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異世界と私と銃とファンタジー  作者: 白築 える
リール国と観光とアルニカ
56/217

パーティ招待



その後兵士達と共にイルミス達がやって来た。


「ご苦労だったなスズ。」

「はい。もう寝ていいですか…。」

「水かけてあげようか?」

「イイエ、ケッコウデス。」

「仲が良いパーティじゃな。」

「スズ、その子は誰だ?」

「この人は捕まってた冒険者の人で一緒に手伝ってくれた飛鳥さんです。」

「妾はアルスター・飛鳥・ステイルと申す。この度は鈴殿に助けられ感謝しているのじゃ。」

「ちなみにランクはいくつなんだ?」

「Bじゃ。」

「え?」

「Bじゃよ。」

「と、とにかく無事でよかったな。」

「うむ。男どもの話では今日売り飛ばされることになっておったからのぅ。」

「そうなの?」

「言ってなかったかのぅ。そういうことになってたのじゃ。」


鈴達が話していると、兵士たちが村長とグルだった兵士を馬車に詰め込んでいく。

それとは別の馬車に捕らえられていた女性たちを乗せているのも伺える。


「飛鳥さんはこれからどうするんですか?」

「妾かえ?まずはヒス村に戻らなければならぬ。寝てる最中に襲われたゆえ普段着がない。」


飛鳥の格好は薄いボロ布のようなシャツとスカートだ。


「このままの格好では町中を歩けぬ。まぁ、武器が一緒に盗られていたのが幸いだったがのぅ。」

「イルミスさん。まだアレはヒス村にあるんですよね?」

「ああ。あるぞ。」

「じゃぁ、飛鳥さん。一緒にヒス村に行きましょう!」

「いいのかえ?」

「いいぞ。」

「それはありがたい。今から歩いて行けば夕方か夜には戻れるじゃろう。」

「ちょっとまってろ。」


イルミスは女性たちを乗せていた兵士に何やら話しかけに行った。

するとそこへアラスが出てきた。


「へい、飛鳥ちゃん!俺とデートしないか?」

「妾とか?何故妾とデートなんかしたがるのかえ?」

「だって―ぶへえ!」

「飛鳥さん。まともに答える必要は無いですよ。」


アイリスの杖がアラスの腹に食い込み後ろへ吹き飛ばしたのだった。

しかし、いつもやられて慣れているのか何事も無かったかのように起き上がる。


「アイリスちゃん、いつもどおりだぜ…。」

「アラスさーん。」

「なんだい鈴ちゃん。」


鈴はアラスの体に腕を回すとSOCOMを消しエアガンのベレッタを創造する。


「す、鈴ちゃん?あの、体密着させてくれるのは嬉しいんだけど、ちょっとそれは無いんじゃ―ぎゃあああああああ!」


ポンっという音とともにBB弾が発射された。

何処に撃たれたとはあえて(・・・)言わないがどうあがいても鍛えられない場所と言っておこう。

服の上からなので威力は落ちたがダメージを与えるには十分だ。


「これからは自重してね?」


スズが笑顔で言う。


「は、はひ…あ”あ”あ”あ”…。」

"スズこわーい"

