表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界と私と銃とファンタジー  作者: 白築 える
リール国と観光とアルニカ
54/217

ドジっ子属性あり

前回麻酔がそんなに早く効かないだろーと言う意見がありました。

そこは某探偵アニメの時計型麻酔銃と同じと見てください…


「はわわ。そ、村長のお部屋ですか!?」

「そうそう、何処にあるのかなーって。案内してくれるかなー?」

「はわわ。わかりましたから助けてくださいぃ。」

「じゃ、案内してねー。」


そう言うと肩にポンっと手を乗せ笑顔でそう言う。


「はひ!」

"スズ怖がられてるー。"

『おかしいなぁ…そんなに怖がらせてないんだけどなぁ。』


二人は外にでると使用人の案内のもと村長の部屋へ向かっていく。


「こ、ここはいつも村長が職務を行う場所れす!」

「ふーん。今はここに居ないんだよね?」

「はい!今はここに居ません!」

「じゃぁ寝室に案内して―。」

「おい!何をしている!」


スズ達の後ろから声が掛かる。


「あ、ヤバ!」


スズはすぐに麻酔銃を構えると引き金を引いた。


「いっ…ぐぅ…」

「こ、殺したんですか?」

「寝ただけ。」


スズが説明していると遠くから声が聞こえてきた


「おーい。今のはなんだー?」

「ちょっと待ってて!」

「はいぃ!」


スズは声がした方に駆け出すと…。


"あ、ちょ!スズ何してるの!?"


「いやー!だれかたすけてー!」

「あ”!」

"あ~あ。"


その声に反応するかのように屋敷に残っていた巡回中の兵士や寝ていた兵士が起きだしてしまった。


「こらー!逃げるなー!」

"普通逃げるよねー。"

『まずった…。』


「何だ何だ!?」

「侵入者か!」

「居たぞ!村長の職務室の前だ!」


屋敷の中が騒がしくなっていく。


"どうするの?殺す?"

『いや、それは駄目だよ。ただの雇われだったら殺す必要はないから。』

"じゃ、どうするの?"

『こうする!』


スズはいま来た道を戻り適当な部屋にはいる。


『リン交代!』

"はいよ。"


スズとリンが入れ替わりスズがリンに指示を飛ばす。


"そこでしゃがんで!"

『?こう?』


リンはその場でしゃがむとスズの次の指示を待つ。


"次はダンボールを創造!そしたら被る!"

『ダンボール。』


リンはダンボールを創造するとそのまま被った。


『一つ良い?』

"だいじょーぶ!前やった時はこれでかわせたから!"

『いや…そうじゃなくて…。』


リンが何か言いたげだが、それより早く外から大声が聞こえてきた。


「何処行った!」

「この廊下からは逃げれていないはずだ!どこかの部屋に隠れてるに違いない!探しだせ!」


ガチャガチャとドアが開けられていく音が聞こえる。

それと同時に使用人の悲鳴などが聞こえてくる。

そして鈴が隠れている部屋のドアが開かれた。


「いな…ん?なんだこれは。手触りは紙のようだがずいぶんと硬いな。」


兵士はそっとそれを持ち上げてみると中に体育座りで隠れていたリンと目があった。


「あ。」

「ですよねー。」

「居たぞー!グヘぇ!?」

"何故バレた!"

『だってこの世界にダンボールなんて無いじゃない。』

"それだ!"


リンは殺さない程度に兵士を殴り飛ばし、気絶させるとすぐにもう一つの奥の手を創造する。


フォトン(光子)フィールド(領域)ジェネレーター(発生装置)

"これで勝つる。"


リンの周辺に光のフィールドが発生し姿を隠す。

いわば光学迷彩だ。

これは密着型ではなく円形に展開しているためフィールド内に入られるとバレてしまい、家具や何かに被るとそこまで透過してしまう。

しかし敵の目を欺くにはちょうどよい。

兵士がリンのいる部屋に入ってくるがそこには気絶した兵士が転がっている。


「おい大丈夫か!」

「畜生!侵入者が居ないぞ!探しだせ!」


そう言うとバラバラに散っていく兵士達。


"ふぅ。危うくバレそうになった。"

『いや、バレてたけど…。』

"とりあえず変わって。麻酔銃で眠らせながら行くから。"

