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異世界と私と銃とファンタジー  作者: 白築 える
人間の限界を超えし者
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ドラゴン討伐




シュナイダーとミミが戦闘を歩く中、イルミス達は後ろについて歩いていた。

鈴はひとつのことに気が付き声をかけた。


「そういえば、戦う場所ってどこなんですか?」

「イーニャ街跡だ。街の中心で呼び寄せる。余程端に行かなければ瓦礫に動きが阻害されるおそれもないし、新たに被害を出す事もないからな。」

「そうなんですか。」

「ところで…鈴だったか、なぜ手ぶら何だ?」

「ああ!いい忘れていました。私の武器は大きな音がなりますが気にしないでください。」


鈴はベレッタを出現させると一発空に撃ち込んだ。

パーンっという音が辺り一帯に響き渡る。


「どこから出てきたかわからんが、音は了解した。」

「ビ、ビックリした!」

「シュナイダーさん割りと平気ですね。」

「いちいちそんなもので驚いていたら切りが無いからな。」

「じゃ、こんな感じで音が鳴り続けますのでご了承ください。」

「分かった。」


鈴達は護衛任務で通った道を歩きイーニャ街まで向かっている。

道中は相変わらず魔物や動物の気配すらない状態が続いていた。

しばらく歩いているとイーニャ街の外壁の残骸が見えてきた。

ドラゴンに破壊され外壁はあちこち崩壊を起こしている。


「相変わらずひどいねぇ…何をどうしたら街があんなになるんだ?」

「おそらく空から特大の炎弾でも放ったんだろう。まぁ、どうせ魔力を使い果たして寝てるだろうが。怒りに燃えているドラゴンはたまにそういうことをすることがあるんだ。」

「おっそろしいねぇ…。あーやだやだ。」




「ついたぞ。」

「よーし!準備するぞー!」


シュナイダーは大きめの羊皮紙を地面に広げると術式の中心にチャイルドドラゴンの鱗を置き、術式に魔力を流し始めた。

術式は光を放ち始めあたりに魔力が広がる感覚が感じられる。

それはソナーのように断続的に繰り返されている。


数回魔力を広げると遠くから何かの鳴き声が聞こえてきたのだ。


「気がついたようだな。来るぞ、武器を構えろ。」


シュナイダーは術式に魔力を送りつつ剣を片手に持つ。

鈴はAA-12ドラムマガジンを出現させるといつでも撃てるように構える。


ドラゴンはこちらに気がついたようで空から降りてくる。

ドシンと言う音とともに地面に着地すると騙されたことに怒りを示している。


「グガアアアァァァァァ!」


その轟は空気を揺らし、鈴の髪の毛をなびかせた。


「戦闘開始!」


シュナイダーが正面から走りだし、イルミス達がサイドから攻める。

ミミは人間とは思えないスピードでシュナイダーを追い抜かしドラゴンに斬りかかる。

2つのダガーを使い鱗の隙間に剣を滑りこませ鱗の下の肉を斬り裂く。

それを猛スピードで行っているのだ。

ドラゴンはそれを捉えようとするが捉えることができない。


「おら!よそ見してるんじゃねえぞ!」


シュナイダーがジャンプし頭に大剣を振り下ろした。

ちなみに四メートルほど飛び上がっている。


シュナイダーの振り下ろした大剣はドラゴンの鱗の表面のシールドに当たると、その重さと振り下ろされる運動エネルギーでシールドを貫通し鱗に傷をつけた。


「チッ。相変わらず硬いな!」


頭を叩かれたドラゴンはすぐに空中にいるシュナイダーに狙いを定めるが、翼に蒼白の炎が炸裂し、鈴のAA-12ショットガンの鉛球の雨がフルバーストで撃ち込まれる。

さらには下からイルミス達がドラゴンの鱗の隙間を縫うように攻撃を仕掛けている。


「ガアアアァァァァァ!!!」

「シールド貫通できてないよ!アイリスもう少し火力あげれる!?」

「ほとんど全力よ!いいわ出しきってあげる!」

「その調子だよ!…おっと弾切れか。リロードっと。」


鈴は十二ゲージ三十二発のドラムマガジンを捨てると新しいドラムマガジンを出現させコッキングレバーを引く。


「考えてた新しい魔法!これでも喰らいなさい!<蒼白の炎よ!至上の星辰、大いなる太陽よ、その身を蒼白とし、今ここに燃え盛り、燃え上がれ! コロナ・バースト!>」


ドラゴンの翼にピンポイントに発生した大きな蒼白色の炎の塊が膨大な熱量を持ってその翼を焼きつくす。

ドラゴンのシールドはその圧倒的な熱量により消滅し、炎に強いはずの飛膜を焼いていく。