「のぅ、あれは何をやってるのじゃ?」

「お仕置きよ。」

「不純な男よのぅ。」

「アームぅ…俺はもうダメだ…あ”あ”いでえ」

「そうか。これでおとなしくなりそうだ。」


そんなことをやっているとイルミスが呆れたようにこちらに向かってきた。

「馬車に乗せてもらえることになった。これで昼辺りには到着できるだろう。」

「イルミスやるじゃない。」

「そういうわけだ。あの馬車に乗り―」

「脱走だ!」


皆が振り返ると何故かロープから抜けだしていた村長が逃げていく姿が映った。


「あれ?私ちゃんと縛ったよ?」


兵士が村長を追いかけて行くと、それを見計らったかのように縛られていた兵士達も逃げ出した。


「えええ?ちゃんと縛ったよ!?」

「スズ無効化しろ。」

「はい。」


スズは銃を構えると引き金を引いた。

ポンと言う音とともに脱走兵にBB弾があたった。


「あえええ!間違えちゃった!SOCOMピストル!」


スズは慌てて銃を切り替えると脱走した兵士の太ももめがけて引き金を引く。

バンバンバンと大きな音と共に脱走した三人の兵士は足を抑え地面に転がったのだった。


「おぉ?今のはなんじゃ?音と共に男たちが倒れおったぞ。」

「アイリス、死なない程度に回復させてやれ。」

「わかった。」


アイリスは兵士と共に足を撃たれた兵士の元へ向かった。

そして村長は館の正面入口に鍵を掛けてしまい入れなくなっていた。


「くそ、裏口がないか探しだせ!」

「ダメです!開きません!」


「スズ、連続で済まないが頼んだ。」

「あいあいさー。」

「スズは何をするのじゃ?」

「まぁ見てろ。」


スズは正面入口まで行くと兵士を念のため下がらせ、扉に板のような物を貼り付けた。

それは指向性の爆薬で閉所での扉を破壊するために使われる爆弾だ。


「ぽちっとな。」


爆音と共に扉が吹き飛ばされる。

そこには腰を抜かした村長がいたのだった。

扉を閉めて安全だと思ったのだろう。


「はーい。失礼。逃げても無駄ですよ。」

「捕まえろ!」

「ハッ!」


スズの後ろから兵士がぞろぞろと入ってくる。

村長をあっという間に拘束すると再び馬車の中へ連行する。

今度は見張り付きという高待遇だ。


「な、何じゃ今のは?爆発の魔法でもつかったのかえ?」

「あれがスズの能力だ。」

「能力?なんじゃそれは。」

「それは秘密だ。」

「むぅ。ケチよのぅ。」





そしてスズ達を乗せた馬車はヒス村に向かって道を走っていた。


「でね、飛鳥って結構強いんですよ!何か変な斬撃が飛んできたり一瞬で背後取られたり。」

「確か…西の島に特殊な魔法を使う一族の国があると聞いたが、そこ出身みたいだな。」

「そうじゃな。妾は西の島国のアルニカ出身じゃ。この大陸と魔法体系がずいぶんと違うようじゃ。」

「私気になるんだけど教えてくれる?」


やはり魔法のことになるとアイリスが食いつく。


「うむ。いいじゃろう。妾達の魔法は体と武器を最大限のパフォーマンスを発揮させるために作られたものじゃ。魔法の形態はあるが、妾の使うのは絶影とよぶ形態じゃ。体と武器を魔法で最大限まで特化させる。その力は一時的にAにも通用するものとなるのじゃ」

