがいた。


「おや?先ほどの。」

「すまない。仲間が早く馬車に行きたいとうるさくてな。」

「いいですよ。馬車のなかで待っててください。」

「すまないな。」

「いえ。気にしないでください。」


そう言われるとスズとアラスが一番乗りで先頭馬車に乗り込んでいく。

馬車はさほど大きくなく、六人乗ったら一杯になってしまいそうだ。

この馬車の編成が三つ縄で繋がれている。

各馬車には一人ずつ御者が乗ることになっている。


そして六人全員が馬車に入ると備え付けられた椅子のような物に腰を掛ける。

外からは布で隠され見えなくなっている。

出発時刻までスズとアラスの元気ハツラツとした大声で四人が悩まされることになったのだった。





成績が五段階か十段階かの質問がありましたので、修正しました。

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