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異世界と私と銃とファンタジー  作者: 白築 える
人間の限界を超えし者
32/217

ドラゴン討伐準備




「俺たちは蒼白の炎を使う魔法使いがいると聞いてやって来たんだ。」

「そうそう!アスタークが居るかなーって!」

「アスタークっていうやつは…そうだな。世間で言われている蒼白の炎なんだが。」


その言葉を聞いた瞬間、鈴達は理解した。

”ああ、交換された人だ”っと。


「で、だ。この聞き込みした結果このパーティに蒼白の炎を使う魔法使いが居るとわかってきたのだが…。」

「アスターク居ないね~。」

「確かに俺のパーティにはアスタークという人物は居ないが蒼白の炎を扱う魔法使いなら居るぞ。」

「ほぅ。そこの杖を持っているお嬢さんか。」

「見せて!」

「え、ええ。<蒼白の炎よ。世界に満ち溢れる酸素よ、我の力の糧とし、ここに集い炎よ燃え上がれ。>」


杖を持っていない手のひらに蒼白の炎を出現させる。

それを食い入る様に見つめる男と女。


「確かに蒼白だな。」

「だね!あいつと一緒!」

「だが詠唱が違うな、こっちのほうが簡潔に短くなっている。」

「人それぞれだし、違うのはあるんじゃない?」

「ところで二人の名前はなんて言うんだ?」

「ああ、済まない。俺の名前はシュナイダー・アルベルト。」

「僕はミミ!ミミ・ルデンって言うの!よろしくね!」

「シュナイダーにミミだな。よろしくな。俺の名前はイルミス・カーボイド。」

「アーム・スミスだ。よろしく。」

「アラス・アミランだぜ!ミミちゃん俺とデートでも―痛い!鈴ちゃんそれ微妙に痛いんだって!」

「アーテガカッテニー。」

「すごい棒読みだな。」

「あ、私は倉木 鈴です。家名が倉木で名前が鈴です。」


そう言いながら電動エアガンM4を消すと頭を下げる。


「アイリス・ウエルスね、よろしく。」

「ああ、よろしく。それにしても鈴とやらは不思議な能力を持っているな。それにさっきのは何だ?」

「うちの隠し球だ。あまり追求しないでくれ。」

「そうか。これ以上追求はしないでおこう。ところでものは相談なんだが。」

「なんだ?」

「俺たちは別に確認の為だけに来たんじゃないんだ。ドラゴンを討伐するために来たんだ。」

「ん?…そうか。お前たちはあの有名なAランクの冒険者か。」

「そのとーり!私達はAランクの冒険者なのだ!」

「ミミ。少し静かにしてくれ…。」

「はーい!」

「どうだ?報酬は山分けで一緒に討伐しないか?規定上ギルドランクは上がらないが。」

「ドラゴンか…。」

「ドラゴンねぇ。」

「俺たちもアスタークが居ないから戦力が下がってるんだ。協力してくれるとありがたい。」

「私協力したいです。

「鈴…。貴方ドラゴンがどんな生物だかわかっていってるの?」

「わかってないけど…協力すべきだと思う!」

「鈴ちゃんがやるなら俺頑張っちゃうぞー。」

「アラスさん…。」


アイリスは鈴に耳打ちをした。


「鈴、もしかして自分と入れ替わったからこういう事態になったとか考えてない?」

「…。」


鈴は何も言えなかった。

アイリスに言われたとおりだったからだ。


「図星…ね。」


アイリスがイルミスに目で訴えかける。

それに気がついたのかイルミスがアイリスの方を向いた。

アイリスは鈴の方を一瞬見てイルミスに視線を戻した。

なんとなくだがアイリスの言いたいことは大体イルミスに伝わり、アームにも目配りをした。

アームも鈴の方を見て何かを察したかのように、やれやれといった表情になっていた。


「いいだろう。協力しよう。ただ、危険だと判断したら撤退させてもらうぞ。」

「ありがとう。それでいい、Aランクではない君たちを巻き込んでしまって申し訳ない。」

「いや、いいんだ。」

「本当に済まない。」

「やったね!これで勝率もあがったよ!」

「ああ。チャイルドドラゴンと戦ったばかりでわかっているだろうが、絶対にドラゴンの正面に立たないようにしてくれ。持ってかれるか、焼かれるからな。」

「忠告ありがとう。聞いたな?絶対にドラゴンの正面に立つな。動き回れ。」

「撹乱は僕に任せて!」

「俺はこいつで正面から行く。」


そう言うと床に置いてあった大剣を持ち上げる。

その大剣はくすんだ金色をしている。

そして軽々と片腕で身の丈ほどある大剣を持ち上げているのだ。


「おいおい、正面に立つなって行ったのはお前だろ?何ってるんだ?」


アラスが疑問に思いそう言う。


「アラスだっけか。この剣持ってみな。」

「おう。」

「完全には離さないぞ。」

