塩
商品名:堅ぶつ
種別:米菓
メーカー:亀田製菓
米菓というものは単純なように見えて、なかなか難しいものである。
だいたいの料理人が米の味をそのまま食わせれば事足りるところを、やれ醤油だのだしだの胡麻だのと余計な味付けを重ねていき、肝心な米の味には頓着しない。おかきやせんべいは焼いた米を食わせる菓子なのだから、まずはうまい米が第一であり、たれについては二の次三の次なのである。
うまい米が食いたいときは、亀田製菓の堅ぶつに限る。甘すぎない塩味が米の味を引き立てている。これがもう少し甘く子供の好みそうな味なら、いっぺんにだいなしになるのである。塩加減については粗密の差があるから、買うにあたってはご了承いただきたい。たまに塩が強いものにあたると嬉しい気分になるが、毎度それではつまらない。当たり外れも楽しみの一つなのである。
唯一の難点といえば歯に挟まりやすいことであり、外で食べるには相応の覚悟が必要となる。
堅ぶつの塩味はまさに王道正道の塩味である。味の広がりは醤油を使ったほうが上だろうが、これについては混じり気のない澄んだ味が要諦なので、甘い酒、梅酒やほろ酔いを飲むのに具合がいい。酒が飛び切りうまく感じるようになるものだから、ついつい飲み過ぎてしまう。小袋の二袋目を開けてしまい、結局食べきれぬということもしばしばだ。
大袋もあるにはあるのだが、酒飲みの常としては小袋を選びたくなってしまう。残して湿気させるのもつまらないが、それよりもこれだけ飲んだら止めようという覚悟がつかないのである。
もっともこれを読んでいる諸兄諸姉の皆さまは私と違って意思が強いだろうから、好きな方を選ぶとよい。