第58話
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ダンさんから話を聞いた後、ボクの魔法で地下への入り口がある町ムーアにやってきた。
「おぉ、移動魔法はやはり便利だな。馬車に揺られて尻が痛くなることも無い。こんな魔法も扱いながら、近接戦闘もあの腕とは……末恐ろしいなルータ君。」
「あはは、ありがとうございます。」
そんな会話をしていると、ボクの隣の空間に切れ目が入って、そこからオセさんが姿を現した。
「お待たせ致しましたルータ様。」
ボクに向かって深くお辞儀をした後、オセさんは鋭い視線をリリララさんへと向けた。
「ルータ様に刃を向けるのであれば、私が貴様を殺す。」
「おぉ、また強そうなヤツが出てきたな。」
リリララさんはオセさんの眼光に怯まず、ニヤリと笑うと、少しでも動けば触れてしまうような距離まで歩み寄って、お互いに眼光をぶつけ合っている。
「ルータ君、彼女はキミの従者か?」
オセさんから視線を離さずに、リリララさんはボクに問いかけてきた。
「い、一応は……。」
「ふっ、いやはや……今日だけで、強き者に2人も出会ってしまった。いつか彼女とも刃を交えたいものだな。」
「お望みなら、今すぐに貴様の息の根を止めてやるぞ?」
今にも2人が戦いそうになっていたので、ボクはその間に割って入った。
「味方同士で争っちゃだめです。」
「申し訳ありませんでしたルータ様。」
「うん、ルータ君の言う通りだな。戦うなら……お互いが敵になって、気兼ねなく殺し合える状況が良い。」
「そういう物騒な意味で言ったんじゃないです!!」
思わずリリララさんに突っ込むと、リリララさんは苦笑いを浮かべていた。
「はぁ……とにかく行きましょっか。」
みんなのことを率いて町の中を歩いていると、テンタが話しかけてきた。
『ルルア様、少々よろしいですか?』
『うん、どうしたの?』
『地下へと続く入口は、どうやら正面の神殿のような建物の中にあるようなのですが……。』
そうテンタが話していた時に、ボクは以前オセさんが現れたときと同じ、あの嫌な雰囲気を感じとった。でも、今回は前よりもっと……。
『なんだろう、あの時よりすっごく嫌な感じ……。』
『ルルア様が感じているものは、純粋な魔素ではありません。魔素が取り込まれ、魔力となって溢れているものでございます。』
『つまりそれって……。』
『はい、強大な魔力を持った何者かがあの神殿の中……もしくは穴の付近で待ち伏せているものと思われます。』
『今からそこに行かなきゃいけないんだね……。』
『神殿ごと破壊してしまうという手段もございますが……。』
『それは駄目。』
そんな会話をしていると、リリララさんがボクの肩に手を置いた。
「ルータ君、キミは気づいているんだろう?あの神殿の中から異様な魔力が流れてきていることを。」
「はい。」
「キミはこれをどう見る?」
「実際に見てみるまではなんとも……。」
「ふっ、行かないという選択肢は出てこないのだな?」
「じゃあ帰りますか?」
「まさか、こんなに面白そうなものが待っているというのに、踵を返せるものか。」
そしてボク達は、その魔力が溢れ出してきている神殿の中へと足を踏み入れた。するとすぐに魔法陣の描かれた大きな扉が目の前に見える。
その扉を守っていた兵士の人達が、ボク達の姿を見るなりすぐに駆け寄ってきた。
「キミたち、ここは立ち入り禁……。」
「我々はこういう者だ。」
ボクとリリララさんは、フォクシー部隊の証である狐のお面を兵士の人たちに見せた。
「あっ!?ふぉ、フォクシーの方々でしたか……。」
「これ通行許可証です。」
「…………確かに確認しました。」
通行許可証を見せると、兵士の人は大きく頷いた。その人にリリララさんが一つ質問を投げかける
「ずいぶん魔力が荒ぶっているようだが、何かあったのか?」
「実は、つい先ほどから異常な魔力が穴からあふれ出してきていて……今しがた司祭様と聖騎士の方が2人、確認のために中に入っていったのですが……。」
「その様子を見るに、まだ戻ってきていないという感じだな。任務のついでだ、その2人の様子も見てこよう。良いなルータ君?」
「はい。」
「ん、では参ろうか。」
満足そうにリリララさんは頷いた後、その魔法陣の描かれた扉に手を触れた。
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