表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旧安良木村「音録石」解析記録:ランクEダンジョンにおける冒険者失踪事件  作者: 雨宮 徹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/95

第39話 【地誌】「拠点村」について

「拠点村」は、王都からみて南東にあり、非常に珍しい村なり。昔は「アラキの村」と呼ばれておった。すなわち、アラキという人物が村長であったが所以である。この地へ行くには、テラッソの丘を越え、オードルの川を渡る必要あり。いずれもモンスターの出現率は低く、体力作りに役立つものなり。



「拠点村」は、山に囲まれた平地に存在し、ナゴノ平地なる名称あり。「ナゴ」の語源である「安らかな」から取られたものなり。「ナゴ」は、昔から住民が安全に暮らせる土地であったことに由来す。いつからか、「拠点村」と呼ばれるようになった。この村にはギルドあり。近くに新米冒険者向けの「安らぎの洞窟」があるため、冒険者がいない日はなし。従って、村も経済的に潤い、豊かなり。



隣村は「安らぎの村」と呼ばれ、冒険者はここを通らずして洞窟に行けず。「安らぎの村」、昔からの伝統を守る村であり、「清めの儀式」なるものあり。この儀式、「清めの塩」を食べ、村人が躍るという賑やかなものなり。冒険者、ここで疲れを癒す。



この2つの村があることで、冒険者は安心して「安らぎの洞窟」へ行くことができ、スライム討伐により経験値を得られるという好循環発生す。そして、彼らは洞窟を去り、次なる冒険へと向かう。その姿は、村人たちに勇気を与えるものなり。こうして、ナゴノ平地の2つの村は栄えており、他の土地の者がうらやむ場所となる。



【研究員のメモ】

驚いた。この「ナゴノ平地」という名称、そして「ナゴ」が「安らかな」を意味するという記述。私が今いる長野県の「長野」の由来には諸説あるが、地元に残る古い伝承の一つに「亡骸の野」が転じて「ナガノ」になったという不吉な説がある。

記録の中の「安らかな」という言葉が、もし「死による永遠の安らぎ」を指しているのだとしたら……。



【研究員のメモ:追記】

頭痛が耐えがたい。だが、プレハブの窓の外、霧の向こうに、この記録にある「テラッソの丘」に似た不自然な盛り土が見える。長野の山中には存在しないはずの地形だ。

学生の一人が、さっきから「オードルの川の音が聞こえる」と言って、何もない床に耳を押し当てている。床からは、あの甘い花の香りが、まるで呼吸するように漏れ出してきている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