しかし、この魔法は魔力の消費が大きいのか7秒ほどしか発生させることしかできなかった。

しかし、ドラゴンの翼はところどころに穴が空き、鱗は融解し、自由に動かしづらくしていた。

鈴はすぐさまフルバーストで翼に撃ちこんでいく。

翼があっという間に穴だらけになって行き、リロードの時間がもったいないと考えた鈴はAA-12を投げ捨てると新しいAA-12を出現させる。

リロードより早く撃つことができるためこのような小技を使うのだ。

VRFPSでもたまにやっていたことだ。


再度三十二発全てを撃ち切るとシールドが回復し、攻撃が通じなくなってしまった。

しかし、誰が見てもその翼の飛膜はボロボロになっており、これではもはや飛べないだろう。


「はぁ…はぁ…やってやったわ…。」

「おつかれアイリス。後は私がやるね。XM109ペイロードオーバーロード」


鈴は手元にアンチマテリアルライフル…対物ライフルを出現させると狙いを足に定め引き金を引いた。

規格違反の火薬量が通常以上の威力を叩き出す。

その反動は鈴の体にもダメージを与え、銃自体にもダメージを与えるのであった。


「いっつ…。」


25mm弾はシールドを貫通すると鱗を辛うじて貫くと、ドラゴンの体に喰らいついた。

それを見たイルミスはそこに剣を突き立て横一文字に剣をもてる力をすべて振り絞り振り抜いた。


「グギャアアアア!」

「いいぞ!効いている!」

「いいね!僕ももう少しスピード上げるよ!」


鈴は二発目をもう一度足に撃ち込もうと引き金を引いたのだが―。




バンっという音とともに排莢口が砕け散り、その破片が鈴の右腕を傷つける。


「うわ!?」

「鈴!?」

「いっつ…あはは、破片刺さってるね…やっぱり強装弾は危ないね。」


一応放たれた銃弾は足を狙っていたが、銃の破損により狙いを外れ胴体の甲殻を砕いた。

アイリスは残りの魔力で鈴の腕に刺さった破片を取り除き治癒魔法を掛ける。


「まったく何やってるのよ。」

「あはは…こうしないと貫通しないんじゃないかと思ってね。」

「次は安全な物にしなさい。」




「おらぁ!」


シュナイダーの大剣が鈴の開けた甲殻に突き刺さりそれを振りぬく。


「これでどうだ!…なんだと!?」


シュナイダーは咄嗟に魔力を流し全身にシールドを張り、大剣を盾にした。

そこにドラゴンの尻尾が振るわれシュナイダーを弾き飛ばす。


「シュナイダー!」

「大丈夫だ!攻撃を続けろ!」

「了解!」


だが体勢を崩しているシュナイダーに炎弾が発射されようとしていた。


「鈴!あれを使え!」


アームが鈴に怒号を飛ばした。


「了解です!」

「あれって何よ?」

「耳押さえていたほうがいいよ。」


鈴はレールガンを出現させると安全装置を解除する。

一つは引き金、もう一つは電気回路の安全装置だ。

LEDが赤色に点灯し、キーンと言う音が銃から聞こえてくる。


鈴はすぐにトライポッドを設置しレールガンを取り付ける。

それと同時にLEDがが青色に変化し、発射可能を示す色に変わったのだ。


狙いは先ほどシュナイダーが切り裂いた傷口。


「撃ちます!」


鈴はレールガンの引き金を引いた。

銃身に搭載されている二本のレールに強い磁場が発生し、それがタングステン合金弾をより早く加速させレール上を加速していく。

銃身から合金弾が発射された時プラズマと共に轟音が辺り一帯に響き渡る。


銃弾は傷口から内部に入り、その衝撃波からドラゴンの内部をグチャグチャにエグリ体の反対側から銃弾が突き抜ける。


それと同時に銃身が開放され液体窒素によりレールガンが冷却されていく。


「グギャアアアアァァァァァグアアアアアアアアアア!!」


炎弾は貫かれたことにより的はずれな方向に飛来し、イーニャ街の外壁を吹き飛ばしたのだった。


「よし。冷却完了。リロード開始。」


鈴は電気回路の安全装置を入れるとマガジンを交換する。

さすがに大きいため時間がかかるのが欠点だ。


その隙にシュナイダーは復帰し再び斬りかかっていく。

足を狙っていたイルミス達はイルミスが切り開いた傷口からダメージを広げていた。

そしてアラスが傷口に剣をつき入れたそれと同時に大量の血液がアラスに噴きかかる。

ドラゴンの脚部にある血管を切り裂いたようだ。

その痛みに耐え切れずドラゴンは足を動かしアラスをなぎ払う。


「グッ!」


剣を手放してしまい、投げ出されるアラス。

ドラゴンの足に刺さったままだ。


