第12話
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目が覚めると、窓のカーテンから眩しい朝日が差し込んでいた。
「ふぁ……あれ?ボクどのぐらい寝ちゃってたんだろ。」
まだ重い瞼をこすって、柔らかいベッドから起き上がると、すぐにテンタがボクの目の前に現れた。
「おはようございますルルア様!!」
「おはよぉ、テンタ。」
「ご気分はいかがですか?」
「うん、すごく元気だよ。でもお腹減っちゃったかな。」
さっきからボクのお腹から、ぐるぐると空腹を知らせる音が鳴っていた。
「そういえば何個か食べれそうな果物とかとってきてたよね?テンタ、あれどこにしまったの?」
「こちらにございます。」
テンタは何もないところから、赤い果物を出現させた。
「それも魔法?」
「はい、こちらは収納魔法でございますね。荷物を持ち歩かなくても、別の空間に荷物を保管しておくことのできる魔法でございます。」
「便利~、テンタはすごいなぁ。そんなにいろんな魔法を使えて……。」
酸っぱい赤い果物を食べながらそうつぶやくと……。
「昨日もお伝えしましたが、ルルア様も私が扱える魔法をすべて使うことができるのですよ?」
「でも、ボク魔法なんて使ったことないし……初めてじゃ難しいでしょ?」
「ふっふっふ〜、その点はこのテンタにお任せください。ルルア様の魔力の源である心臓は、私と同化しております。そのため魔力のコントロールを、ルルア様の代わりに私が行うことが可能なのです。」
「……つまりどういう事?」
「ルルア様は繊細な魔力のコントロールをしなくても、好きな魔法を使い放題という事でございます。」
「ほぇ〜……じゃあホントに今からすぐに魔法を使えちゃうんだ。」
「はいっ、早速何かお使いになってみますか?」
「じゃ、じゃあテンタがさっき使ってた収納魔法使ってみたい。」
「どうぞ、いつでもお使いください!!」
とは言われても……魔法の使い方がまったくわからない。
「ど、どうやればいいの?」
「魔法とは想像ですルルア様。昨日私と脳内で会話するように、心の中で強く……先ほど私がお見せした魔法を思い浮かべてみてください。」
「わかった。やってみるね。」
テンタのアドバイス通りにさっきの魔法を強く心の中でイメージしてみる。すると、ボクの心臓から何かがじゅわっ……と溢れ出したような感覚を感じた。すると、ボクの目の前の何もない空間に突然ハサミで切ったような切れ目が現れた。
「おめでとうございますルルア様!!魔法が発動いたしました。」
「こ、これでいいんだ。すごく簡単だね。」
「本来ならばかなり難しい魔力のコントロールを要するのですが、ルルア様はその工程を無視できるのです!!ルルア様が想像した魔法を、私が魔力をコントロールして発動させるので、実質どんな魔法でも撃ち放題というわけですね。」
「それならまた今度いろんな魔法使ってみよっかな。」
「是非に是非に!!」
まるで自分のことのように喜んでくれてる……って、テンタはもうボクと一心同体だったのを忘れてた。
「さてとそれじゃあ、そろそろ今日の予定を考えないと……ね。」
「そうですね。今日は何をいたしましょう。」
「お金を稼ぐ方法を見つけたいけど、この町じゃちょっと危ないよね?」
「町にいる人間を皆殺しにすれば、お金も安全も気にする必要がなくなるかと。」
「そ、それはダメだよ。人殺しはダメ絶対。」
「最も効率的だと思ったのですが……ルルア様がダメと仰るのであれば選択肢の中から削除しておきます。」
そうしてテンタと話し合いをして、今日の予定を組み立てていた時だった……。
「ノーラっ!!この宿に白い髪の少年が泊ってないか!?」
1階の方から聞き覚えのある大声が聞こえてきた。
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