第55話
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それから七日間、特に何事もなくボク達はガーイーで釣りをしたり、図書館に行ってテンタとオセさんの見聞を深めたりだとか、のどかな日々を過ごしていた。
今日も釣りをしていたら、いつも持ち歩いている青色の宝石から突然ダンさんの声が聞こえてきた。
『あ、あ、ルータ君。聞こえているかな?』
「あ、聞こえてます。」
『うむ、急な連絡ですまない。だが、キミからの支援金がまた今日届いたことを知らせておかなければいけないと思ったんだ。改めて、度重なる支援に感謝する。』
「いえいえ、そんな大したことはしてないです。……それより、町の様子はどうですか?」
『おかげさまで、他の町から人員を雇うことができて、急ピッチで復旧作業が進んでいるところだ。』
「それならよかった。……ところで、アランさんとノーラさんは元気ですか?」
『元気すぎるぐらいだ。今代わろう。』
そして少しの間の後、今度は元気そうなノーラさんの声が宝石の向こうから聞こえてきた。
『やぁやぁルータ君っ!!そっちは大丈夫?お腹空かせてない?』
「あはは、お久しぶりですノーラさん。ボクの方は大丈夫です。なんとかちゃんと食べ物は食べてます。」
『そっかそっか、それは何よりだったよ。早いとこ私の宿も建て直して……またルータ君に泊まってもらいたいな。あ、もちろん宿泊費はタダでいいよ!?そ、その代わり良かったら夜の相手を……。』
話の途中で、ゴチン!!と鈍い音が宝石越しに聞こえてきて、また向こうで話す人が代わった。
『ったく、ルータ君に惚れてから、すっかりノーラも馬鹿っぽくなっちまった。まだ子供にそういう話は早いだろって。』
「あ、その声は……もしかしてアランさんですか?」
『ん、その通り。あたしだ。ちょっとまたノーラが暴走しそうだったから、強引に代わってもらったんだ。』
この宝石の向こう側で何が起こったのかは、簡単に想像ができちゃうなぁ……。多分気絶したノーラさんをダンさんが必死に介抱してるんだと思う。というのもアランさんの声に混じって、う~んというノーラさんの唸り声のようなものと、ダンさんの踏ん張るような声が聞こえてきているから。
『ルータ君の活躍はこっちまでしっかりと聞こえてきているぞ。ガーイーでかなり活躍したみたいじゃないか。』
「そ、そんなには……。」
『いや、キミからの寄付金がこんなに集まっているのが何よりの証拠と言えるさ。功績は嘘をつかないんだよ。』
アランさんにまで褒められて少し照れていると、またダンさんに声が代わった。
『ルータ君、実はキミに感謝の言葉だけを伝えたかったんだが……そうも言っていられない事態が起こった。』
なんとなく予想はしていた。この青色の宝石で連絡が来るってことは、きっとそういう事だと……。
「……何が起こったんですか?」
『地下に行っていたククーリとの連絡が途絶えた。』
「えっ?」
『ククーリとは定期連絡を必ず取り合う手筈になっていて、昨日がその日だったんだが……向こうから連絡がなかった。』
「何か連絡ができなかった訳があったんでしょうか?」
『わからない。だが、調査をしないわけにもいかないん……今がそういう状況だ。』
ダンさんの説明で次にボクがやるべき任務が何なのか、だいたい察しがついた。
「つまり、ボクがククーリさんがどうなっているのかを調べてくればいい……ってわけですね?」
『理解が速くて助かる。もしできれば、明日……俺のギルドに来れるだろうか?そこで詳しいことを説明したい。』
「分かりました。じゃあ明日向かいます。」
『すまない、感謝する。』
最後にダンさんからまた感謝の言葉をもらったあと、通話は切れた。
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