必死に翼を羽ばたかせるが、鈴とアイリスにボロ布にされた飛膜では空をとぶことができないようだ。

ドラゴンにも焦りが見えてきている。


そしてレールガンの第二射が放たれた。合金弾はドラゴンの頭を捉えるとシールドをその運動エネルギーで侵徹、貫通し鱗に突き刺さる。

若干エネルギーをシールドで奪われた合金弾だが鱗を砕き頭蓋骨まで達する。

しかし、更に鱗でエネルギーを奪われ、形状が変形してしまった合金弾は頭蓋骨にヒビを入れただけで止まってしまった。


「ああ!止めさせなかった!」


鈴は冷却が始まりながらそう言う。

しかし既にシュナイダーがドラゴンの頭まで飛び上がっていた。


「十分だ。」


レールガンによりシールドを一時的に失ったドラゴンの頭に大剣がたたきつけられた。それは砕かれ肉が露出している場所にあたり、ヒビが入っている頭蓋骨に致命的なダメージを与えるに至った。


「ぐぎぎゃ?ぐがああぎぎいいぃぃぃぃ…」


それが断末魔だった。

ドラゴンはそのまま倒れこみ起きることはなかった。


「いてて。俺の剣は何処だ?てか勝ったのか!」

「ほら、剣ならここにあるぞ。」

「おう。いやー倒しちゃうなんてすごいな。」

「これも貴重な経験だ。覚えておけよ。」

「了解でありますリーダー殿~。」


鈴はレールガンを消すと立ち上がり、魔力不足に陥っているアイリスに肩を貸していた。


「倒したのね。」

「うん。」


シュナイダーは剣を地面に突き立てドラゴンを見ていた。


「それにしてもこいつは何故街を焼いたんだ?」

「僕が推理してあげる!一つ考えられるのはチャイルドドラゴンが人間に襲われた。それに気がついたドラゴンが復讐に街を襲った。襲われたチャイルドドラゴンは人間に敵意を持ってたまたまいた商隊を襲った。こんな感じかな!」

「ドラゴンにちょっかいを出すとか正気かよ。」


その時地面に漆黒の穴が開いた。


「それを覗いちゃ駄目!見ないで!」


アイリスが咄嗟に叫ぶ。


シュナイダーとミミは何が起きたのかすぐさま理解すると穴から視線を逸らす。

近くに居たイルミス達もすぐに視線を逸らした。


「おやまぁ。誰もこの魔法の餌食になりませんでしたね。回収員でしたか、あの人達は餌食になってくれたのですが。」

「その声はあの時のネクロマンサーだな!」


一同が声の聞こえてきた方向に顔を向けた。

そこには青白いワイバーンに乗ったローブ姿のネクロマンサーが居た。


「私の名前はネクロマンサーではなく私の名前はシュバルツ・ゼイノスといいます。皆シュバルツと呼んでいるのでシュバルツとお呼びください。」

「そんなことはどうでもいい!何故お前がここにいる!」


シュナイダーが叫ぶ。


「おやおや、貴方は以前にもお会いしましたね。あの時は勧誘でしたが今回はどうやら敵同士になりそうですね。」

「お前のやることはわかってんだよ!」

「そうだよ!せっかく倒したのになんてことしてくれるの!」

「ふふふ。こうやって空に居るのもあなた方に邪魔されないようにするため。まぁ、例外は居らっしゃいますが。」


そう言うと鈴を見た。


「ん?私?」

「そうよ、鈴よ。」

「隣の彼女は魔力不足で魔法を使えなさそうなので脅威ではありません。今一番の脅威は鈴でしたか?貴方です。見ましたよ、オーガのシールドを破った事。それに貴方ならこの位置に居ても無駄でしょう。しかし、既に準備は終わっているのです。<リビングデッド>」


シュバルツがそう言うと倒したはずのドラゴンが起き上がっていく。


「糞!厄介なことになったな…。」

「僕帰りたいな!」



「これは厄介よ…屍になったから怯みもしないし、ただの駒になったから腕がもげようと足が吹き飛ばされようと襲ってくる。これだけ厄介な屍人形はないわよ。」


「では…第二ラウンドを始めましょうか。」


そう言うとドラゴンの傷が急速に回復していく。


「なっ!回復なんてセコいぜ!」


アラスが叫ぶ。


「ふふふ、元気ですね。頑張って抗ってください。」



こうして屍龍(デッドドラゴン)との第二ラウンドが始まったのだ。



リビングデッド

対象の魂を輪廻の輪に入る前のカオスから引きずり出し元の体に戻す。

その際に眷属化するように魂を縛り付ける。

これに魂は抵抗できず、安安と眷属化されてしまう。

その際に漆黒の穴が発生するが、それを覗きこんでしまうと以前書いたように亡者にされてしまう。


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