そら豆の揚げ物
商品名:イカリ豆
種別:豆菓子
メーカー:ミツヤ
酒の東西はあれど、常に合うのは豆である。
ピーナッツ、枝豆、カシューナッツ、ピスタチオなど、こちらも洋の東西を問わず様々なものが存在している。
豆をうまく食うには豆だけではだめで、いかに調理法を工夫しようとも良塩がなくては画竜点睛を欠くことになる。
豆を食うとは美味い塩を食うことでもあり、塩を味わうにはイカリ豆が一番にふさわしい。
そんなら美味いイカリ豆を食おうと思ったらどれを選べば良いか。ずばり、ミツヤのイカリ豆である。
イカリ豆とは揚げたそら豆に塩を振っただけの料理ではあるが、これがまた難しい。鍋の横について音が変わった瞬間に鍋から豆を引き上げる。このタイミングが少しでも遅れたら、固くて食えたものではなくなる。一流と呼ばれる料理人たちでも、これがなかなかできていない。
どれも一応は「皮まで食べられる」とうたってはいるが、実際に食べてみると皮が固くなりすぎており、不味い。単に食えぬことはないというだけである。
本当の意味で「皮まで食べられる」と言って良いのは、ミツヤのものだけである。
豆はカラッと揚がって、しっかりとした固さがある。そのうえで、噛むと自然に崩れる儚さも持っている。逆に皮は若干の柔らかさを残してある。ここが不味いと、皮が歯に挟まり、大変不快な思いをすることになる。
次に豆にふりかける塩だが、イカリ豆に使われる塩は甘みが少ない。
米菓などに使われる塩ならばむしろ甘みが欲しくなるところだが、イカリ豆の場合は逆である。豆を揚げてあるので、豆自体の味が他の料理よりも希薄になる。とはいえ全く味がないわけでもなくて、豆自体のほのかな甘みが、塩をうまく食わせるのである。
そら豆というのは存外腹が膨れるもので、調子に乗って食っていると、あとから腹の中で膨れて動けぬはめになる。ビールなど炭酸の入った酒を飲むと、さらにひどい。
豆の甘さを楽しむためにも、しっかりと一粒ずつ噛み砕いて味わうのがよい。酒も豆も、ほどほどが一番なのだ。