「俺だって力があるんだ。このくらい持つだけなら―うおおおおおおおお!?」

「ほら、行ったとおりだろ。」

「ぐぬぬぬぬ…!りょ、両手で精一杯なんて…聞いて…ないぜ!」


それを見ていた四人は呆気にとられていた。

アラスだった日頃遊んでいるが、力は普通の成人男性よりあるのだ。

それがただ持っただけで剣の重さに煽られ、転倒しそうになっていたのだ。


「それ何で出来てるんですか…?」

「これか?ドラゴンの鱗とミスリル、鋼っていう金属でできてる。アスタークが合金にしてくれたんだ。」

「なつかしいね!これ作るのにアスターク一ヶ月近く鍛冶屋借りてこもってたもんね!」

「ん~?鱗とミスリルは知らないけど鋼ってそんなに重かったっけ?あれ?そういえば鋼って国家機密じゃなかったっけ?」

「そうみたいだな。なんでアスタークは知ってたんだろうな。」

「実はアスタークが発見してたとか!」


アスタークの得意な属性は炎だ。

そして剣を作れるほど金属を熟知している。


「まさかね…。」

「まぁ。剣が重いのは知らん。俺はただ、剣が重くなったから直接来てくれっとしか言われなかったからな。っと話がずれたな。この剣はな素材としてドラゴンの鱗を使っているから魔力を握っている俺の体の表面まで放出できる。。後はあいつの書いた術式でシールドをドラゴンと同じように体の表面に張ることができる。だから俺は正面から戦えるんだ。」

「なにそれすごい。」

「後なるべく鱗の生え際を狙え。そのまま攻撃しても通らなかっただろ?」

「そうだな。全く通らなかったな。」

「で、蒼白の炎を使える嬢ちゃん…アイリスだったな、あいつを飛ばさないため翼を燃やしてくれ。最初はシールドで燃えないだろうが、そのうち魔力がきれるはずだ。蒼白の炎は火力が段違いだからな。」

「私に任せなさい!本気を出す時が来たようね…ふふふ…。」

「やる気満々だね!」

「翼の翼膜って剣で斬れますか?」

「並な剣では斬れないが、斬れないことはない。」

「じゃ、私も最初は翼狙います。」

「何で狙うかは知らないが、頼んだ。ドラゴンは敵が厄介だと思うと地上に降りてこなくなるから飛ばれると厄介なんだ。」

「僕達は空飛べ無いからね!」

「分かった。で、討伐はいつ行くんだ?」

「明日の朝出発だ。場所…来てもらう。」

「は?」

「言ってなかったか。ドラゴンはどうやって子供を見つけると思う?」


それに鈴が答えた。


「匂いですか?」

「いや違う。ギルドでも使われているネットワークと同じ魔力パターンで見つけるんだ。ドラゴンの親子は魔力パターンが同じだからそれを利用するんだ。」

「でもチャイルドドラゴン討伐しちゃいましたよ?」

「大丈夫。魔力パターンは偽装できるんだ。ギルドはドラゴンを安全かつ周りに被害が出ないように戦うために、ギルドでも使われている術式のコピーをくれるんだ。八割理解できずに使っているようだが、使えるなら使うに限る。そのためにギルドからこれももらってきたんだ。」


シュナイダーは一枚の鱗を取り出した。


「それは鱗…?」

「そうだ。魔力が宿っていたものには死後も魔力パターンや魔力の痕跡が残る。それを術者の魔力で増幅し、あたかも子供がいると思わせドラゴンを呼び寄せるんだ。」

「詳しいですね。」

「まあな。これで五匹目っと言ったところだ。」

「すっげー!四匹も倒してるのかよ!」

「そうか、では明日の朝宿の前で会おうじゃないか。」

「ああ。よろしく頼んだ。」

「よーろしくねー!」


そう言うと二人は席を立ち部屋から出て行ったのだった。


「…すみません。私のわがままで。」

「いいってことよ!これも俺達にとっていい経験になると思うぜ?」

「少々危険だが、それなりの経験にはなるだろう。」

「そうだな少々?危険だけどな。」

「私にとってはどこまで通用するか楽しみだわ!」

「…私も頑張ります!」

「よし、明日はドラゴン討伐の協力任務だ。各自万全の状態で挑むように。決して無理はしないことだ。以上。」

「了解!」


四人は大きな声で返事をすると鈴とアイリスは自分の部屋へと戻っていった。


「なんかごめんね。私の事でつき合わせちゃって。」

「気にしないの。私だってドラゴン相手にどこまで出来るか楽しみなんだから。」

「そっか。わかった!全力でお互いがんばろう!」

「ええ!」

「そういえば水属性の魔法って使わないね?」

「あれは効率が悪いのよ。近くに媒体がないから魔力で一から作らないといけないからね。炎は酸素があるから燃えるし、土は土があるから使えるし、風は酸素の流用だし、癒は相手の自然治癒能力を強化して治すだけだからね。水はないところからだから作らないといけないのよねぇ。」

