第40話
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2階からドタバタとあわただしく転がり落ちてきたのは、身長と同じぐらい髪を長く伸ばしている女の子だった。
「はわわ……ど、どど、どうしてフォクシーさんが私のギルドにぃ?」
「あ、その……ボクの知ってるハンターズギルドとここは何か違うのかなって気になって、ただ立ち寄っただけなんです。」
「そそ、そうでしたかぁ。お、お茶でも一杯飲んでいきます?」
「迷惑じゃなければ……。」
「で、ではこちらにどうぞぉ~。」
その女の子はまた階段を登ろうとすると、自分の長い髪に躓いて、顔面から派手に転んでしまう。
「へぶっ!?あいたたた……。」
「あの大丈夫ですか?」
「へひっ!?だ、大丈夫です~。こ、こちらです~。」
ずるずると髪を引きずりながら女の子は2階に上がっていき、とある一室の前に立つと背伸びしてドアノブを捻って開けた。
「んしょ……ち、散らかってますけど、す、座れるところに座ってください。」
部屋の中には奇妙な植物がいっぱい飾ってあったけど、ダンさんの部屋よりは片付いていた。ひとまずソファーに腰掛けると、女の子は覚束ない手つきでお茶を入れて運んできてくれた。
「お、お口に合うかはわかりませんけどぉ……良かったら。」
「ありがとうございます。」
差し出されたお茶を一口飲んでみると、爽やかな香りとほのかな苦みが口の中を満たした。ダンさんが淹れてくれたお茶と比べるのは申し訳ないけど、正直ダンさんのお茶よりは数倍美味しい。
「ど、どうでしょうかぁ?」
「すごく美味しいです。」
「ほっ……よかったぁ。フォクシーの方に失礼があったら私のく、首が危なかったですからぁ。」
女の子はホッと胸を撫で下ろすと、ハッとなって自己紹介を始めた。
「あっ、じ、自己紹介を忘れていました。わ、私はイアっていいます。ここ、こんな身なりですけどい、一応このギルドの取締役です……はい。」
「や、やっぱりそうなんですね。」
「こんな見た目ですからぁ、良く間違われるんですけど……ちゃんと成人してますしぃ、なんならダン君と同じ、ギルドの創立メンバーなんですよねぇ。」
目の前に座ってるイアさんは、ボクとそんなに年齢が変わらないように見えるけど、聞く話によれば、成人していて尚且つダンさんと同じぐらいの年齢みたい。
「そ、そのぉ……一応確認しておきたいんですけどぉ、あなたのお名前はついこの間フォクシー部隊に入った、る、ルータ君で合ってますかぁ?」
「あ、そうです。合ってます。」
「やっぱりそうですよねぇ、ダン君から少しだけお話は聞いてます。ルータ君という超天才の少年がフォクシー部隊に所属することになったって。」
そう言いながらイアさんは、自分のお茶を一口飲んだ。すると、イアさんの挙動不審だった目線の動きが落ち着きを取り戻し、ボクの目をじっと見つめながら質問をしてきた。
「一つ聞きたいのですがぁ、ルータ君は昨日崩壊災害が起こったあの町にいましたかぁ?」
「は、はい。」
「……ということは、崩壊災害が起きても奇跡的に死者が0人だったのは、ルータ君のおかげで間違いなさそうですねぇ。……本当に素晴らしいご活躍です。」
また一口お茶を飲むと、イアさんの綺麗な青色の目の輝きが増していく。それを見たテンタがすかさず頭の中で話しかけてきた。
『ルルア様、この女……何かの魔眼を有しているものと思われます。』
『魔眼?』
『特殊な能力を宿している目を魔眼と呼びます。この女の目の輝き……目に集まる魔力を見るに間違いございません。ここからの質問には慎重になったほうがよさそうです。』
そんな会話を交わしていたボクのことを、イアさんはジッとその光る青い目で見つめていた。
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