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第59話 【日誌】ギルド長の記録1
最近は極めて忙しい。ワットは、いつの間にかいなくなり、王都からは厄介者が来た。ミレットも怪しい動きをしている。そして、仮面の人物。衛兵を一撃で倒すことを加味すると、動きが読まれていたことになる。そうなると、裏切り者が潜んでいることを意味する。これ以上の厄介はごめんだ。唯一の救いは、新しい速記官であるアイルが従順なことくらいだ。奴をうまく使えば、村を掌握できる。そして、私の野望も成就する。しばらく、静観しよう。沈黙は武器である。
【研究員のメモ】
ギルベルトの日誌を読んだ。彼もまた「沈黙」を武器にしている。
気がつけば、私の部屋から「学生」の気配が消えている。
【追記】
机の上に、アイルが使っていたのと同じ「速記用のペン」が置かれていた。私は、いつの間にかアイルの役割を引き継がされているのではないか? ギルベルトが「静観」している間、私は彼の野望のために、この狂った記録を清書し続けるだけの機械にされている……。私のペンは、もう私の意志では動かない。




