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第64話 【個人手記】調査員ミレットの記録18
1日とはいえ休みをもらえたから気分転換できて良かったわ! 明日には復帰できそう。長には感謝しなくちゃ。結局、何も買わなかったけど、楽しかったからよし! と、いきたいけれど。さっき、畑の近くを通った時に、ビューって風が吹いて案山子が揺れた。よく見ると、アイゼンの服に似てた。でも、あいつは農家じゃないし……。赤に黒の縞模様なんて服、よくあるし勘違いかな。明日に備えて、寝よう。
※追記:寝付けない。夢にアイゼンが出てきそうで。それも、ドクロ姿で。そんなわけないのに……。
【研究員のメモ】
窓際に吊るされていたのは、昨日まで一緒に調査していた「学生」のジャケットだった。中身はない。ただ、ストーブの熱で、ジャケットが生きているように膨らんでいる。
【研究員のメモ:追記】
私も寝付けない。夢の中で、私が「案山子」として長野の廃村に立っているのを見た。私の口からは、言葉ではなく、青い花が咲き乱れていた。
ミレットは笑いながら私の横を通り過ぎていく。私たちはもう、目覚めることのない「安らぎ」の中にいる。