「へぇ~逆にいうと水があるところだと使いやすいのかな?」

「ええ。使いやすい。でも今回も出番はなさそうね」

「そうだね~。あくまでも翼を使えなくすることだからね。」


今回の鈴とアイリスの目標は翼を使い物にならなくさせるのが目的だ。

そのためには効果力の魔法で相手のシールドを突き破り飛膜を破壊する。


ドラゴンとは賢く、プライドがある生物だ。

相手と同じ土俵に立ち戦いに来る。

それがドラゴン攻略の鍵となるのだ。

ドラゴンが地に居る間に飛膜を潰し、飛べなくするのだ。

プライドが高いのはいいが、それにもって賢い。

自分が相手に勝てない、生命の危機を感じればプライドより命を大切にする、そうなれば空に飛び上がり空を飛べない人は一方的に蹂躙されるだろう。

そうなる前に潰す。

これが理想だ。

プライドが命取りとなるのだ。


「さてと後は準備をして…。」


鈴とアイリスはその後夕食を食べ早めに寝るのであった。


次の日の朝、鈴は少し早起きしていた。


「えーっと何にしようかな?」


鈴は対ドラゴン用の銃を選んでいた。


「7.62mmは飛膜なら貫通しそうだけど、鱗は貫通できそうにないな…。RPGもシールドを貫通しても鱗で防がれそう…それに爆風が味方に…とりあえずライフル?いやショットガンが良さそう。飛膜に無数の穴を開けれそうだな…MPSのAA-12のドラムマガジンで行くかな?後はレールガンとXM109のオーバーロード(強装弾)で行こうかな。」


レールガンは言うまでもなくタングステン合金弾を発射する兵器だが、AA-12ドラムマガジンとは12ゲージのシェルを使うコンバットショットガンだ。

ドラムマガジンで32発と言う弾数を誇る。

次にオーバーロード(強装弾)とは規格違反の火薬量を誇る銃弾のことだ。

しかし、これは銃本体を破損させるおそれや、反動により骨折などを起こす場合がある。

しかし運動エネルギーが増すため、破壊力が上がる。


「多分…オーバーロードでも大丈夫かな?」


鈴も少し心配のようだ。


「でもなんとかなる!いける!」


鈴が準備を進めているとアイリスが起きだした。


「あら?鈴早起きだね。」

「お?おはよう、アイリス。」

「おはよう。朝食食べに行きましょう。」

「うむ、食べに行こう!スタミナの付く料理が食べたいな。」


そう言うと二人は近くの食堂で朝食を食べる。

鈴は朝からステーキとライスを注文し、腹八分目まで食べきる。


「よく食べるわねぇ…太るよ。」

「…大丈夫!…太らない…から!」

「食べるか喋るかどっちかにしなさいよ…。」

「………。」

「食べる方にしたのね…。」


鈴はガツガツとステーキを食べ進めていく。


「おいっしー!値段は張るけど、頼んで良かったー!」

「食べ過ぎて動けないなんてないようにね。」

「わかってるよー。」


軽い、鈴は重い朝食を食べ終えると宿の前で待つことにした。

数分もするとイルミス達もやって来た。


「おはよ~鈴ちゃん~アイリスちゃん~今日も麗しい~!」

「お前は朝からブレないな。」

「おはようございます。」

「おはよう。」

「さて、あの二人が来るまで待とうじゃないか。各自準備は完了したか?」

「準備完了であります~!」

「俺も大丈夫だ。」

「私も武器の選定は完了してます。」

「私は魔法だから関係ないわ。全力で魔法を振るうだけよ。」


各自が準備報告をしていると、二人がやって来た。


「おはよう。今日はよろしくな。」

「おっはよー!今日はよろしくね~!」

「ミミさんは相変わらず元気ですね。」

「僕は元気がとりえなのだ!」

「さて、では行こうじゃないか。ギルドにはこちらから話を通しておいた。」

「すまないな、ありがとう。」


こうしてAランクパーティとイルミスパーティの合同ドラゴン討伐が始まったのであった。








「ふふふ。あのドラゴンの討伐ですか。これは利用するべきですね。ドラゴンを手元におければ、あいつを手中に収めやすくなりますからね…すみませんが、また利用させてもらいますよ…。」



鈴はアイリスに感化されてます。

BB弾でも頭は危ないので鎧を脱いでいる素肌に撃ちこんでいます。


シュナイダー・アルベルト

筋力が規格外の人間です。

もはや人間と言っていいか分からないほどです。

ミミ・ルデン

一人称が僕の娘です。

こちらは瞬発力、反射神経、スタミナが人間を越しています。

素早い動きで敵を撹乱、斬り刻みます。


これが人間の限界を超えている人です。

一千万人に一人の割合で生まれてきます。


大剣について

鱗を融解させ鋼とミスリルを合わせた物で、蒼白の炎でも相当時間がかかる物です。その過程で魔力により物質が変質し、重さが増えました。

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