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ヒューマンドラマ

大学受験うぉー

作者: 金銅才狸
掲載日:2026/04/30


 高校3年生になった。

 大学受験がドンドンせまってくるある日。

 先生との進路指導に呼ばれたので行くと


「君。北に飛ぶ? 南に飛ぶ?」

 と先生に聞かれた。

「なんの事です?」

 僕は訳がわからなかったので聞き返す。


「アナタの学力だと、受かりそうな公立大学って、東北地方か九州の更に南になるの」

「へぇ」

 初耳だった。

 あんまり大学受験に価値を感じてないから調べてもなかった。

 

「それでどっちに飛ぶ? 北か南か好きな方に飛ばしてあげる」

 担任教師から変な言い方された。


 僕は問題児。

 この教師に、かなり手を焼かせた。

 だから仕方ない。

 でも、飛ばしてあげるとは一体全体この教師どんな精神状態だ?

 ちょっと某ゲームの敵や味方を「ぶっ飛ばすカード」を思い出してしまった。


 しかし僕はあまり遠くには行けない。

「ん〜どっちにも飛びたくないです」

「でもアナタ、B判定以上出てる公立大学は他に無いよ」

「家庭の事情で近場の私立大学で良いです」

「駄目」

「何故?」

「私の査定に響くから公立大学にしなさい」

「……」

 僕は沈黙した。何と言う理不尽。

 僕の通う高校は、そんなに進学実績を重視していただろうか?


「そうだ! ならせめて近場の公立大学の夜間に行きなさい」

「夜間?」

 夜間大学?

 こりゃまた予想外の選択肢だった。


「そうよ。夜間大学は入るのは楽だし。卒業してしまえば夜間かどうか学歴に残らない」

「へぇ、そうなのですか」

「だから良い学歴と就職先が手に入るわ」

 先生がノリノリで話す。

 

 僕はそんな先生に

「それで、本音は?」

「夜間かどうかは判断できないから、アナタを良い大学に封印出来れば、私の実績になるの」

 ……この先生はもう駄目だ。

 そういえばゲーマーだったかな?

 僕は頭を抱えた。


 「……」

 僕が頭を抱えて無言でいると

「先生ね。絶対に次の移動で行きたい高校があるの。その為の実績が欲しいの」

 目を輝かせ本音を語る先生。


「僕の人生を先生の実績にしないで下さい」

「アナタの学力だと近場の私立大学じゃ先生の実績になる所に行けないでしょ?」

「それはそうかもだけど……」

「先生の幸せに協力して」

 先生が両手をあわせて僕を拝んでくる。


「そんな事を云われても」

 僕が困っていると先生は

「アナタどうせ学歴とか気にしない、人生舐めてる人間でしょ」

「……否定はしない。けど」


 僕の親が教育熱心で、僕を一流の高校に行かせたがった。

 僕は無理矢理勉強させられた。

 僕の努力が実り、一流高校にはギリギリ入れた。

 でも、その事で問題がいくつかおきた。


 まず、僕の親は宗教信者。

 僕の努力の結果、一流高校進学出来た。

 しかし僕の親は怪しい宗教法人のおかげだと、ますます怪しい宗教にのめり込んだ。


 さらに……

 僕は一流高校に入ったものの、

 そこに集う生徒達についていけなかった。

 周辺高校のなかでは1番の進学校。

 当然の様に県トップの天才がいるような同級生にかこまれてしまった。

 中学生時代は成績優秀だった僕が、一流高校に行った途端に、学校内学力最下層に落ちた。

 僕のプライドはズタズタだ。


 周りが優秀だと、いくら努力しても成績は上がらない。

 しかも幸か不幸か、親は僕が一流高校に入った事に満足して、教育熱心さが消えた。

 親は昔、自分が入りたくて入れなかった高校に僕が入った事で満足しきった様だ。

 僕は親の夢を叶える駒だった。

 僕が親の夢を叶えると

 「後は好きにしな。近場の大学には行け」と親は言う。

 僕の親はそんな親。


 僕は高校で落ちこぼれたが、だからといってイジメにあうような事もない。

 一流高校にもなると、イジメをする様な馬鹿もいない。

 性格が悪いクズはいても、内申点に傷がつくから馬鹿をしない。

 馬鹿はむやみやたらに他人に噛み付く。

 頭が良いと自分の損になるバカはやらない


 僕は一流高校で落ちこぼれた。

 そのまま気持ちが宙ぶらりん状態で大学受験を迎える。

 目指す大学があるわけで無く、進学しない訳でもない。

 その辺の気持ちが先生にバレていた。

 一流高校には一流生徒と一流教師が集まる

 滅多に馬鹿な先生はいない。

 

「お願い。私の為に公立大学に行って」

「いや、そんな事を言われても」

「先生を移動したい高校へ連れてって」

「私を甲子園に連れてってみたいに……」


 ……大学に行くのは僕なのに、

 何故かいつの間にか、僕の進路相談では無く、先生の進路相談になっていた。


 大学受験うぉー。

 真面目に取り組む人にとって、僕が考えていたよりも遙かに過酷な戦争のようだった。

 僕は家に帰った。

 そしてゲーム機のスイッチを入れた。

 



 翌日またしても先生から進路指導相談に呼び出された。

 そこで……

 先生から公立大学を受験してくれれば

 「先生の知り合いの可愛い娘とデートさせてあげる」と言われた。


 あからさまなエサだ。

 その言葉に僕は怒った。

「僕の人生を何だと思っている」と。

 猛然と抗議した。


「アンタそれでも教師か? 傷つきやすい思春期男子の男心が何もわかっていない」と先生をなじり、問い詰め、謝罪反省する先生と、最終的に何とか僕は和解した。


 先生との激論のすえ……

 結局僕は公立大学を受験する事に決めた。


 激しい交渉の結果。

 僕は先生から可愛くてオッパイの大きい女の子を紹介される事になった。

 僕はオッパイ星人だった。




 大学受験が終わった。

 高校を卒業した。

 そんな事よりも今日は、先生から可愛くてオッパイの大きい女の子を紹介してもらう約束の日だ。


 僕はワクワクしてデートの相手を待っていると、そこに……

 可愛くてオッパイの大きな元担任教師がやってきた。

 そのまま僕は元担任教師とデートするハメになった。 

 僕は生まれて初めて大人の女に騙された。

 大人ってズルい。

 僕は大人に騙されて少し大人になった。




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― 新着の感想 ―
落ちにひねりがって、このショートストーリーだとここが限界ですね 良いところ:するする読めた 改善点:ショートであってももう少し主人公に個性をつけたほうが良い かってな採点すまん
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