第39話
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テンタが開いてくれた入り口を通ると、その先には異様な光景が広がっていて、一面が触手で埋め尽くされた世界だった。
「うわぁ…………触手でいっぱい。」
「ここは私が創り出した空間ですので、このような情景になっております。」
「そ、そうなんだ。」
触手で埋め尽くされたこの空間の中心に、触手が集まって出来ている丸い球体がドン……と鎮座している。
その球体の表面に、あの女性の魔族の顔だけがひょっこりと見えている。
「も、もしかしてあの触手の中に入れてるの?」
「はいっ!!どうにも野心が強い魔族でしたので、徹底的に心をへし折ってやろうと思い、あのような触手の塊の中に放り込んでおきました。」
少し近付いて、どうなっているのか見てみると、エルフの人達みたいに尖った耳に、細い触手が何本も入っていて、目も太い触手で目隠しされてる。口にも太い触手が入っていて、それが動く度に喉がボコボコと形が変わっている。
「現在7割ほど、触手に対する恐怖心を植え付ける事に成功しています。」
そうテンタが説明すると、口の中に入っていた太い触手がズルズルと音を立てて引き抜かれていく。
「かはっ!!けほっ……うぅ、ひぐっ、もう触手イヤぁ……むぐぅっ!!」
一言喋らせた後、テンタはまた口の中に強引に触手を捩じ込んだ。
「こ、これ大丈夫なの?死んじゃったりしない?」
「常に口から胃まで侵入している触手から魔力と栄養を注入しておりますので、死ぬことはございません。……いえ、寧ろ死ぬことはできないという言い方が正しいですね。」
「あ、あの……ほどほどにね?」
ボクがどうこうできる問題じゃなかったから、ひとまずその空間から出て、ボクはまたベッドに座った。
「ちなみに……1つ質問なんだけどさ。」
「はいっ、何でしょうか?」
「さっきテンタは7割って言ってたでしょ?完全にそれが終わっちゃったら、その後はどうするの?」
「恐怖心を完全に植え付けた後は、ある程度の記憶処理と共に、ルルア様への忠誠心を植え付けていきます。そちらの作業は、恐らくそんなに時間のかかるものではないかと。」
「そ、そっか。教えてくれてありがと。」
そ、それにしても……なんかすっごいのを見ちゃったなぁ。でもホントにテンタはあの人を傷付けてる訳じゃなかったし、このまま任せても大丈夫……だよね。
「さて、ルルア様、これからのご予定はいかがいたしますか?」
「え、あ……う〜ん、じゃあちょっと町の中を観光してみよっか。」
「了解いたしました!!」
宿屋を出て、町の中をぶらぶらと歩いていると、ボクはある建物に目がいった。
「あ、ここにもハンターズギルドがあるんだ。」
『ルルア様、看板にガーイー支部と書いてあります。』
『……試しに中に入ってみる?』
『お任せ致します。もし中に入る際には、あの狐の面を着けていくことをお勧め致します。』
『わかった。』
ボクは他の町のギルドがどんな風になっているのか少し気になったので、試しに中に入ってみることにした。
狐のお面を被って、中に入ってみると……中にいた厳つい男の人達の視線が一気にこちらに向いて、狐のお面を指差したりしてざわざわとどよめいている。
『な、なんか凄く注目されてる。』
『皆、ルルア様の魅力に魅了されているのです。』
『それは違う気がするけど……。』
視線の雨を浴びながら中を見て回っていると、2階からバタバタと音を立てながら誰かが降りてきた。
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