第11話
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ボクたちが借りた部屋の鍵を開けて中に入ると、中はすごく簡素なベッドと、小さなクローゼットがあるだけだった。それでもボクが今まで過ごしてきたあの山小屋よりは遥かにマシだ。
「あぁ~……ベッドだぁ。」
ここに着いてから、全身に重く疲れが圧し掛かってきて、ボクはベッドに倒れ込んだ。
「お疲れさまでしたルルア様。」
「テンタもありがとうね。」
また腰から生えてきて、ボクの顔の横に現れたテンタの頭を撫でた。
「一度このままお休みになられますか?」
「うん、少し休みたいな。なんだか疲れが一気に来ちゃった。」
「ではルルア様がお休みになられている間に、私がルルア様のお体に異常がないか、メンテナンスをさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「メンテナンス?」
「はい、ルルア様のお体が病気になっていないか……等々を調べさせていただきたいのです。もちろん睡眠の邪魔になるようなことは致しません。」
多分心配してくれてるんだよね?別に断るほどのことでもなさそうだし……任せても大丈夫かな。
「わかった。じゃあお願いしようかな。」
「ありがとうございます!!それではごゆっくりお休みください……ルルア様。」
「うん、ありがと。」
眼を閉じると急速に眠気が襲ってきた。久しぶりのベッドの柔らかい感触を感じながら、ボクは眠りに落ちてしまった。
◇
ルルアが安らかな寝息を立て始めると、彼の体からにゅるにゅると大量の触手が姿を現した。
「ルルア様の意識が深い睡眠状態に入ったことを確認……メンテナンスの途中で起きてしまわないように、処置を開始。」
テンタの言葉に続いて、髪の毛ほどの極細の触手が何本も伸びるとルルアの耳の中へと入っていく。すると、一瞬ルルアの体がピクリと震えた。
「んぅ……。」
「深睡眠状態の固定化に成功。メンテナンスを始めます。」
ルルアの耳を触手でくちゅくちゅと弄ったまま、テンタはメンテナンスを始める。まず最初に現れたのは大きな吸盤のついた触手。それがルルアの服の下にもぐって、きゅぽっと音を立てて地肌に吸いついた。
「心拍数正常。融合した心臓の状態……良好。次に身体の検査に移行。」
ルルアのお腹や胸に張り付いている吸盤のついた触手と同じ形状の触手が、手足や首にも余すところなく張り付いていく。
「身体異常検知されず……しかし、足の筋肉が疲労状態であることを確認。対処します。」
すると、ルルアの両足をまるでソックスのように触手が覆っていく。そして、もっちゅもっちゅと音を立てて、咀嚼するような動きを始めた。
「疲労蓄積率の急低下を確認。予想完了時間5分。」
5分経過すると、ルルアの足から触手が離れていく。
「メンテナンス終了。ルルア様お疲れさまでした。」
テンタによるメンテナンスが終了すると、ルルアの体から触手が去っていく。メンテナンスが終わった後、テンタは安らかに眠るルルアの寝顔を間近で見つめながら時間を過ごしたのだった。
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