表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界と私と銃とファンタジー  作者: 白築 える
リール国と観光とアルニカ
58/217

アルゼリアの街




「ちくしょー!ここ海ないんだった!」

「そんなこと言ってないでさっさと荷物運ぶぞ。」

「へいへい…。」

「それじゃ、私達は宿を取りに行きましょ。」

「はーい。」

「うむ。」


一旦二組に別れ別行動を取る。

ギルドに水晶球を運ぶ男性班と宿取りの女性班である。


「さーて!宿取ったらお風呂はいるぞー!」

「そうね。ラターク街では入れなかったからね。」

「そうじゃな。妾もあんな汚い場所に入れられておったからのぅ。」





「依頼の品を届けに来た。」

「はい。依頼書をお渡しください。」

「これだな。」

「確かに…水晶一球ですね。ありがとうございます。これで依頼達成です。」

「そとに荷車と水晶球置いてあるから持ってこようか?」

「いえ。担当の者を行かせます。少々お待ちください。…ほら取ってきて。男なんだから!」

「…。」

「おまたせしました。」

「ところで聞いてもいいか?」

「何でしょうか。」

「あの水晶なんで日々入っているんだ?」

「…実はですね…。」




「ガハハ!酒だ!酒持ってこーい!」

「ランクアップ祝だ!もっと飲め飲め!」

「いつも以上に煩いですね。」

「そうですね。」

「ああ!酒瓶振り始めた…辺りに酒が飛びちる…。」

「まいどまいど大変ね…」

「ガハハ!ほーら酒をついでやるぞぉ?酒何処行ったぁ?」

「わわ!避けて!」

「うわ!」


冒険者の振っていた酒瓶が手から離れカウンターめがけて勢い良く飛んで行く。

そこには話していた二人の職員がいたのだ。

一人は危険を察知して避けたが、もう一人は回避が遅れて割れた酒瓶の酒を被ってしまった。


「うへぇ…酒臭…。」

「大丈夫?早くこれ片付けないと―あ”!」

「どうし―あ”!」

「水晶にヒビが入ってるううう!」


二名のギルド職員の叫び声がギルドに轟いた。


「あん?」

「あぁ…画面にノイズが…キーの反応が悪い…。」

「どーした?酒持ってこーい!」

「マ…。」

「ま?」

「マスター!大変です!早く気てくださーい!」

「何事―あ”!?」


ギルドマスターが酒が掛かりひび割れた水晶の前に移動するとわなわなと震えだす。


「これをやったのは誰だ。」

「この人です…。」

「あぁ?俺はぁしらねぇえよ。」

「<水よ。我が手に集い彼の者を押し流せ!ウォーターウェーブ!>」

「うわあああ!」

「ひええええ!」


ギルドで酒を飲んでいたグループは一同ギルドの外へ押し流されていった。


「酔が覚めちまったぜ…。」

「それは良かったな。」

「ギ、ギルドマスター…。」

「何かいうことは?」

「…すみませんでしたぁ!」

「すみませんで済んだら兵士は要らねえんだよ!お前らは降格処分だ!」

「そ、そんなー」





「ってなことが有りまして…。」

「なんというか…想像どおりだった。」

「交換終わりました!」

「少々お待ちください。」


受付の掛かりは新しく交換された水晶で操作を始めた。

ものの数分で終わり、イルミスの元へ戻ってきた。


「ギルドへの負債があるようですが、今回の依頼から天引きしますか?」

「よろしく頼む。それでいくらだ?」

「現依頼の報酬が百銀貨になるのでそこから五割引かせてもらい残り六百銀貨になります。」

「今回は五十銀貨の儲けか。」

「そうなります。」

「じゃ、それだけくれ。」

「持って参りますので少々お待ちください。」


そう言うと受付の職員は奥へと入っていく。

ギルドを見渡すといたるところに禁酒と書かれた羊皮紙が貼ってある。

あの一件で相当頭に来たのだろう。


「お待たせしました。五十銀貨です。お確かめください。」

「…確かにあるな。ありがとよ。」

「またのお越しをお待ちしています。」


外にでるとアームとアラスが待機していた。


「終わったか?」

「あぁ。終わったぞ。」

「で、原因なんだったわけー?」

「酔っぱらいが酒瓶を投げて割れた。」

「え?俺あたってたの?」

「残念ながらそうだ。」

「俺すげー。」

「アイリス達はまだか?」

「そろそろ来ると思うが―。」





時間はしばらく戻り鈴達の視点。



「ここの宿とか三人部屋ありそうだね。」

「じゃ、入ろう。」


中に入ると宿主が申し訳無さそうな顔をして話しかけてきた。


「すみません。部屋が満員でして…。」

「むぅ…違うところ行こうぞ。」