『了解。』


再び入れ替わると、麻酔銃を取り出し部屋から歩いて堂々と出て行く。

ドアの付近が丸く切り取られたように透けるが見ているものは居ない。

外にでると一人の兵士が立っていた。


鈴はフィールド内から麻酔銃を撃ち込んだ。

兵士はその場に倒れ伏せた。


「お、おい!どうした!」

『まだ居たのか。』

"無効化しよう。"

『そうしようね。』


鈴は麻酔銃をリロードすると駆け寄ってきた兵士に向かって引き金を引いた。


「うっ…。」


兵士は折り重なるように倒れ、眠りに落ちた。

スズはそれを乗り越えると廊下を歩き始める。


『ん?あそこだけ兵士が立ってるよ』

"そういう部屋は決まってお偉いさんの部屋だよね。"

『二人か…んー。まぁいいや、撃ち込もう。』


スズは二人に麻酔銃を撃ちこむとステルスを切り、部屋のドアを開いた。


「お前何者だ!」

「んー。冒険者?」

「そんなことは聞いてない!誰か!誰かおらんのか!」

「近くにはいませんよ。皆寝てます。」

"そろそろ時間。"

『了解。』

「って事で貴方の人さらいから聞いたよ。売れそうな女を攫ってるんだってね。」

「どこにそんな証拠がある。」

「証拠ですか。この屋敷には地下室があるそうですね。そこに売る予定の女性を入れているんでしょうね。そこを見れば証拠になりますか?」

「地下室?女性?なんのことですかな。」

「しらばっくれても駄目です。」

「…どうやら兵士が来たようだな。」


それと同時に兵士が部屋の中へ流れこんできた。


「大丈夫ですか!」

「もう逃さないぞ侵入者め!」

"退路塞がれたね。"

『説得をしてみよう!』

"え?"

「皆さんは騙されています!この村長は人攫いの主犯です!おかしいと思いませんか?こんな辺境の村でこんな豪邸とあなた達を雇うお金。すべて人攫いをして得たお金なんですよ!これ以上関わればあなた達だって追求を逃れませんよ!さぁ村長を捕まえましょう!」

「……で?」

「え?」

「俺たちはな雇われだ。金さえ貰えればそれでいい。」

「そうだな。そこの村長が何をしてようが俺たちは知らないふりをしていれば何も困ることはない。」

「それに金も一般よりもらえるし、何より……女には困らないからな!」

「下衆が…。」

"スズ?"

「まどろっこしい事は辞めだ。今の証言で村長の証拠は取れた。そして今まで眠らせてきた奴らもグルだと。」


スズはフォトン(光子)フィールド(領域)ジェネレーター(発生装置)BBQ-901(麻酔銃)を消すとM134(ミニガン)を出現させる。

ずっしりとした重さがスズの腕に掛かる。

『リン。兵士を薙ぎ払え。』

"わかったよ。"


人格が入れ替わるとM134(ミニガン)を射撃体制に入った。

銃身が回転を始め室内に機械音を鳴り響かせる。


兵士が動揺する中リンはスズに言われたとおり引き金を引いた。

リンの力ならM134(ミニガン)の反動や重さに耐え切れるため固定されているかのように正確な射撃が行える。


M134(ミニガン)は無痛ガンと言われるほどの銃火器であり、当たれば痛みも感じる暇もなく死ぬと言われる銃火器だ。


端から端へM134(ミニガン)の引き金を引き続け入り口に屯していた兵士も同時に蜂の巣にされた。

銃撃音がやんだ頃には金属製の鎧を着込んでいた兵士諸共床に血を流し息絶えている。


「ひっ!?お、お前は何なんだ!あの数を一瞬で…!」

「私はリン。冒険者。さてお縄に付いてくれるかな?」


スズは回転する銃身を村長に向ける。

それだけでも威圧になり村長はその場に腰を抜かす。


「ひ、ひぃ!ほ、ほら!金ならある!そ、そうだ!売上の半分をお前にやろう!だから―」


M134(ミニガン)が銃弾を撃ちだす。

銃弾は村長の横の壁を粉々にし壁に穴を開けた。


「や、やめろ!やめてください!」

「村長!」

「ん?」


この惨状を見ても中に入ってくる兵士がいた。


「侵入者め!」


リンは振り返りざまにM134(ミニガン)を振り上げたM134(ミニガン)と剣がぶつかり金属音を鳴らす。


「そ、そのまま抑えておけ!」


そう言うと村長は部屋から逃げていく。


「地下室、人攫い知ってる?」

「そんなものは知らん!」

"この人は気絶でよろしく。"

