第8話 【個人手記】調査員ミレットの記録3
回収遺留品リストを久しぶりに見た。やはり、気持ちのいいものではない。気になるのは、回収された個数だ。10月14日から10月17日の間に「拠点村」を訪れたのは、17組。うち、6組分の遺留品が回収されている。しかし、残り11組は宿に未帰還。これは、ダンジョン最奥目指して進んでいるからか、もしくは、遺留品が見つかっていないのか。
先日、カイル氏の両親から「回収遺留品」の返却依頼があった。しかし、剣はすでに他人の手に渡っている。仕方がないので、盾のみ返却。気になったのは、音録石が見つからなかったこと。リストには不自然な箇所があった。「■■■→紛失」。おそらく、音録石だろう。遺品保管棚には見当たらなかった。あそこは厳重に管理されていて、ギルドのものしか開けられない。つまり、ギルドの中に「安らぎの村」へ情報を流している裏切者がいるに違いない。誰が、こんな酷いことをしたのだろうか。
それにしても、村の宣伝係は何を考えているのか。これだけ行方不明者が出ても、新米応援キャンペーンをやめる様子がない。明日、ギルド長に相談しよう。なんとか、宣伝係の暴走を止めなくては。
※追記:なんか、熱があるみたい。解熱剤を飲んでごまかすか。
【研究員のメモ】
学生が熱もないのに解熱剤を飲み始めた。まったく、最近の若者は感化されやすい。




