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第八十六話 勇者のかちつぃき

「それで、なんだか行くところいくところ勇者だの魔王だのごろごろ出てくるんだが、そんなにありふれたもんなのか?」


「そんなわけないですよ。魔王も勇者も世界に一人ずつのはずです。いえ、カーさんがそう言ってただけですが」


「勇者なんてその辺歩いてそうだけど」


「虎彦の感覚では王族もその辺歩いてそうだろ」


『わしはサツマの勇者って言われとったんじゃがのう』


「おじさん、おじいさんはなんで勇者って呼ばれてたの?」


「なんか水晶玉みたいので検査したのか?」


『ゆたから「あまからいふーなっちゅぬくらーゆーしゃやんどー」んでぃいやりとーたるとぅくるからわーたんめーぬあったにんじちょーたくとぅんでぃわーたんめーからちちょーん』


『ふぇーくからあんいゆるちてーぬあたんでぃやりとーいびーん』


「ゆたってだれ?」


『さーだかさるっちゅぬくとぅやいびーんたい』


「? 仕事か身分みたいなものかな? 能力?」


『ゆたぬゆしぐとーゆーあたいびーくとぅ』


「占いみたいなこと?」


「どういうことだ?」


「なんかいろいろ教えてくれる占い師みたいな人がむかし『あそこから変なやつが来たら勇者だぞ』って言ってたところからおじいさんが突然出てきたらしいよ」


「あー、間違いなく異世界転移ではありそうだな」


『たんめーやゆーしゃぐとーるふぃるましーむのーあらんでぃちゃーいゆたしが』


「おじいさんは自分は勇者じゃないって言ってたのか」


『それでこの島から出んかったのかの?』


『「ちねーやわんぬたから」んでぃ』


「それでおうちに引きこもってたのか」


「よくわからんが、本物の勇者だったとしたらそのせいで魔王が何百年も放置されたってことになるな」


「なにかおじいさんが書き残したものとかないんでしょうか?」


『うね、かちつぃきんでぃゆしぇー「いふーなっちゅぬいめーたるとぅちねーくりみしり」んでぃいやりたるかちつぃきぬあたんやー』


「変な人ってだれのこと?」


『いったーやむるふぃるましゃぬ』


『あい、やんけー』


「二人はオレたちのことを変な人たちだと思ってて、その変な人が来たら見せるものがあるってこと?」


『わんねーうむてーういびらんどー』


「はいはい」


「それっていつもの勇者の国の人間が来たら見せろイベントか?」


「ゲームじゃないんだから」


「おじいさんが勇者ならばなにかそういうものを残していてもおかしくはないと思いますが」


「それはどこにあるの? さっき身ぐるみはがしたから持ってるわけないし」


『あれーしまんかいあんどー』


「じゃあ行こうか」


『ちーべーさぬ』


「どこに行くんだ?」


「おじいさんの島だよ」


『ゆーしゃぬしまんかいいちゃびーみ?!』


「この虎彦はクマモトの勇者の息子、この桃太郎はサツマの勇者(仮)だし、問題あるまい」


『(仮)ちゃうわ』


「桃太郎ツッコミできたんだね」


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