第48話
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釣り大会があった翌日、ボクが目を覚ますと、ベッドの横にあの魔族の女性がびしっと気をつけをしながら待機していた。
「おっ、おはようございますっ!!」
「あ、お、おはようございます……。」
突然の出来事に戸惑っていると、にゅるりと這い出してきたテンタが状況を説明してくれた。
「おはようございますルルア様。急な状況に驚かれていらっしゃるかと思いますので、私からご説明させていただきます。」
「う、うん。お願い。」
「実は昨晩遅くに、この女魔族の調教が完了しておりました。本日よりルルア様の従僕として使えると判断いたしましたので、あの空間から解放し、待機させておりました。」
「も、もう終わっちゃってたんだ……。」
呆気に取られていると、テンタが彼女に視線を向けて自己紹介をするように促した。
「ルルア様に自己紹介をしなさい。」
「ハイッ!!私、オセはルルア様並びにテンタ様に絶対の忠誠を誓いますっ!!」
ビシッと敬礼しながら自己紹介をした後、オセさんは深く跪く。そんな様子にテンタは満足そうに一つ頷いた。
「ルルア様、オセについてなのですが……私の予想に反してあまり記憶処理を施さずに済みました。」
「それって良いこと?」
「はい、無理な記憶の改変をしていないため、人格はほとんどそのままです。」
「そうなんだ。……でもそれだと、ボクたちのこと恨んじゃったりしないの?」
「それに関しては心配ご無用でございます。私たちに対する反抗心や恨みなどは、脳から消し去っておきましたし、私たちに対する恐怖心と忠誠心も脳に深く刻み込んでおきました。ですので謀反を起こされるような心配はございません。」
「なら安心かも……。」
ホッと一安心したところで、ボクはテンタにオセさんにこれから何をさせようとしているのか質問をしてみた。
「テンタ、オセさんには何をしてもらうの?」
「オセには、私が表に出られない状況下でのルルア様のサポートをしてもらいます。基本的には私の意思や感情を、オセに体現してもらう形になりますね。」
「うん、なんとなく理解できたかも。……でもさテンタ?」
「はい、いかがいたしましたでしょうか?」
「オセさんも魔族だからさ、角が生えてるんだけど……これ見る人が見たら魔族だってわかっちゃわない?」
「その点もご安心くださいルルア様。……オセ。」
「はいっ、テンタ様っ!!」
テンタがオセさんの名前を呼ぶと、オセさんはパンと両手を合わせた。すると、頭の角が生えているところに魔法陣が現れて、あっという間に角が見えなくなる。
「と、このようにオセの魔法を使うことにより、容姿での区別はまったくつかなくなります。」
「これなら安心だね。」
「はい。基本的にはこれで問題ないかと。」
オセさんとの顔合わせも終わって、ボクが出かけようと準備をしようとすると、すかさずオセさんが着替えを手伝ってくれたり、髪をとかすのを手伝ってくれた。
「ありがとうございます、オセさん。」
「い、いえいえ……か、感謝されるほどのことではありません。それと、私はルルア様の下僕でありますから、気軽にオセと呼んでくださいませ。」
「そ、それは追々ね。今はオセさんって呼ばせてほしいかも。」
「し、失礼いたしました。ルルア様の呼びやすい呼び方で構いません。」
自分よりも明らかに年上の人が、ボクに服従してるこの現状にまだ慣れないでいると、テンタがボクの前に顔を出す。
「ルルア様、本日はどちらへ向かいますか?」
「どこに行こうかまだ決めてないんだけど……1回またギルドに行ってみようかな。何かやれることがあるかもしれないし。」
「承知しました。オセ、くれぐれもルルア様から目を離さぬよう……そして私の言葉を聞き漏らさぬように。」
「ハイッ!!誠心誠意、ルルア様をサポートします。」
オセさんは、テンタに向かってビシッと敬礼した。
今はまだオセさんがいることに慣れないけど……いずれ慣れるのかなぁ。
そんな不安を抱きながら、ボクはオセさんとテンタと一緒にギルドに向かって歩き出したのだった。
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