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大正浪漫の夢
夢を見た。
時代は、着物を着ている人も洋服を着ている人も普通に混在している、多分大正の頃。
小道具も概ねそんな感じで、舞台は洋館ホテル。
一番上の階にいる女の幽霊に次々殺される人、巻き込まれる男。
「ですがね。旦那は吸血鬼ですから負けるはずがありやせん。きちんと退治いたしやしたよ」
太鼓持ちの格好をした小物小物した男が、警官に言う。
「そんな嘘八百の判じ物でごまかせとでもいうのか」
警官は呆れた口調で返す。
「……全部本当なんだけどね」
と男は二人の会話を聞きつつ苦笑い。
幽霊の女にもいろいろ事情があって、その辺が随分と長い夢だったことは覚えている。
切なさも覚えている。
けれど、すべて朝日に溶けていってしまったそんな夢。