第43話
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「ねぇテンタ、朝ごはんにお魚食べたいんだけど、ちょうどいい大きさのお魚いないかな?」
「かしこまりましたルルア様っ!!すぐに捕まえます!!」
するとすぐにテンタは50cmぐらいのお魚を絡め取って、ボクのところに持ってきてくれた。
「ルルア様が食べやすいように、鱗及び内臓と小骨まで抜いておきました。」
「わ、助かるよテンタありがと。」
気を利かせて、魚を食べやすいようにしてくれたテンタにお礼を言って撫でていると、釣り竿を伝って粘性のある粘液が手に滴り落ちてきた。
「こ、光栄の極みでございます〜ルルア様ぁ。私っ、必ずや巨大魚を捕まえてまいりますっ!!」
「ほ、ほどほどに頑張ってねテンタ。」
一層やる気を出して水の中に飛び込んでいったテンタ。ひとまずお魚のことはテンタに任せて、ボクはまた魔法で火を起こし、魚を焼き始めた。
魚の表面にこんがりと焼き色がついてきて、辺りにいい匂いが漂い始めた頃……ボク達が通ってきた茂みの方からガサガサと音が聞こえてきた。
『ルルア様、人間の気配です。』
『えっ!?こ、こんなところに!?』
テンタはすぐに透明になって、身を隠した。その直後、目の前の茂みから見知った人が顔を出した。
「ぷはぁっ、ここからいい匂いがぁ〜……。」
「あ、い、イアさん?」
髪の毛に木の葉や枝を絡ませながら顔を出したのは、ガーイーのギルド長のイアさんだった。
「ふへぇっ!?る、るる、ルータ君!?ど、どうしてこんなところにぃ?」
「そ、それはボクの台詞ですよイアさん……。イアさんこそ何でまたこんな人のいないところに来たんですか?」
「じ、実はぁ……私も釣り大会にエントリーしたんですけどぉ、なかなか釣れなくて、いい釣り場所を探していたら、ここからいい匂いがして引き寄せられてしまったんです。」
少し照れながら、イアさんはここに来てしまった経緯を話してくれた。
「も、もうルータ君は提出するお魚は釣れましたかぁ?」
「まだです。今は朝ごはんにちょうどいいお魚が釣れたので、それを焼いてただけなんです。」
「そ、そうでしたかぁ……。」
チラリとイアさんは、焚き木で焼かれているお魚に視線を向けると、ギョッと驚いた表情を浮かべる。
「ふぇっ!?こ、こんなに大きなお魚を食べちゃうんですか!?」
「ま、まだこれよりも大きな魚がいると思うので……はい。良かったら一緒に食べますか?」
「そ、それはちょっと申し訳ないようなぁ……。」
少し申し訳なさそうにしているイアさんのお腹から、ぐぅぅ……と空腹を知らせる音がなった。
「はぅ……お、お恥ずかしいです。実はついさっきまで業務に追われてて、ご、ご飯を食べる暇がなかったんですよぉ。」
「それなら全部食べちゃっても良いですよ?ボクのはまたすぐに釣りますから。」
「す、すみませんです。お言葉に甘えさせてもらいます。」
焼き上がったお魚をイアさんにあげると、ボクにペコっと頭を下げてから、パクッとかぶりついた。
「はふぁ……至福のひとときれふ。」
お魚は上手く焼けてて美味しかったらしく、イアさんは幸せそうな表情を浮かべていた。
『あ、あの女……る、ルルア様のお食事をっ。』
『ごめんねテンタ。せっかく捕まえてもらったけど、ボクがあげるって言ったんだ。』
『……ルルア様のご判断ならば、私は何も申しません。ですがっ、ルルア様が魚を食べていないのは問題です!!』
すると、テンタはまたさっきと同じぐらいの大きさの魚を釣り上げてくれた。
『ルルア様、こちらをお召し上がりください。』
『あはは、ありがとテンタ。』
テンタがまたとってくれたお魚を焼いて、イアさんと一緒にボクは食べた。
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