「そうだね。」


その後辺りを探しまわり宿を見つけた。

しかし若干古そうだ。


「とりあえず入ろう。」

「いらっしゃい。」

「六人なんだけど三人部屋二つある?」

「すみませんが二人部屋しかなくて。それなら三部屋用意できますよ。」

「それじゃそれで。」

「一泊一銀貨。合計三銀貨になります。」

「はい。どうぞ。」

「確かに三銀貨受け取りました。こちらが鍵です。」

「ありがと。飛鳥とスズは部屋に行ってて。私はイルミス達呼んでくる。」

「いってらっしゃいー」

「気をつけるのじゃぞ。」


アイリスは宿の外に出るとギルドの方向に向かって歩き始めた。






「おーい。イルミス~」

「アイリスか。宿は取れたか?」

「二部屋しか無かったから三部屋借りたわ。」

「これは俺が三人のうちの一人と同部屋…!」

「アーム、アラスと一緒の部屋でいいか?」

「ああ、見張ってるよ。」

「そ、そんなー。」

「とりあえず…案内するわ。」


イルミス達を宿に案内するアイリス。

既に辺りは暗くなり始めている。


「ここ。」

「思ったよりボロいな。」

「古いだけよ。さあ中に入るよ。」


四人は中へ入ると宿主と目があった。


「いらっしゃ―あ、先ほどのお客さんですね。後ろの方はお仲間さんですか。」

「そうよ。」

「これはこれは…ゆっくりしていってください。」

「ああ、そうさせてもらうよ。」

「私は鈴達とお風呂行ってくるわ。」

「それじゃ俺達は部屋行ってるぞ。」


そう言うとイルミスに鍵と杖を渡し、アイリスは鈴と飛鳥が居る部屋へと向かった。


「二人共いる?」

「いるよー。」

「入るわよ。」

「ついにこの時が来たのじゃ…。」

「そうだね…ついにこの時が!」


二人は怪しい笑顔で笑い合っている。


「なにしてるのよ。」

「お風呂じゃー!」

「お風呂ー!」

「あぁ、はいはい。行きましょうね。」

「いえーい!」

「いえーい!」


スズと飛鳥を先頭に、街の共用の風呂へと向かう。

この古い宿には付いていないのである。

それはほぼ街の真ん中にある建物だ。

男と女と看板が掲げられている。


『あ…タオル忘れた…。』

"いいじゃん。傷跡が見えたって。"

『…。』

"仲間でしょ?"

『他の人がいる…。』

"しょうが無いなぁ。"


人格を一瞬だけ交換すると、リンはタオルを創造しスズに持たせた。


『…ありがとう。』

「あ、妾もタオルを忘れてしもうた。」

「なにしてるのよ…。」

「まぁ気にすることはないのじゃ。のぅ?スズ…何故タオルをもってるのじゃ!」

「リンにだしてもらっちゃった。」


てへぺろと言わんばかりの笑顔で答えるスズ。


「まぁ良い。見せて困るような体はしておらぬ。」

「…。」

「とりあえず入りましょ。」


三人は建物の中へ入っていった。


「おぉ、やはりこの時間は人が多いようじゃな。」

「そりゃあ夕方出し?」

「もう夜よ。」


スズ達は脱衣スペースで服を脱ぐと、バスケットに服を入れる。

アイリスと飛鳥は堂々としているがスズは腹部にある傷跡を隠すかのようにタオルを体に巻く。


「鈴殿、お主ももっと開放的になろうぞ。」

「なにそれこわい。」


そんな話をしながら風呂場へ入っていく。


「まずは体の汚れを落とすとするかのぅ。」

「そうね。汚れたまま浴槽に浸かるのはマナー違反ね。」

『ささーと洗ってタオル巻いて浴槽に浸かる!』

"逃げたくなったら逃げてきてね。"

『ぐぬぬ…反論できない…!』


スズはお湯を桶に汲むと、置いてあるへちまのような物を手に取る。

それで体をこすり、汚れを落とす。

他者に見られること無く体を洗う。


『よし。』


スズはタオルを体に巻くと一直線に浴槽へ向かっていく。


『ふぅ…やっぱりお風呂はいいものだー。』

"おばあちゃんみたい。"

「スズ早いわね。」

「そうだのぅ。お主ここには異性はいないのだからタオル取ったらどうじゃ?」

「いや、遠慮しておくよー。アハハ…。」

「つれないのぅ。」


そんなことを言いながら二人も浴槽に入ってくる。


「ふぅ…久しぶりね。」

「やはり風呂はいいのぅ。」

「それにしてもスズ、タオルが透けて凄いことになってるわよ。」

「!?」

「ふむ…男がいたら確実に悩殺よのぅ…うむ?」

「へ、変なコト言わないでよ!」

「飛鳥どうしたのかしら?」

「いやなんでもないのじゃ。」

「そ、そういえば飛鳥って何歳なの?」

「うむ?妾か?16歳じゃが、どうかしたかのぅ?」

「なん…だと…?」

"クスクス…あれースズって何歳だっけー?"

