第19話
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ノーラさんは、今にも泣きだしそうな表情を浮かべながら、大きな体でボクのことを優しく抱きしめてきた。
「ありがとう……ありがとうルータ君。」
「あ、あの急に魔法を使っちゃってごめんなさい。」
「る、ルータ君っ!!キミが謝ることなんてこれっぽっちもないんだよっ!!聖教会のヴァルキリーでも治せなかった私の……私の病気を治してくれたんだからっ!!」
そしてぎゅ~っとボクの体を抱きしめると、ノーラさんは突然ボクの目をじっとのぞき込んできて、とんでもないことを言い出した。
「ルータ君、もう一つお願いがあるんだけど……キミの子供を産ませてくれないか!?」
「ノーラ、嬉しい気持ちはわかるけど子供にお願いすることじゃあないよそれ。」
今回は珍しくノーラさんがアランさんに落ち着くように言われている。しかし、タガが外れたノーラさんは止まらない。
「だってさ、だってさぁっ!?ずっと治んないって諦めてたものが治ったんだよ!?しかも一生子供ができない病だったんだよ!?それを、ルータ君が治してくれた……もうこれは運命でしょ!!」
めちゃくちゃに興奮しているノーラさんを見て、アランさんはダンさんにチラリと視線を送るとダンさんは一つ頷いた。
「すまんノーラ、一回落ち着いてくれ。」
アランさんは木刀でノーラさんのうなじをポンと叩くと、ノーラさんの意識があっさりと刈り取られてしまう。
「一先ずこれでいいか。」
「あぁ、あれじゃ話も進まねぇ。」
自分よりも背の大きなノーラさんを軽々とアランさんは担ぎ上げた。
「ダン、今日のことは……。」
「わかってる。俺らだけの極秘事項にする。」
2人で何かを納得しあうと、アランさんについてくるように言われた。
「ルータ君、キミに少し話がある。ついてきてくれないかな?」
「あ、わかりました。あのこの短剣は……。」
「俺が返しておく。ルータ君はアランについて行ってくれ。」
そう言われてボクはアランさんの後をついて行った。ノーラさんを抱えているアランさんはすごく目立ってて、ハンターズギルドの1階に戻るとみんなの注目を浴びていた。
「ルータ君、こっちだ。」
アランさんに案内されて、ボクはハンターズギルドの2階に上がっていく。その道中、ボクはテンタにさっき聞こえた不思議な声について聞くことにした。
『ねぇテンタ、さっき聞こえてきた声は……なに?』
『あれは天の声と言われるものですね。レベルアップした際などに聞こえてくる声ですね。先ほどは、私が回復魔法を完全に理解しましたので、回復魔法を極めたと声が聞こえてきた……というわけです。』
『そうなんだ。でもやっぱりテンタは凄いよ。少し説明を聞いただけで回復魔法を極めちゃったってことでしょ?』
『魔法の原理さえ分かってしまえば、案外魔法の習得は容易いものです。』
『そうなのかなぁ……。』
そんな会話をしているうちに、アランさんはハンターズギルドの2階にある一室の中に入っていく。それに続いて中に入ると、アランさんはノーラさんを大きなソファーに寝かせていた。
「ふぅ、これで良し。それにしてもキミには驚かされてばかりだなルータ君。ククーリ並みの剣術に、強力な魔法……しかも魔法を一度見て、軽く説明を聞いただけで使えるようになったその天才的なセンス。ククーリもそんなのキミのセンスを見抜いて剣を教えたのかな。」
そうアランさんが話していると、武器を片付けてくれたダンさんが部屋に入ってきた。すると、壁にあったスイッチをポチッと押した。
「アランもルータ君も好きなところに腰掛けてくれ、今茶を出そう。」
「いらないよ、ダンの茶は不味いから。」
アランさんはきっぱりと断ったが、ボクは断り切れずお願いしてしまった。そしてお茶が運ばれてきたところで、ボクについての話し合いが始まった。
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