第36話
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地割れが起きた翌日……ボクはダンさんにギルドに呼び出されていた。普段は人がたくさんいるギルドの1階も、今日はみんな町の片づけに派遣されてるみたいだからすごく閑散としている。
そんな1階を通って2階に上がり、ダンさんの部屋をコンコンとノックした。
「ルータです。」
「ん!?あぁ、入ってくれルータ君。」
部屋の中に入ると、たくさんの書類作業に追われているダンさんの姿があった。
「昨日の今日で呼び立ててすまなかったなルータ君。」
「ボクは大丈夫ですけど、ダンさんは大丈夫ですか?」
「俺の方は問題ない。ルータ君にばっちり治してもらったからな。アランとノーラも今頃町中の瓦礫を片付けてるはずだ。」
そしてダンさんは一度そこで書類作業を切り上げると、1枚の紙を手にしてボクの前のソファーに座った。
「本当なら町を守ってくれたルータ君にたっぷり報酬を支払いたいところなんだが、生憎町の修繕費でギルドの費用も大変でな。また今度改めて支払わせてくれ。」
「別に今お金に困ってないので……全然後からでも大丈夫ですよ。」
「すまない。……それで今日来てもらった件だが、あのとんでもなく強かった魔族がどうなったのかを聞きたいんだ。」
「あの魔族はボクが倒しました。」
「それは、俺たちが生きていたから察してはいたんだが……参考までにどうやって倒したのか教えてくれないか?」
ダンさんの質問に、ボクはあらかじめテンタと話し合って決めていた答えを返す。
「ダンさんたちが見たボクの分身で、あの魔族の魔力をボクが使えるようになる魔法をかけてたんです。」
「なんだその魔法は……聞いたことがない魔法だぞ。ま、まぁ、続けてくれ。」
「それで、その魔族の魔力を全部使って町の人全員にバリアを張ったんです。」
「……なるほど、それで魔力が無くなった魔族を倒したという事か。」
「そういう事です。」
説明するとダンさんはすごく難しい表情を浮かべて、一言ぽつりと呟いた。
「やっぱりキミをフォクシー部隊に引き入れて正解だったなルータ君。」
そう言った後、ダンさんはサラサラと紙に何かをまとめると、それを机の中にしまった。
「今回の件についてもルータ君の功績は隠しておく。公にすれば聖騎士に目をつけられる可能性もあるし、その方が都合が良いだろう?」
「そうですね。お願いします。」
「今日聞きたいことは以上だ……ご足労感謝する。」
「ありがとうございました。」
ダンさんにぺこりと一礼して、ボクはギルドを後にした。そしてまだ瓦礫がそこら中に散らばっている町の中を歩いていると、テンタが話しかけてきた。
『ルルア様、本日の夜はどちらでお過ごしになりますか?』
『あ、それ考えるのすっかり忘れてた。』
ボクが今日まで泊っていたノーラさんの宿は、昨日の魔族の魔法で消し飛ばされてしまって使えない。だから新しい宿を探さないと……。
「この町で宿を探すのは多分もう無理かなぁ。」
多分家に住めなくなった人とかが宿屋に押しかけてるだろうから、今から行ったって開いている部屋が多分無い。
「そうなると、隣町に宿を取ったほうが良いかなぁ。」
『隣町となりますと、先日赴いたドゥルという町か、ガーイーという町になりますね。』
『ガーイーって町はどんなところかわかる?』
『地図で記憶した限りでは湖が近くにありました。』
『湖……ってボク見たことないから行ってみたいな。』
『かしこまりました。それでは早速行ってみましょう。』
『うん。』
ボクは空に向かって手を挙げて、テレポートと唱えた。するとボクの視界に映る景色が一瞬で変わって、今度はボクの視界を全部大きな水たまりが埋め尽くしていた。
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