酒と合うチョコ
商品名:アーモンドチョコレート 17粒
種別:準チョコレート
メーカー:不二家
ウイスキーは、チョコレートをつまみに飲める稀有な酒である。チョコレートと言えば甘い菓子ではあるが、本来はカカオ豆の苦みを味わうために砂糖を添付されている。そう考えると酒にあうというのは納得するところである。ウイスキーをコーヒーで割ると飲みやすくなるのだが、それも同じ理屈であろう。
ただやはり酒のつまみにするには、ある程度噛み応えがなければつまらない。そこで、不二家のアーモンドチョコレート17粒である。
チョコレートと一口に言っても、それぞれのメーカーで甘さや食感に微妙な差異が出る。ただ甘ければよかろうと漫然と食すのでは、料理人に対し敬意を持っているとは到底言えぬ。とはいえ男女や年齢での好みの差も考えると、皆が一様に美味いと言える味を見つけるのも至難である。
料理は足で食う、とよく言われるように、美味いものを見つけるためには数を食わねば話にならぬ。チョコレートのような各メーカーで大きさや形状が似た菓子になると、特にである。産地に行き一流品ばかりを手に入れる必要もないが、好みだからとそればかり食うようでは食通とは言えぬ。
チョコレート自体の美味さでは明治アーモンドチョコレートも甲乙つけがたいが、口の中の蕩け具合に差があり、明治のほうが若干硬く溶けづらいのである。菓子として食べる分には好みで済ませる差だが、酒を飲む場合はこれが無視できぬ。
また形状に目を向けると、各メーカー楕円型の形状は似ているのだが、不二家だけは蒲鉾板に張り付けたような形をしている。他メーカーと比較した場合、この微妙にせり出した部分のせいでチョコとナッツの比率に差が出てくる。先ほど述べた溶け具合も、これに因するのではないかとにらんでいる。
昨今は様々な製品が出ているので念のために言っておくと、ナッツは必ずアーモンドを選ぶべきで、ピーナッツやカシューナッツが添え物として成り立つのはせいぜいがコーヒーまである。それらで酒が飲めぬわけではないが、ウイスキーとチョコレートという灰汁の強い食材に挟まれてなお旨味を発揮するには、それなりの芯の強さが必要なのである。
最後になったが、酒を飲む場合、個包装というのは重要である。細かく分けて食えるというだけでなく、小袋を開ける行為そのものも酒のつまみとして楽しまねばならぬ。
板チョコについても語りたいが、紙面の都合で次の機会に回す。