『了解。』


リンはM134(ミニガン)を鈍器のように扱うと兵士の鎧に向かってフルスイングを行った。

鉄を伸ばし作っただけの鎧は簡単に歪み、その兵士は壁に叩きつけられた。


リンはM134(ミニガン)を消すと部屋から急いで出た。

すると、廊下を走って逃げている村長が目に入った。

幸いこの廊下は直線で外に出るには角を二回曲がらなければならない。

リンは足に懇親の力を込めると床を蹴った。

床はその力に耐え切れず穴が開いたが、リンは銃弾のように村長との距離を一瞬で詰めるとそのまま追い越し、壁に着地すると同時に重力に引かれないうちに壁を蹴った。


「ぐえ!?」


リンは村長の腹に向かって飛び込んだため、二人は廊下を転がる。

リンには何も怪我はないが村長はリンが高速で体当たりして来たため腹を抑え苦しんでいる。

相当痛かったようだ。


リンは手錠を創造すると村長の腕を後ろに回し手錠を掛けた。


「さて地下室はどこ?」

「うっ…うぅ。」

「地下室はどこ?」


リンは軽く肋に蹴りを入れる。

村長はそれだけで音を上げる。


「も、もう許してくれ!」

「だから地下室どこ?案内して。」

「分かったから起こしてくれ…。」


リンは村長を起こすと前を歩かせる。

そして手元には更に縄を創造すると手錠にそれを巻きつけリード代わりにした。

これは逃走防止に役に立つ。


「さあ案内してね。」


村長に地下室への道を案内させていると所々で生き残った兵士がこちらに剣を向けてきたが、それをすべて蹴りだけで無効化していく。

最初こそ村長は安堵の表情を浮かべたがリンに瞬殺され再び絶望の表情を浮かべる。


やがてエントランスまでやってくると左右対称に置かれた客人用と思われるスペースにあった本棚を動かすと地下へと続く階段が現れた。

リンは村長に前を歩かせ地下に降りる。


するとそこには六人ほどの女性が監禁されていた。

女性たちは村長を見ると一瞬怯えるが、リンに手綱を握られていることがわかると安心した表情を浮かべた。


「た、たすけてください!」

「ちょっとまっててね。」


リンは村長を檻の柱に縛り付けると鍵の在処を聞き出す。


「鍵は?」

「そ、そこの机の中だ…。」


リンが机を探ると鍵がしまってあった。

鍵は一つですべての檻に使えるようだ。


リンは一人一人鍵を開け開放していく。


「ありがとうございます!」

「ありがとう…。」

「もうダメかと思いました。」

「ふえぇぇ…お母さんどこぉ。」

「助かった!礼を言うのじゃ!」

「ありがとう!」


リンが一息着くと五番目に助けた女性がどこからか剣を持ち出していた。


「この外道がああ!」

「ひいいいいいいい!」


女性が剣を振り下ろそうとしたが、リンに腕を掴まれた。


「!離せ!こいつは妾が断罪する!邪魔するでない!」

「だめ。こいつは兵士に受け渡す予定なの。」

「妾の気が収まらん!」

「なら私と勝負しよう。」

「お主とか?」

「こんな狭くてジメジメしてて暗いところに居たんだからストレスたまってるでしょ。」

「それはそうじゃが…。」

「それじゃやろう。見たところ武器は刀っぽいんだけど…。」

「刀を知っているのか?」

「知ってるよ。」

「なんと…この大陸にも知ってる人が居るとはのぅ。」

「とりあえず皆外に出よう。外夜だけどね。」


リンは村長と捕らえられていた六人をつれて屋敷の外に出た。


「さて中庭でも行くか。」

「そうじゃな。妾も久しぶりの勝負じゃ。」

「おっとその前にそこの寝てる兵士から武器でも拝借しようかな。素手じゃ戦えないからね。」

"嘘つけ。"

『嘘じゃないよ~さすがに剣を拳では防げないし…。』


八人は中庭に移動すると村長は地面に転がし縄で縛り付け動けないようにした。

見張りは五人の女性に任せることにした。

縛っているため非力な女性でも監視はできる。


「さて、やろうかのぅ。」

「いつでもいいよ。」

「いざ、参る!」


フォトンフィールドジェネレーター

リンが創りだしたオリジナルの道具

使用者の周りに光子のフィールドを作り出し通過する光を反対側へ受け流す効果がある。

フィールド内はその影響のため薄暗い。

円形に展開されるため、近くに障害物があると不自然に見えてしまう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