第67話
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なんやかんやあってアイ君が味方になって、ククーリさんの仲間の人達も地上に帰すことができた……目的は達成できたし、ボク達がここにいる理由はもうないけど、これからどうしようかな?
「ねぇテンタ?」
「はいっ!!何用でしょうかルルア様。」
「ボク、これからどうしよう?ギルドには戻れないし……行く場所が全然決まってないんだよね。」
「一先ず人間の国へと帰るのが現状最善策かと思われます。少なくともこの地下世界に留まっているよりは、状況はマシになるかと……。」
「でもどうやって帰ろう?来たときに通ったあそこは……。」
もしかするとククーリさんの仲間の人達が待ってるかもしれないし……あの出口は使えないと思う。
「それならば私にお任せくださいっ!!場所は指定できませんが、地上に出ることは魔法で可能です。」
「じゃあテンタ、お願いしてもいい?」
「かしこまりました!!」
テンタが何か魔法を詠唱すると、ボク達の足元に大きな魔法陣が現れる。その魔法陣がキラリと輝くと、次の瞬間……ボク達は緑がたくさんある場所に移動していた。
「ここは……森の中?」
「恐らくは地上の何処かの森の中へと、転移したものと考えられます。」
「場所は……って聞いてもここじゃ分からないよね。」
「も、申し訳ありません力及ばず……。」
「では、私めの力をお使いくださいルルア様。」
「アイ君?」
アイ君は大きかった体をキュッと縮めて、コンパクトなサイズになると、ボクの左目の上に覆い被さった。すると、驚くことに左目から見える景色が自分を見下ろしているかのような光景に切り替わってしまった。
「これがアイ君の力?」
「はい、私は千里眼というスキルを持っています。そのスキルのおかげで、辺り一帯を自由に見渡すことができるのです。」
「ほへ〜……結構便利かも。」
アイ君の千里眼のスキルを使って、辺りを見渡してみると、遠くの方に大きなお城を見つけた。
「あ、大きなお城がある。」
「大きな城……ルルア様、その城は真っ白でしょうか?それとも装飾が施されていますか?」
「えっと、真っ白だね。」
「真っ白な城……ルルア様、その場所は間違いありません。忌々しい聖騎士共の根城、ヴィクトリアスです。」
「……聖騎士の人の街。」
少し嫌な気分になっていると、アイ君がテンタに質問を投げかけていた。
「テンタ、聖騎士とは何者だ?」
「聖騎士は、このルルア様を殺そうとしていた愚か者だ。……あ、そうだ。この際ですから、聖騎士を壊滅させておきますか?今後二度とルルア様に干渉できないように………………。」
テンタから禍々しい不穏なオーラが溢れ出ている。聖騎士の人は嫌いだけど……あの人達も上の人に命令されてただけだと思う。だから、ボクのことはきっと仕方なかったんだ。
「テンタ、落ち着いて。ボクは大丈夫だから。」
「し、しかし、今消しておいたほうが今後の為に……。」
「大丈夫。今のボクにはテンタもいるし、アイ君もオセさんもいるから。」
「わかりましたルルア様。ですが、もし聖騎士の存在が鬱陶しくなった場合、いつでも私にお声がけくださいっ!!塵の一つも残さず……必ずこの世から消し去って見せますから。」
「あ、あはは、そんな時が来ないと良いなぁ。」
憤るテンタを宥めながら、ボク達は聖騎士の人達がたくさんいるヴィクトリアスは避けて、近くにある他の街に向かって歩き始めた。
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