『…17歳…リン…喧嘩売ってるの?』

"いやだなぁ。スズより年下で胸が大きいとか思ってないよ。"

「…いひ。」

「ん?どうしたのじゃ?」

"あ、壊れた。"

「飛鳥ぁ~!いひひひひ!」

「な、なんじゃ…?」


スズは黒い笑顔を浮かべながら飛鳥に近づく。

飛鳥はスズから発せられる気配に押され、後ずさる。

が、スズに足を掴まれる。


「の、のぅ?スズ殿?」

「いひひひひ!」

「のわああ!」


その叫び声に周りの視線がこちらに集中する。


「またか…。」

「アイリス殿…またかとはなんじゃ…それ以前に助けてくれ。」

「がんばって。」

「アイリス殿ー!」

「いにゃっはあああああああ!」

「やめるのじゃあああああ!ひ、ひゃああああ!ど、何処を触っておる!やめんか、あ。あひぃん!」

「ふひひひひ!」

「いいかげんにしなさい。<水よ。適当に敵を撃て。ウォーターボール>」


魔力もほとんど込めずに詠唱も適当にし、魔法を発動させた。

バケツから水を零したかのようにスズの顔にお湯が当たる。


「っ!?!?ぶへええ!」

「お?おおお?おぶぶぶぶぶ…。」


完全に不意を突かれたスズはそのまま飛鳥を巻き添えに浴槽に沈んだ。





「ひ、ひどい目にあったのじゃ…。」

「いやぁ、発作みたいなものだよ。あははは!」

「私の時もそれほどひどくなかったけど、あったのよ。」

「助けてくれても良かったのじゃよ?」

「いやよ。あそこで手を出したら私まで巻き添えくうじゃない。」

「ひ、ひどいのじゃ…。」

「それにしても飛鳥が年下だったとは…。」

「妾はスズ殿のほうが年下たとおもったのじゃ。」

「しかし何故…!何故世界はこうも残酷なんだ…!くぅううう!」

「スズ殿は何を言ってるのじゃ?」

「自分の胸に聞いてみなさい。」

「…なるほど。そういうことじゃな。」

「何故なのだー!」

「あ、雨降ってきたわ。」

「せっかくお風呂に入ったのに雨にぬれるのは嫌だのぅ」

『リン!傘二つ!』

"はいよー。"


人格が入れ替わり、手元にビニール傘を二つ創造する。

一つをアイリスに手渡し、もう一つは自分と飛鳥で入ることにする。


「なにこれ?傘?どうやって開くのかしら。」

「このボタンとこう外して、ここを押すと開くよ。」

「こうかしら?」


グラスファイバー製の骨で出来た傘が大きく開いた。


「おぉ!透明じゃ!どういう素材で出来てるのだ?」

「詳しくは知らない。」

「そうか。それにしても透明の傘は初めてじゃ。動物や魔物の革を加工した物なら妾の故郷にあるのじゃが。」

「へぇ~。」


リン達以外の外にいた人は急ぎ足で各家に戻っていく。

時々リン達の傘を物珍しそうに見ていく人がいる。


宿の前まで到着すると宿の扉を開ける。

傘はそのまましまうと雨水を被ってしまうため、リンが回収して濡れないように消していた。


「さて…部屋に戻るかのぅ。」

「そうだね。そういえばアイリスの部屋は誰が居るの?アラス?」

「そんなわけないでしょ。イルミスよ。」

「ですよね。」

「それじゃ、おやすみ。」

「おやすみ。」

「おやすみじゃ。戻るかのぅ。」

「うん。」


リン達も部屋に戻り、ベッドに腰掛ける。

すると飛鳥が話しかけてくる。


「リン殿。一つ聞いてもいいかのぅ?」

「いいよ。」

「その腹部にある傷跡はどうしたのじゃ?どうやら刃物のようじゃが…この間聞いた限りでは争いはほぼない世界なのじゃろう?」

「そうだね。この傷は―。」

"言わないで!"

『なんで?身内くらいならいいじゃない。』

"でも言わないで。言うな。絶対。"

「どうしたのじゃ?」

「この傷は……内緒。」

「なんじゃ…ケチじゃのぅ。しかし、それは確かに刃物による刺し傷じゃ。これ以上は妾はもう聞かぬよ。」

「そうしてくれるとスズも助かる。」

「それじゃ寝るかのぅ。おやすみじゃよ。」

「うん。おやすみ。」


リンはスズと人格を交換すると意識の奥に引き下がった。


そして次の日の朝この部屋には寝坊助しか居なく、なかなか起きずに皆を待たせるのであった。





飛鳥が鈴の傷に触れようとしましたが、スズに拒否されました。


銭湯は魔道具で湯沸かしから零れた水の移動を行っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