第24話
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鉱山の麓にやってくると、入り口を守っていたオーガ3匹と目が合った。それとほぼ同時に、オーガたちは雄たけびを上げながら襲い掛かってくる。
「五月蠅い、不快、不潔。」
そう3つ罵る単語をテンタが並べると、オーガたちの首が胴体を離れ地面に落ちた。
「ねぇテンタ、これってさっきから何をしてるの?」
「これを使っておりました。」
すると、ボクの目の前にすごく細くて長い触手が一本にゅるりと現れた。
「これもテンタなんでしょ?」
「私の体の一部分でございますね。これを超高速で動かして、オーガを切り裂いておりました。」
「ま、魔法じゃなかったんだ。てっきり魔法だと思ってた。」
「魔法はルルア様のご許可を頂いてから使おうと思っておりましたので。」
「使ったほうが、早く終わる?」
「圧倒的に効率は良いかと!!」
「じゃあ使おう。」
早く終わるのに越したことは無いし、なんかここ……すごく嫌な感じがする。あんまり居たくなくなる変な感じ。
「了解いたしました!!」
「ボクも手伝うね。えっと……トレースククーリ。」
殺気テンタが使っていた、ククーリさんっていう人の剣術をコピーできる魔法を声に出して唱えてみると、ボクの体に何かが宿ったのがわかった。
「その状態ですと、恐らくルルア様のお力ですべてが片付けられるので、私は後方支援に徹します。」
「わかった。じゃあ行こう。」
トン……と軽く一歩踏み出すと、体が引っ張られるみたいに一気に加速して、鉱山に大きく掘られた入口にすごい勢いで突入してしまった。少し進んだところで、鉱山の中を巡回してたオーガと出くわす。
「わっ!?」
オーガの体にぶつかるかと思った瞬間、勝手に体が動いてオーガを蹴り飛ばしていた。そして吹き飛んでいたオーガに走って追いつくと、短剣を胸に突き立てた。
「お見事ですルルア様。」
「な、なんか体が勝手に動くって変な感じだね。」
突き刺した短剣を引っこ抜いていると、奥の方から大量のオーガが集団でこちらに走ってきてるのが見えた。
「ようやく私たちがここに来たことが伝わったようですね。」
「お、多いなぁ……ってわぁっ!?」
大きなオーガがたくさんこっちに走ってくる光景に一瞬たじろいでいると、ボクの体はそのオーガの集団の方に向かって行ってしまう。
「差し出がましいですが、お手伝いさせていただきます。バインド。」
テンタが魔法を使うと、こっちに走ってきていたオーガ達がビタリと固まって動けなくなってしまっていた。そしてその動かないオーガを全てボクが短剣で仕留めていく。
「今ので48匹目ですルルア様。」
「ってことは残り2匹だけ?」
「残り2匹とオーガキングだけでございますね。生意気なことに、どうやら最奥で待ち構えているようです。」
「じゃあこのまま進めばいい?」
「はいっ!!」
鉱山の中を突き進んで、一番奥の少し広い空間に辿り着くと、そこにはたくさんの宝石が辺りに散らばっていた。それだけなら綺麗で済むんだけど、転がっていたのはそれだけじゃなくて、人間の頭もたくさん宝石と一緒に辺りに転がっていた。
「うっ……。」
それを見ると、お腹の底から酸っぱいものがこみ上げてくる。それを何とか抑え込んでいると、誰かがボクたちに話しかけてきた。
「俺様の食事の邪魔をするのは……テメェらか。」
そう声をかけてきたのは体の色が青いオーガで、ぐちゃぐちゃと不快な音を立てて人間の足にかぶりついていた。
「おまけに、ずいぶん仲間も殺してくれたみてぇだなぁクソガキ。」
怒りを滲ませながら、その青いオーガはボクに向かって食べかけの人間の足を投げつけてくる。
「貴様……たかがオーガの分際で無礼が過ぎる。これ以上ルルア様に不快なものを見せつけるな。」
怒りをあらわにしながら、テンタがにゅるりと青いオーガにも見えるように顔を出すと……。
「ハッ、人間のガキかと思ったら魔族かよ。どおりで強ぇわけだ。……だがよ。」
青いオーガは、横に控えていた2匹の普通のオーガの頭を鷲掴みにすると、その2匹をボクに向かって投げつけてきた。
「汚物を投げてくるな。メガフレア。」
テンタが魔法を唱えると、ボクに向かって投げられたオーガ2匹は炎に包まれて、一瞬で灰になってしまった。
その灰を突っ切って、青いオーガが拳を振りかぶりながら現れる。
「俺様のが強ぇに決まってラァッ!!」
自信満々な言葉と共に放たれた拳を、ボクの体は勝手に躱す。
「テンタ、今の炎の魔法の一番強いやつ……ちょうだい。」
「お任せくださいっ。ルルア様、私と共に詠唱をお願いします!!」
「うん。」
テンタの思っている言葉が、ボクに伝わってくる。それをそのまま口に出した。
「「我、取り出すは原初の炎。」」
「あ?」
「「我、此処に焦土を作りし者なり。」」
その詠唱まで終えると、ボク達の足元に真っ赤で巨大な魔法陣が現れ、その中心から小さな火の玉がゆっくりと浮き上がってくる。
「「ゼタフレア。」」
最後の詠唱を終えると、小さな火の玉が眩い光を放ちながら、急激に大きくなって大爆発を起こした。
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