表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

マイホームは公園

鞄片手に鼎は俯きながら歩く。頭の中はこれからどうするか、唯それだけ。


友達の家へと転がり込もうかという考えも一度は脳内を走ったが、アパートを追い出されて困っているなんてこんな恥ずかしい事言えるわけが無い。

いくら家賃を溜め込んだからといっていきなり追い出す大家もどうかしてる。と、大家にはこの上ない怒りが生まれた。



が、事実鼎は家賃を8ヶ月分ほど溜め込んでおり、今まで追い出されなかったのが不思議だ。




「くっそ……、これからどうすんだよ…。」



まさかホームレス生活?絶対に嫌だ。

……でも、どうすることも出来なくて結局この日は公園の象さんの中で寝ることを決めた。




野良猫の鳴き声や、公園で寝てる自分の気持ち悪さから翌日起きたときには寝不足は免れなかった。

このままダンボールハウスでも作ってこの公園に住み込んじゃおうかな。

なんて、案を嫌悪感から本気で実行しそうだ。


晴れた日にもかかわらず、鼎のテンションは低い。どんよりと彼の周りだけが沈んだ雰囲気を放っている。

意味も無く、街中を歩き続けた。




誰かに出くわして、遊ぶついでに泊まってってもいいよという言葉を期待していたためだ。自分から言うのは恥ずかしい。だが、相手からなら…、などどいう、卑しい魂胆だ。



「おいおいおいおい、この日に限って誰ともあわねえ……。」




いつもなら誰かしら出くわしたりするのに、この日は誰も見かけない。


意味の無い出会いは多くても大切な時には会わない。この世の中の心理が鬱陶しくて堪らなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