第14話 【個人手記】調査員ミレットの記録6
寝ようと思ったけど、寝付けそうにない。いったん、情報を整理してみる。
王歴125年10月14日
「安らぎの洞窟」の地下1階、座標(22.15)にて、音録石を回収。カイル氏、ルナ氏の遺品(剣や杖)を回収。到着前に「安らぎの村」の住人が集まっていた。
→掃除を自分でやるという発言、これは何かの隠蔽のため? それとも親切心?
王都125年10月17日
回収遺留品リストを確認。黒塗りの箇所があったけど、おそらく音録石……? 紛失というワードが気になる。
王都125年10月18日
ギルド長に嘆願する。偽の音録石をワットと一緒に作った。後日、村長に届ける計画。
疑問
新米冒険者向け冒険ガイド(王歴125年出版・第25版)と『安らぎの王国』の内容が一致しない。ロゼーヌさんが嘘を言っているとも思えない。何を信じればいいの?
明日、ワットさんに相談しよう。きっと、何か名案をくれるはず!
※追記:ギルドの紋章「隻眼の鷲」に誓って、真相を暴いてみせる。でも、隻眼にはなりたくないな……。
【研究員のメモ】
学生が自分の片目を執拗に気にし始めた。「先生、もう片方の目で見ないと、”本当のこと”が見えないんです」と。何を馬鹿げたことを。しかし、プレハブの研究室の外には眼帯が落ちていた記憶がある。偶然とは恐ろしいものだ。
【研究員のメモ:追記】
気になって眼帯を見に行ったところ、鷲の紋章が刻まれていた。これは、本当に偶然なのか……? いや、偶然に違いない。学者が超常現象を信じてはいけない。