「ほほう。たしかにこっちの魔法とは違うようね。強化系と攻撃系かしら。」

「それと済まないが…。」

「ん?どうしたの?」

「少し回復魔法掛けてくれぬかのぅ。先程から痛み止めを発動しているのじゃ。」

「あー。そうだった。あのね、夜ストレス解消に飛鳥と戦った時におもいっきり壁に叩きつけちゃってね。」

「それを早く言いなさい。」

「はーい。」

「それじゃ回復魔法掛けるわよ。」

「頼む。」

「<癒しよ。ヒール。>」

「あぁ、楽になっていくのぅ。」


そして飛鳥とアイリスは魔法の形態とスズとの戦いを聞いていたのだった。



日が登りきり、少し傾き始めた頃一行はヒス村へついたのだった。

そこで捕まっていた人は下り、兵士たちはラターク街へ向かって再び走り始めた。


「さて、妾は宿に行くのじゃ。」

「私も宿に行くー。眠い…。」

「飛鳥さんは私のベッドを使うといいわ。どうせお金ないんでしょうから。」

「おぉ。ありがたい。使わせてもらう。」

「あとで一人分追加で払わないとねー。」

「それじゃ、俺達は村長のところへ行ってくる。」

「いってらっしゃーい。」

「俺は鈴ちゃんたちと添い寝を―あいたたたた!髪の毛引っ張らないで!」


イルミス達は村長の家に向かって歩いて行く。

アラスは髪の毛を引っ張られながらだが…。




二人が宿に着くとまず宿主から飛鳥の服が保管されていないか聞き出す。


「あ!有りますよ。突然居なくなってしまったのでお洋服どうしようかと…今持ってきますね。」

「うむ。」


しばらくすると宿主が服を持ってきた。


「おお。妾の服じゃな!さっそくじゃが着替えるとするかのう。ほれ部屋へいくぞ。」


そう言うと飛鳥は歩き出していってしまった。


「あの、代金は…。」

「うちのパーティのアラスと言う男の人が払うと思うので帰ってきたら受け取ってください。」

「あ、はい。」

「飛鳥さん待ってー。」

「遅いぞ。部屋がわからん…。」

「部屋はもう少し先ですよ。」


部屋に到着すると飛鳥は来ていた物を脱ぎ、自分の服に着替え始めた。


「これはまた…。」

「む?なんじゃ?」

「いや、なんでもないです。」

『やっぱり私の周りの人は胸が大きい…(ぶつぶつぶつ)』

"ちっぱい。"


スズとリンの脳内戦争が勃発したが、ここで飛鳥をみてみよう。

飛鳥は身長百四十~百五十センチだろうか胸はCはあるだろう。

そして来ている服が特徴的だ。

鈴の世界にもあったミニ浴衣が服だったのだ。

服には花の模様が織り込まれており、更に飛鳥の剣術を活かすように邪魔にならない程度に調節されている。


「久しぶりの妾の服じゃ。うむ、やはりこの格好のほうが落ち着くのぅ。それでスズは何をやっておるのじゃ?」

「脳内戦争!」

「ふむ。意味がわからぬ。まぁ、良い。妾は先に寝かせてもらうぞ。」

「おやすみ!だあああああちっぱい言うなあああ!」

「…煩いのぅ…。」


その後スズとリンの言い合いは一時間にも及び、アイリスが帰ってきたことにより強制的に収まったのだった。


「づめだい…。」

「頭冷やしなさい。」

「うー。疲れたから寝る…。」


そう言うとスズはベッドの方に歩いて行きそのままベッドに倒れこんだ。


「ぐぅ…。」

「ちょ、私も寝るんだから真ん中で寝ないでよ。」


アイリスはスズを脇に転がすと自分もベッドの中に入り込んだのだった。




「むにゃぁ…ましゅまろおいしい…」

「んぁ…」



翌朝、夜何事も無く目が覚める。

しかしそれはアイリスだけである。

しかも目が冷めても動けない。

何故か。

それはスズがアイリスを抱きまくら代わりにして抱きついているからだ。


「スズ、どいて。」

「あと三日…。」

「<水よ―>」


サッっとスズはアイリスから離れた。

しかし、起きる気はないようだ。


「スズ朝よ。起きなさい。」

「あと四日…。」

「延びてるじゃない!<水よ。我が魔力を糧にここに集い水球となせ。ウォーターボール>」

「ひゃあああつめたいいいい!?」

「おはよう。」

「お、おはようございます。」


バタバタと騒がしい音を立てつつもいつもどおりの朝を迎えた。

そんな音の中でも熟睡している飛鳥。


「なんとなく拐われた理由がわかるきがする。」

「私もよ。」

「とりあえずイルミス達の部屋に行こう。飛鳥さんは寝かせておいても問題ないでしょ。」

「そうね。この様子じゃ当分置きないだろうしね。」


そう言うと二人は部屋を出て行った。



「さて今日から依頼を再開するぞ。目的地はリール国だ。予想では一日半で到着する予定になるはずだ。」

「あの荷物リール国の何処で下ろすんだ?」

「ああ、言ってなかったか。リール国のアルゼリア街に下ろす予定だ。」

「分かった。アラスがんばれよ。」

「え?また俺?アームも手伝ってくれよー。」

「アラスさん!頑張ってください!…アラスさんの男っぷりを見たら惚れちゃうかも?」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


