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第七十四話 魔導学院の役割

『というわけでして、マジナッ様のご誓言どおりわたしたちはマジナッ様のご同郷のかたがたを保護し無事向こうの世界へお帰りになるまで支援する役目を負っています』


「怖いからひざまずいたままで言わないで」


「でも帰りかたはわかってないんだろ?」


『いろいろと研究は進んでおりますが、肝心の向こうの情報を持つ人がいなければつなげようがなくてそこで行き詰っていたんですよね。あなたたちの協力があれば研究も進むでしょうし何年かかってもわたしたちが必ずや見つけ出しますので』


「いや別にいらないし」


「俺たち普通に帰れるからな」


「もうちょっとお手柔らかに」


『は? 帰れる?』


「自由に行き来できるよ」


「仕組みはわからんが」


『あああああああああああ』


「何百年の研究が一瞬で水の泡となった瞬間の人の壊れ方ですね」


「あ、なんかごめん」


「でも研究の成果はなにかの役に立つかもしれないからな」


「なんか成果あったんだっけ?」


『おおおおおおおおおおお』


「もうちょっとお手柔らかに」


「それにしても帰れなかったってのはなあ」


「魔王を倒せば帰れたのにね」


「なんで魔王のとこに行かなかったんだ?」


「勇者があの渓谷を作ったからでは?」


「大体この辺でフラフラしてたんじゃ見つかるわけないよな」


「北西の島にいたんだからね」


『なんですとっ?! 魔王の居場所がわかるのですか?!』


「うわっっと、急に復活した」


「魔王の居場所はクマモトではむかしから有名だったって聞いたよ」


「魔王の噂がちゃんと伝わってないのもあの渓谷のせいだよな」


「勇者って本当にろくなことしないですよね」


「エドさん……」


「苦労したんだね」


『その魔王を倒すと帰れるという噂は本当なのですか?』


「たぶんな」


「父さんが帰ってきたんだから本当なんじゃない? 詳しいことは知らないけど」


『父さん? お父さまが?』


「ん? あれ? もしかして伝わってないのか?」


「オレの父さんが魔王を倒した勇者だよ」


『なんですとっ?!』


「五体投地」


「うわあ」


「ってことは結局、勇者が渓谷を作らなければ魔王の情報が伝わってきたし、勇者がまじめに魔王探しをしていればキゥミュィァマェントゥ王国に魔王を倒しに行けたし、勇者が魔王を倒せたらみんな帰れたってことですよね」


「なんでも勇者に押し付けるのもアレだけど、まあこの勇者にかんしてはそうだな」


「うわあ」


『どうやってっ、どうやって帰るのですか?!』


「うわっ、どうやってって」


「なんか魔法陣みたいなやつ」


「転移魔法陣ですね」


『転移魔法陣……そんなもので世界を渡れるのですか?』


「座標がわかっていればつながるはずです」


「まあそうだな。座標に世界の情報も入れればいい」


「なんかわからない話してる」


「ん? もしかして翻訳の問題か? 『座標』のことだぞ」


「座標って『座標』のことかあ。……わからん」


「日本語でもダメか」


『であればわたしたちの研究の成果にそれを反映すれば……』


「お? なんか出てくる?」


『この鏡に座標を入力すれば好きな場所が見られるはずですので、勇者の世界も見れるかもしれません』


「ためしに隣の部屋」


「さっきのゆる日記があったとこだ」


「隣の建物」


「お仕事中?」


「これ向こうからは見えないのか?」


『一方通行ですね』


「じゃあクマモトの城」


「いきなり城を覗くのはやめてください」


「だれもいない?」


「……ここは王太子の部屋ですね」


「いないのか見えないのかわからない」


「日本の俺の部屋」


「ん? なんか暗い?」


「なんか乱れてますね」


『うまくつながっていないようですね』


「んーと、たしかね、tvelachartoschemxkajaphghurrqhfjyrwenの現在同期時刻の日本の辰巳の部屋」


「なんて?」


「見えましたね」


『なんとっ?!』


「合ってたね。いつもの魔法陣に書いてあったやつ」


「天才か」


「トラさまは天才です」


『ありがたやありがたや』


「五体投地」


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