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チーズの味

商品名:チーズおかき

種別:米菓

メーカー:ブルボン

 チーズおかきの味わいを初めて知ったのは、私が十ぐらいのときであった。

 私の父は酒飲みであり、つまみに四角く固めた魚肉をよく食べていたのだが(スーパーツナという名前だということを最近知った)、それを横からくすねるのが楽しみであった。

 他には落花生や枝豆などをつまみに飲んでいただろうか。なにせ今と違いコンビニなども無い時代のことで、つまみの種類はそう多くなかったが、その中にチーズおかきも含まれていた。

 我が家は買い置きの菓子などそうそうなかったので、夕食後につまむチーズおかきは大変美味しかったのをよく覚えている。


 ただ、一人暮らしを初めてからというもの、とんと食べる機会を失ってしまった。なにせ他の菓子と違い、チーズおかきは値が張るのである。

 久しぶりに出会ったチーズおかきは、プチシリーズであった。なかなかの味でありしばらくリピートもしたのだが、あるとき思い立って本物のチーズおかきを買ってみた。

 これがまた素晴らしい味だった。


 まず香りが違う。厚く塗られたチーズが、濃厚な香りをしっかりと主張してくるのである。そして次におかき部分だ。2枚重ねになっているので普通ならおかきの味が勝ちすぎるものだが、真ん中の穴がまた絶妙で、噛み砕いた次の瞬間には口内でチーズと絡むのである。

 これほどの美味さを備えているならば、なるほどアーモンドなどを乗せれば逆に雑味になり、くどくなってしまうだろう。


 最近はチーズおかきを店頭で見ることは少なくなった。

 先ほど紹介したプチシリーズもだが、別メーカーの類似品もなかなかの人気である。だが、本当に美味いのはブルボンのチーズおかきである。薄いおかきに申し訳程度のチーズを乗せただけの菓子とは、満足感が違うのだ。

 本物の味は守っていかねばならぬ。いかに好きだと声高に主張したところで、金を使わねば無くなってしまうのである。

 この点については私も自戒するばかりである。

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― 新着の感想 ―
そうっすよねー……良いものにはキチンと金を注ぎ込んで保護していかねば! ……という理論を言い訳に、ハマったお菓子(とかカップ麺とか)はガッツリいっぺんに3つも4つも買い溜めする(そしてそれを幾度も繰り…
>いかに好きだと声高に主張したところで、金を使わねば無くなってしまうのである。 これですよね~。 売れない商品ってすぐなくなっちゃいますもん。 お高い商品の方が美味しいもの多いけれど、高すぎると売れな…
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