ガーナのカカオ豆
商品名:ガーナミルク 50g
種別:チョコレート
メーカー:ロッテ
おいしいチョコレートとはどれでしょうか? などという声をよく聞く。
まずは「おいしい」とはどういうことかを考えてみよう。人間とは習慣の動物である。
毎日碁を打つ人がいる。小説を書こうとパソコンに向かう人もいる。脳を使うと甘みが必要となる。
働くということは大人なれば皆やっていることだろうが、肉体労働か頭脳労働か、残業はあるのかなど、人によって事情はさまざまである。ただどちらにせよ動いたあとはへとへとになることだろうから、癒しが必要になる。
これらは皆楽しいから続けていることだけでなく、習いと慣れによって続けているものも多いことだろう。
さて、人には好みというものがある。甘いチョコレートが好きなものもいれば、ほろ苦さが好きなものもいる。アーモンドが入っていないと食べた気にならぬというものもいる。だがこの場合のおいしいとは味付けの話であり、私がいうところのおいしいというのは、素材そのものの味のことである。
板チョコというのはチョコレートの一番原始的な姿であり、魚でいうと刺身にあたる存在である。素材の味が一番よくわかる状態である。
この板チョコが美味く作れぬ料理人に菓子を作らせても、うまくいくわけがない。
その中でも一級の美味さをもつチョコレートが、ロッテのガーナミルク 50gである。甘みの強さ、甘みの優しさ、くちどけ、すべてにおいて申し分のない味である。
私がガーナを選んだ理由は、なんといっても名前の響きである。各社パッケージに自社の名前だのミルクだのとでかでかと書いてあるところを、「Ghana」である。
子供の私にとって、アフリカにあることくらいしか知らない謎の国。そんな遠い国のカカオ豆はどんなに美味いのだろうかと、心躍らされたものだ。
凹凸に印字された紙のパッケージを触るだけでわくわくした。
最初は背伸びをしてブラックを選んでいたものだが、碁で戦った後の脳を癒せるのは、やはりガーナミルクチョコレートの甘さ以外にない。
後に小説を書くことになるときも、言葉では言い表せないほどに力をもらっている。
他社の板チョコを試してみたことも何度もあるが、どれもいまいち腑抜けた甘さである。
板チョコを箱で買うにあたって、保管の方法は重要である。
美味いチョコレートは甘さはもちろん、口に入れた後の溶けかたも肝要だ。冷蔵庫に入れては冷えすぎてしまい、甘みも落ちる。
夏はともかくとして、そうそう自然に溶けるようなものでもないので、箱で買って台所の涼しいところにでも置いておけばよい。
板チョコをバレンタインデーで使用される淑女の皆さんもいるだろうからこの際はっきりいっておくが、溶かしてへんてこな型にはめて固め直すなどという愚行は今すぐおやめなさい。味の一等良い部分がすべて飛んでしまい、料理をしたのだという気分だけのものになってしまいます。
想う人には板チョコを板のまま渡すのが最良です。




