インチキ烏賊
商品名:イカフライ各種
種別:魚介加工品
メーカー:各社
イカフライといえばつまみの定番で、その中でも特に唐辛子のまぶした辛い物が美味い。各社様々なものがあるが、皆一様に辛い。
旨味どころか唐辛子の味しかせず、舌はすぐに馬鹿になる。いや、馬鹿ですめばまだよいが、しまいにはひりひりと痛みまで襲ってくる。これでは味も何もわかったものではなく、まったく酷いものである。
どのメーカーが美味いかと言われても、どれも辛いとしかいいようのないものだから、選ぶ基準は立ち寄った店に何があるかくらいのものだ。要するに、どれでもいいのである。
イカの良し悪しもさっぱりわからぬ。というより、どのイカフライも魚介加工品をうたっておきながら、どこがどうイカ味なのかがさっぱりわからない。まだ天かす味と言ったほうが近いであろう。中身などない、天ぷらやフライの衣をカリカリに上げて唐辛子をまぶしたら、まさに同じものができるのではないかとずっと疑っている。
考えれば考えるほどつまらぬ味のフライなのに、これがまた不思議とビールが止まらなくなるのである。
イカフライを食えばビールが止まらぬし、ビールを飲めばイカフライをつまむ手が止まらぬし、まったくはた迷惑な菓子である。
酒飲みしか食わぬと断言していい味なのにこれだけどこでも売っているということは、酒飲みが二倍三倍食っているという証左に他ならぬ。酒飲みは味がわからぬと言われても、反論ひとつできぬのである。
なお、唐辛子のまぶしていないプレーン味やマヨネーズ味などもあるにはあるが、あれらには食うに値しない。ビールが進まぬからである。