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少女の夢
ファンタジーだ。
とある村に少女が住んでいた。
少女は神だった。
少女自身はそれを知らず、自分を周りの村人と同じ人間だと思って暮らしていた。
村人は、少女が人間ではなく神であることを知っていた。
少女がいて、笑って暮らしている。
それだけで神の恵みがあることを知っていた。
だから敬い、愛した。
少女と村人たちは共に暮らしてはいたが、その間には見えない壁があった。
その認識の差により、少女は孤独になっていくだろう。
笑みも感情も消え、確かに神になっていくのかもしれない。
もしかしたら変わらずに、人間を愛し人間の中で暮らしていくのかもしれない。
・・・・しかし、夢は夢。その先のことは分からない。