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プロローグ

 「あなたの死は私の責任です。ほんっとうに申し訳ございません!」

そう言いながら頭を下げる目の前の女性。未練はあるけれど死んでしまったことはそこまで気にしていない。

「えっと、気にしていませんから頭を上げてください」

「寛大な心に感謝します。遅れましたが私はフィリア。この世界群を管理している神の一柱です。本来であればあなたはしっかりと天命を果たすはずでしたが私の部下のミスに巻き込まれてお亡くなりになりました。お詫びとして私の可能な限りあなた様の願いを叶えさせていただきます」

前世?に未練はあるけれどもう一度戻りたいかと聞かれればNoと言うだろう。それよりも気になる言葉が出てきた。

「あのフィリア様、先ほど世界群とおっしゃられましたが世界群とはなんですか?」

「簡単に説明すると宇宙を境界とした世界の集合体です。科学文明が発展した世界、魔法が普及している世界、原始文明世界など世界の発展具合はバラバラです。あなたからしたら他の世界は異世界ですね。転生させることもできますよ」

異世界……フィクションでしか存在していないと思っていたもの。とても気になる。

「転生したいです」

僕はそう思った瞬間にフィリア様にそうつたえた。

「では私が管理している世界の一覧をお見せしますね」

フィリア様がそうおっしゃられると突然目の前に半透明のディスプレイが現れた。そこには様々な世界の詳細が書かれた一覧が映し出されていた。

「魔法……」

それは前世の世界には存在しなかったもの。せっかく別の世界に行けるのだから今まで出来なかった事をしたい。


「この世界にします」

しばらく悩んだのちに僕は転生する世界を決めた。

「では転生の準備をしますね。まずは名前、年齢、スキル、見た目を決めてください」

すると目の前のディスプレイがゲームのキャラクタークリエイト画面のようなものに切り替わった。


名前:スピカ・トワイライト

種族:人間

年齢:十六

身長:百五十七

スキル:創造魔法、状態異常無効化Lv.1、料理Lv.1


こんな感じかな?だいぶ時間がかかってしまった。フィリア様を待たせ過ぎているよね?

「あのフィリア様、お待たせして申し訳ありません」

「いいですよ。こちらも準備がありましたので。では転生する世界『クラウディア』」について説明しますね。『クラウディア』はあなたの居た世界の中世辺りの文明世界です。一番の違いは魔法が存在する事ですね。魔法は本人が保有している魔力によって行使できるものです。魔力の保有量はバラバラですがすべての生物が魔力を保有しています。日常にあるのが科学ではなく魔法といった感じですね。転生する場所はソフィリア王国、プロキオン帝国、サルビア共和国。この三国との国境が交わる地点である森林です。ここは『聖域』と呼ばれているようでたとえ王族であろうと立ち入る事が許されない禁足地のようです。この地は魔物がいないので安全です。様々な果実や植物が一年中実っていますし、あなたがいた世界でいう鹿や兎のような獣もいますから食料に困ることはないでしょう。三時間位歩くと村があるので村や街へ行き拠点を構える事もできます」

フィリア様が説明する世界は僕が憧れた異世界そのものだった。

「なにかあったら私を頼ってくださいね。それと生きていくのに必要なものとプレゼントがあるので向こうに到着したあと確認してみてください」

「ありがとうございます」

プレゼント?何だろう?

「説明も終わりましたし転生する前にお話しませんか?」

驚きの提案が来た。

「だって人間と話せる機会なんてほとんどなくて」

さっきまで女神さまとして威厳たっぷりだったのに今目の前にいるフィリア様は不敬だがおもちゃを欲する子供みたいに見える。

「いいですよ」

するとよそよそしていたフィリア様が眼をキラキラさせて

「いいんですか!すぐにお菓子とお茶用意しますね」

フィリア様が手をたたくと同時にティーセットが現れた。

「さあさあ、早く、早くお話を聞かせてください。あっ、焦らなくていいですよ。時間はたっぷりありますから」

せわしなく動くフィリア様は庇護欲がそそれてしまう。あっ、何考えているかバレた?


それからは僕の前世(?)であった出来事を話すと笑ったり涙を流したりと追体験しているんじゃないかってくらい共感していた。

「さて、そろそろ来世に行きましょうか。あまり長居しすぎると身体に影響が生じてしまいますから」

フィリア様はそう言いながら転生に向けて準備を進める。イレギュラーとは言えこの辺の作業は慣れているのか滞ることなく進められていく。

「それでは準備ができましたので覚悟が決まったら教えてください」

僕は深呼吸をする。この心境は新学期に似ているかな?期待と不安が入り乱れている。……よし行こう。

「お願いします」

「わかりました。では転生させますね。そうだ、プレゼントを用意したので目覚めたら見てみてくださいね。困った時は私のことを頼ってくださいね。そういうときのために私たちがいるのですから。ではあなたの来世に幸あれ」

祝福を聞きながら僕は意識を手放した。

初めましての方は初めまして

暇つぶしで小説とかを書いている人です

こちらは月に2回、第1土曜日と第3土曜日の21時に投稿しようと思っています

投稿日はTwitterでも告知いたします

『魔女』シリーズ1作品目の『転魔女ちゃん』をよろしくお願いします

次回投稿は9月20日です

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