アラスが一人で燃え始めたので話の続きをすることにした。


「イルミスさん、一つ良いですか?」

「なんだ?」

「入ったばかりの新米が言うのも何なんですけど、飛鳥さんをパーティに誘いたいと思っているんです。飛鳥さんはBランクで前衛だし、リンと互角に戦ってたから強いし…。」

「そうか。それは本人に聞いてみないとなんとも言えんな。それにあの特殊な魔法形態は戦力になるだろうな。」

「イルミスさん達も教えてもらえば身体強化の魔法ぐらい覚えられるんじゃないでしょうか?」

「そうだな。しかし俺は全くと言っていいほど魔力はない。」

「でもゼロの私よりかは有ります。」

「まぁ、そうだが…。」


するとドアがバンっと開かれた。


「話は聞かせてもらったのじゃ!妾が教えてしんぜよう!」

「飛鳥さんもう少し静かに…。」

「む…すまぬ。」

「で、何処から聞いていたの?」

「妾をパーティに誘いたいと言うところからじゃ。寝ぼけながら歩いておったらものすごい声が聞こえて来てのぅ。ドアに耳を当ててたのじゃ。」

『絶対アラスさんの雄叫びだよね。』

"うん。"

「妾は何処にも入っておらぬが、入ることも拒んではおらぬ。それに面白い物も見れたし、その意見受け入れてもいいのじゃ。」

「よし。それではパーティに飛鳥を加えることにする。」

「これからよろしくのぅ。妾はアルスター・飛鳥・ステイルと申す。気軽に飛鳥とよんでくれ。」

「それともう一つじゃ。妾の使う魔法は常に発動せず、必要なときだけ発動する。別に魔力が少なくとも大丈夫じゃ。」

「ほう、それはいいことだな。」

「例えば切り込む時だけ強化すればそれだけ威力が増すじゃろう。」

「それはいい。さて話すことはまだまだあるだろうが続きはリール国に向かいながらするとしよう。」


イルミスはそう言うと荷物を持ち出発の準備を伝えた。





「スズちゃんが!俺に!惚れて!ひゃっほおおおおおお!」

「おい、アラス行くぞ。」

「あれ?ちょ、おいてくな!」



一行はヒス村から出る前に村長宅にあずけておいた水晶球が入った木箱を受け取るとアラスが引っ張る荷車に乗せた。


「飛鳥、アラスさんはね。おだてると何でもしてくれるよ。」

「そうよ。セクハラされたらお腹に一発お見舞いしてやりなさい。」

「そ、そうか。わかったのじゃ。」

「では出発する。くれぐれも油断するなよ。」

「了解サー。」


スズはMP5SD3を手元に創造するといつでも撃てるようにセーフティを外した。

飛鳥はスズの能力の事が未だわからず、何処から出てきたのかと不思議がっている。

それにこれがどのような武器なのかさえ理解出来ていない。


「それどうなってるのじゃ?」

「あー。飛鳥に教えないとね。」

「そうだな。せっかくパーティメンバーになったんだし、教えておくか。」

「なんじゃなんじゃ?」


スズは能力について丁寧に教えていく。

能力に限らず、銃や爆弾などの知識も飛鳥に伝える。

戦う上での注意は弓と基本同じなのでそこはすぐに理解していた。


「ほほう。神とは…たまげたのぅ…。」

「私も最初は驚いたよ。」




ねぼすけがまたひとり追加されました。


それにしてもアラスがチョロすぎる…。

これは本当にMなのではないか。

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