第22話
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ボクがフォクシー部隊に所属することになって初の任務が決まると、テンタが頭の中で話しかけてきて、早速向かおうと言い出した。
『ルルア様、あとに残しておくのも面倒ですから、今サクッとその任務を終わらせに行きませんか?』
『え?今から?』
『はいっ!!』
『と、隣町って言ってたから、歩いて行ったら結構時間かかっちゃうと思うよ?』
『その点はお任せくださいっ!!この辺りの地図さえ一度目にできれば、私の魔法でどこでも好きな場所に飛ぶことが可能です!!』
『じゃあ、一回地図を見せてもらえばいいのかな?』
『そうですね。一度、そこのダンという男に要求してみましょう。』
頭の中での会話を経て、ボクはダンさんにこの辺り一帯の地図はないかと尋ねてみた。
「あの、ダンさん。この辺りの地図ってありますか?」
「地図?あ、あぁちょっと待っててくれ。」
お願いすると、ダンさんはすぐにくるくると丸められて本棚に詰め込まれていた地図をこっちに持って来てくれた。
「この辺りっていうか、まぁこの国の地図なんだが、これでも構わないか?」
「多分大丈夫です。」
『テンタ、これで大丈夫だよね?』
『問題ありません。記憶しておきます。あと3秒ほどお時間をください。………………記憶完了しました。』
そして本当に3秒ほどで、テンタはこの大きな地図全てを記憶してしまったみたい。
『では早速向かいましょうルルア様。手を天に掲げて、テレポートと唱えてください。』
「あの、じゃあ早速その任務終わらせてきます。」
「はっ!?い、今から!?」
「はい、早いほうが良いと思ったんですけど……。」
「わ、わかった。任務に行く前にこれを持って行ってくれ。フォクシーが任務の時に顔を見られないようにするためのものだ。」
ダンさんから渡されたのは狐のお面だった。顔に着けてみると、意外に視界が遮られなくて着け心地は悪くない。それをボクに渡した後、ダンさんは緑色の魔石を手に取ってそれに向かって話しかけた。
「ハンターズギルドのダンだ。今そっちにフォクシー部隊を一人向かわせる。人払いはマジで入念に頼む。抜かりがあったら命の補償はしない。」
『ルルア様、行きましょう。』
『わかった。』
ボクは手を上に掲げて、さっきテンタが言っていた言葉を口にする。
「テレポート!!」
そう唱えると、ボクの視界に映っていた景色は一瞬で切り替わり、気づけばさっきいた場所とは違う場所に立っていた。
「ここは……?」
『鉱山に直接移動しても良かったのですが、人払いが完了しているかを確認するために町の中へと移動してきました。』
「そっか、わかった。」
状況を理解すると、町のいたるところからけたたましいサイレンの音が聞こえてくる。
『この町にいるすべての皆様へお知らせします。オーガが鉱山から降りて町に向かってきています。すぐに建物の中に入って安全を確保してください。繰り返します……。』
サイレンと一緒にそんな放送が流れると、町の人達は我先に近くの建物や自分の家の中に逃げ込んでいった。数分すると、道を歩いている人はボク以外誰もいなくなってしまった。
「これなら町の中を堂々と歩いても大丈夫かな。」
『問題ないかと思われます。それとルルア様、お手元失礼します。』
テンタがそう言うと、いつの間にかボクの両手に不思議な形の短剣が握られていた。
『魔力で作り出した短剣でございます。斬れぬものはこの世にございません。宣言いたします!!』
「ありがとうテンタ。」
テンタに作ってもらった短剣を握りしめながら、ボクは向こうに聳え立つ大きな鉱山へと向かって歩き出した。
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