後日
この話は短めです。
「ただいま。」
「おかえり~!どうだった?」
「ああ、採用だって。」
「へー、採用か。おめでと~って早くない?」
「なんか前から決めてたらしい。まぁ、幸運ではあるな、決まったものは嬉しい。」
「そっかー。正明がアルバイトか~。ここ最近人が変わったみたいに積極的になるから母さん嬉しいわ。」
「あぁ。とりあえず風呂入る。今舞は入っているか?」
「ううん。入ってないわよ。」
「それじゃ入るか。」
「お前のところの魔法使いは結構たいへんな人生を歩むことになったみたいだが、別にそんなこともなさそうだな。」
「それは彼の機転のおかげでしょう。私は知識と記憶を与えたにすぎないからね。」
「最初はどうなるかと思ったぞ。アレでは人生ハードモードで開始だからな。」
「ああやって組み込むほうが自然で世界に負荷を掛けなくていいからね。」
「…お前って案外鬼畜なんだな。」
「そんなことないですよ。いきなり森に放り出したあなたには言われたくありませんね。」
「それはしょうがないだろ!見られると厄介だったんだからな。」
「まぁ、それはそうでしょうね。私の世界では時空を操る魔法は人には存在してませんからね。」
「それはそうとこっちの世界で予想外な物ができてしまっていてな。それの存在に今まで気が付かなかったんだが。」
「なんですか?」
「人間はディメンションクリスタルと呼んでいるが、あれはあの時の副産物だ。」
「あの時…ですか。それで何をしようとしているのですか?」
「異世界探索。」
「そうですか…確実に引かれ合いますね。」
「そうだ。だが俺達にはあの時ほどの力はない。失敗してくれるのを望むだけだな。」
「そういうのをフラグと言うらしいですよ。」
「そんなものへし折ってしまえ。」
アスタークの知らないところで神同士が会話をしていた。
そしてその会話は穏やかなものではなかった。
ディメンションクリスタルのもたらす悲惨な結末を予見しての話だった。
そして月日は流れ…
「ありがとうございましたー。」
「おい新入りさん!もう上がってもいいぞー。」
「はい!先輩お疲れ様です。」
アスタークは学校が終わるとシフトの日にアルバイトへ出ていた。
今日は土曜日で学校は休みだ。
「今日は雲ひとつないな。良い空だ…そういえば飛ばされる前の日もこんな天気だったな。」
アスタークは一人つぶやき帰路に着くのであった。
「ただいま」
「おかえり~。アルバイト慣れてきた?」
「ああ、結構慣れたよ。」
「そう!それは良かった!」
「少しずつだが周りも変化していっている。友達もできたし順調だ。」
「ここまで正明が変わるなんて少し前まで予想もしなかったわ。でも変わってくれて嬉しい。後は舞なんだけどね…。」
「舞か…俺のせいでああなってしまったんだよな。」
「正明のせいじゃないよ。正明は悪くない。」
「母さんありがとな。」
「うん。舞が帰ってきたらガツーンって言ってみるわ!」
「お、おう(大丈夫なのだろうか…)。」
「よーし、母さん頑張っちゃうぞー。」
「お、俺は部屋に戻らせてもらうよ。」
「はーい。」
アスタークは部屋に戻るとベッドに横になった。
「ふぅ…。彼奴等には悪いが、こんな毎日も悪くないな…。どうせ戻れないんだ、今を生きよう。…たまには魔術の開発もしてみたりも良いな…。」
職業病といえるかの如く使えないとわかっていても開発をしてしまう。
だがそれが魔法知識を忘れないようにする一番の方法なのだ。
使わない知識、技術は失われてしまう。
アスタークにとっては向こうの世界も大切だからだ。
唯一残った向こうとの接点。
これを忘れたくないという気持ちが残っている。
そしてベッドに横になった状態のままいつの間にか寝てしまったのであった。
その後、部活から帰ってきた舞にガツーンと言いに行った母が逆鱗に触れて追い返されたのはまた別の話である。
前の話と区切りが短かったのでこれだけで投稿します。
たったこれだけの文章を2日待たせてしまうのは心苦しいので今投稿します。
これにて閑話章 とある魔術師の非日常は終わりになります。
次は本編終了後の番外編をお待ちください(予定




