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夢を見た。  作者: 雪月
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戦場の英雄の夢







夢を見た。


3人のヒーローがいた。


少年と少女、そして男。


名前はなかった。


彼らは正義の味方という意味でのヒーローではなく、戦場でのヒーローだった。


軍部の思惑とマスコミにより祭り上げられただけ。実際は精神制御を受け強制的に人を殺した生き残りの3人だ。


戦争に勝ち、3人のヒーローがいる施設は面会人に溢れていた。


見せかけの明るさに満ちていた。


それを破ったのは男の暴走。


施設を破壊し、瓦礫の上で男は少女を殺した。少女はやっと死ねると、涙した。


少年は男に「何故」と問いかけた。


男は「何故と問うか」と苦笑した。


そういえばお前に面会に来たのは年寄りだけだったなと。


年寄りというのは少年が世話になった老夫婦だ。


確かにマスコミの矢面に立ったのは男だ。ミーハーな面会に対応したのも、男。


周りを英雄だと称賛する人々に囲まれて、ああ、その憧れに染まった表情。子どもたちの尊敬に満ちた目。それらに晒されるのがどれだけ苦痛なものなのか。


知ってるのは、男だ。


追い詰められた男だけだった。


・・・・という、救いのない夢だった。


夢の中では、3人の葛藤も悲嘆も悔恨も死を望む気持ちも、全てが手に取るように分かったのに、目覚めてみればその感情は指の間からすり抜けてしまって分からない。









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