第八十四話 鬼退治
「それでその討伐依頼ってのはこれで合ってんのか?」
『結局ついて来たんか。わし一人で大丈夫じゃと言うとろうに』
「まあまあ、いっしょのほうが楽しいよ」
『討伐依頼に楽しさなど求めておらんが……』
「こちらのかたでしょうか?」
「こんちはー」
「討伐依頼のテンションじゃないだろ」
『ん? ぬーやが?』
「討伐しに来ましたー」
『ぬーあびとーが?』
「普通の人っぽい」
『なにやらこの辺で暴れまわっとるっちゅうんはおんしで合うとるんかの?』
『あーありなー。たーがやがんわからんしがしーがねーっしいーふぃるぎとーんどー』
『なにを言うとるんかわからんのう』
「ダメじゃん」
「おじさん悪いことしてないの?」
『わんねーわっさるくとーびっちぇーんぐゎーそーんどー』
「んー、ぎるてぃ」
「悪いやつか?」
「たぶん」
『それでいいんかの?』
「いいから捕まえろよ」
『ぬーんでぃちわかたん? っちゅぬじゅしぇーわーがいっちんじょーじやんどー』
「やっぱり詐欺のおじさんだ」
『詐欺? 暴れて人を殴ったり物を壊したりするんとは違うんかの?』
『てぃーべーさるむのーありやあらに?』
「……本当か?」
「あれは道に転がってるだけっぽいけど」
「死んでるわけじゃないですよね」
「適当なこと言って逃げようとしてるんじゃないだろうな」
『やないーさんけー。わんにんちゃーぬじぇーうらんどー』
「桃太郎行け」
『なんで指図するんじゃ……もし、おぬし、大丈夫かの?』
『うがーーーーー!!!!』
「噛みつかれた」
『たっくるしゅんどー! むるくーしゅんどー! たーやが?!』
「びっくりしてる」
「噛みついてみたら知らない人だったんですね」
「おじさんどうして暴れてるの?」
「危険だからあんまり近づくなよ」
『やなむんぬふぇーしたてぃてぃさきうぃーっしばくちゃうっちむるくゎーりてぃ、とぅがくゎーちあやーたーりーにみーちらりてぃ、わんじょにんぬかりてぃ、しくちんふぃまんじゃさりてぃ、やーかざいむるうしなてぃやーまでぃーっし、なーちょーしーんねーくとぅ、あんやらーわんぬじゃるあぬひゃーたっくるちわんにんくびりらんでぃうむてぃ』
『ようしゃべるのう』
「なんて?」
「悪い人にだまされてギャンブルで全財産なくして勘当されて彼女に逃げられて仕事もなくなって家も食べ物もないからあいつを殺して自分も死ぬって」
「うわあ」
「結局そのだましたのはだれなんですか?」
「詐欺のおじさんだよね?」
『あぬひゃーくぬひゃーくびりくるさ』
「わかったから落ち着いて」
「あれ? あいつどこ行った?」
『逃がしたんか?』
「一応あとをつけてはいます」
『いったいだれがじゃ? あの猫か?』
「まあそんな感じだ」
「それはそうとしてこのおじさんどうするの?」
『うぬひゃーやわるむんやんどー……あんしちゃーすが……』
「なんかぶつぶつ言ってるな」
「このまま放置するのも危なっかしいですね」
『なんだか斬り捨てるのも気分悪いのう』
「斬り捨てる気だったのか」
「とりあえず宿に連れてってごはん食べさせようよ」
『汚いからどこかで洗ってやらんとのう』
「犬かよ」
「最初の家来としては正しいのでは?」
「そういう話だっけ?」




