表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティの裏切り者  作者: エース皇命
第1巻 犬耳美少女の誘拐

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/29

断章6

 日は沈み、すっかり暗くなった。

 【聖剣(エクスカリバー)】の本拠地(アジト)の居間に、ふたつの影がある。


 他のメンバーはそれぞれの部屋で寝ている頃だ。


「やってくれたね、キミは」


 光を反射しないウィルの赤い瞳。

 その言葉は絶世の美女(ヴィーナス)に投げ掛けられる。


「あら、なんのことかしら?」


 可憐な声。

 

 居間に彩りをもたらす。


「キミはもう【聖剣(アスカロン)】まで取り込み、あのアレクサンドロス様までをも支配したのかい?」


「面白いことを言うのね」


 ウィルが直接的に裏切りを言及するのは初めてだ。

 それに対し、ヴィーナスはしらばっくれるような返事をする。


 しかし、本気でわからないフリをしているわけではなかった。


「オーウェンには、キミの【魅惑(スキル)】が効かなかったんじゃないかい?」


 ウィルの一言に、目を細めるヴィーナス。


「そうね」


 その声は冷たく、冷え切っている。


「貴方にもロルフにも、そしてオーウェン(あの子)にも、私の超能(スキル)は通用しないわ。他にそんな男なんていないのに、どうしてかしら?」


「それは僕にもさっぱりだよ」


 居間を照らすのはロウソクの小さな灯火だけだ。


 ウィルの整った顔が不気味に光る。


「キミの目的はなんだい? この都市の最高権力までをも自分の支配下に置いて、それで何がしたい?」


「私の目的は単純――」


 ヴィーナスの唇が艶めく。

 赤みがかった長い金髪は、自然のもととは思えないほどに完璧だ。


「――この神聖都市(アレクサンドリア)の『愛』を、私が全て支配することよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