第18話
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テンタが魔法を使うと、アランさん達3人はみんな揃って目を丸くしていた。
「「「ま、魔法!?」」」
「言ったはずです。ククーリさん以上のモノを見せる……と。」
そしてテンタがまた短剣を構えると、ボクの分身も全く同じ構えをとった。
「ここから先は、死んでも責任はとりませんよ。」
そう口にしたと同時に、本体のボクは正面から……影から作られた分身は、一瞬で姿を消して、アランさんの影から現れて襲いかかる。
「くっ!!」
アランさんは、背後からの攻撃を優先して受け止める。そしてそのまま力任せに剣を凪いで、分身を吹き飛ばし、正面を向いてきた。
「隙だらけ。」
そう言い放ちながら、テンタは手にしていた短剣をアランさんへと向かって投げる。
「っ!!武器を……。」
投擲された短剣を首をひねって躱すと、いつの間にかアランさんの背後に詰め寄っていたボクの分身がそれをキャッチした。
「な、しまっ!!」
「コレで終わり。」
アランさんの意識が背後に向いた瞬間、テンタは片手に握っていた短剣をアランさんの首に押しつけた。
それと同時に、ダンさんが声を上げる。
「や、止めっ!!」
その掛け声がかかったと同時に、影の分身は消えて、体の自由がボクに戻ってくる。
『長い間お体を失礼しましたルルア様。』
『す、すごかったよテンタ。お疲れ様。』
『こ、光栄の極みでございます……。』
脳内でテンタとの会話を終えたあと、ボクはアランさんに歩み寄って頭を下げた。
「あ、あのごめんなさい。だ、大丈夫ですか?」
「は、ははは……圧倒的に完敗だ。」
アランさんは乾いた笑いを浮かべると、ノーラさん達に向かって言った。
「なぁ、ダン、ノーラ。今度のあたしの目は間違ってなかったろ?」
「あぁ、マジでとんでもねぇ坊やを見つけてきやがったなアラン。」
そうアランさんとダンさんが笑っていると、アランさんの頭に、ノーラさんが木でできた杖をポンと置いた。
「ヒール。打撲してたから一応回復魔法かけといたよ。」
「んっ!!助かるノーラ。」
すると、それを見ていたテンタが脳内ではしゃぎ始める。
『る、ルルア様っ!!あの回復魔法をノーラという女に教えてもらいましょう!!』
『テンタは使えないの?』
『自動治癒というスキルはあるのですが、回復魔法は私は使えませんので……この機会を逃してはなりません!!』
『わ、わかった。』
テンタのお願いを聞き入れて、ボクはノーラさんにその回復魔法を教えてくれないか……と聞いてみるとことにした。
「あの、ノーラさん?」
「うん?どうしたのかな坊っちゃん?」
「その……さっきアランさんに使ってた回復魔法を教えてほしいんですけど……。」
「坊っちゃん、回復魔法はちょ〜っと難しいよ?魔力のコントロールが複雑だし……下手すると相手を治すんじゃなく壊してしまう。」
そう回復魔法の難しさと危険性を説明すると、ノーラさんは1つため息を吐き出して、今度は使い方の説明をしてくれた。
「まず怪我した部位の微細な魔力の流れを見る。それで、乱れてる魔力を自分の正常な魔力で上書きする。やることはこれだけだ。」
『なるほど、それだけでよかったのですね。』
ノーラさんの説明で何かを理解した様子のテンタ。
『ルルア様、そのノーラという女に早速使ってみましょう。この女の腹部には古傷があるようで、そこの魔力が微細ながら乱れています。』
『え、そんなことまで分かるのテンタ!?』
『とにかくやってみましょう。ルルア様は、この女に手をかざして、ヒールと唱えるだけで大丈夫です。後は、私にお任せください。』
『……わかった。』
ボクは言われた通り、ノーラさんに手をかざす。
「ん?坊っちゃん?」
「すみませんノーラさん……ヒール!!」
すると、ノーラさんの身体全身を緑色の光がキラキラと包みこんでいく。それがパッと弾けると、ノーラさんは口を開けて呆然としていた。
「あ、あの……ノーラさんのお腹に傷があったみたいだったので、それを治せないかなって、やってみたんですけど……。」
「はっ!?わ、私の腹の傷!?」
服をめくるわけでもなく、自分の体をじっ……と見つめていたノーラさんは、ふるふると手を震わせて杖を落とした、
「坊っちゃん……今治したのは怪我じゃない。わ、私の不妊の病だよ。」
そんな事実を告げられた直後、ボクの頭の中に、テンタじゃない別の声が響いた。
『回復魔法を極めました。』
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