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第七十二話 魔導学院

「おお、ここは低めの塔がたくさんつながってるんだね」


「サグラダファミリアっぽいな」


「それよりドイツの山奥とかにありそうな城みたい」


「色がちょっとおかしいがな」


「青と赤と白のらせん状の縞模様で目がおかしくなりそうです」


「床屋さんカラーだよね」


「屋根だけは緑だけどな」


「あそこの警備員っぽい人に聞いてみよう」


「すいません、資料館ってどう行けばいいですか?」


『ん? 初めてかい? あっちの事務棟の受付で申し込みするといいよ』


「どうもー」


「ここかな? こんちはー」


『はーい。なにかしら?』


「資料館に行きたいんだけど」


『今日はもう一般公開の時間は終わっちゃったのよね』


「あ、この紹介状あったら入れますか?」


『あら、あらあらあら。あらあ。ちょっと待ってね。案内の人呼んであげるから』


「なんかここの人はフレンドリーだね」


「そりゃホテルの人とは違うだろ」


『お待たせいたしました。本日資料館の案内をさせていただきます、ボヤシボシビンタです』


『あらあらあら。いいのかしら』


「ん?」


『それではこちらへどうぞ』


「ずいぶん早かったけど」


「待ち構えていたかのようですね」


『魔道具師組合長の助手のかたから連絡をいただいてましたので』


「なるほど」


「それ、大丈夫かな?」


「逃げきれませんでしたか」


『わたしは勇者狂いではありませんので大丈夫ですよ』


「なに狂いなの?」


『もちろんマジナッ様ですよ。この魔導学院、ひいては魔導都市をお創りになられたこの国の真の救世主ですからね』


「新たな危機」


『この資料館の八割はマジナッ様の資料で埋め尽くされていますから今日からはそのすべてをじっくりご紹介いたします』


「何日かかる予定なんだよ」


『二年ほどご覚悟いただければ』


「ムリ」


「とりあえず謎の暗号とやらを見せていただけますか?」


『えーそんないきなりクライマックスじゃない』


「なんとなくわかってきた」


「よし、三十分だけやるから好きなだけ説明していいぞ。そのあとは謎の暗号に直行な」


『こちらはマジナッ様が勇者に絡まれる前の住居で寝ていたベッドです。賢者を保護したあとは賢者に譲り自身は納屋に藁を敷いて寝たようです。マジナッ様マジ優しい!』


「急に早口でしゃべり始めた」


「しかも学院と全然関係ない」


『これはマジナッ様が賢者とともに育てた孤児の名簿です。勇者も含めて八百人以上の孤児を生涯かけて育て上げました。そのほかに賢者とともに全国に建てた学校で教育を受けた生徒の数は数えきれないほどです。マジナッ様の育てた孤児の半分ほどは学院の初期メンバーか学校の教師になっています。』


「おお、人格者だ」


『そうなんですよ。これがマジナッ様が使ってた爪切りです。こっちはタオル』


「もうちょっと説明のレベル感をそろえてくれよ」


『あとこの魔導都市の塔をはじめ各地の建造物の設計もしていて、詳細な設計図も残されています』


「へー」


『特にトイレの設計にこだわりがあったようで、二百種以上のトイレが作られています』


「……」


『賢者は学校などの給食のための設備に熱を入れていたようで、その強い要望に応えてマジナッ様が設計した調理施設もあります』


「魔道具師組合の塔の食堂もその影響かな?」


『賢者が普及させた料理は数多いですね。魔導都市ならどこでも食べられると思いますよ。特にマジナッ様は賢者の作った料理しか食べなかったと言われているほどです』


「勇者は?」


『勇者はゆでたまごさえ与えておけばおとなしかったそうです』


「……」


「勇者の国のメニューだって言われたけど」


『あの勇者狂いの言うことは話半分に聞いたほうがいいですよ。マジナッ様と賢者のほうがずっと重要な存在です』


「どっちも半分ずつにしたほうがよさそう」


『それではこのマジナッ様の服をご覧ください! いつ見ても美しい!』


「いや、普通の服だけど……」


「古いスーツっぽい? 確かにこっちでは見たことない型かもな」


「あまり生地はよくないみたいですけど」


『あの当時手に入る生地を使ってマジナッ様のために賢者が作ったそうです。どうしてもこの服にこだわりがあったようですな』


「あ、それでボヤシさんも似たようなスーツ着てるんだ」


「コスプレかよ」


『ああそうなんですよこれ特注で作ってもらってこの裏地とか模様が入っててボタンとかも学院の』


「はい時間切れ」


『そんなあ~』


「それじゃ謎の暗号を見せてよ」


『しかたないですね。ちょっとだけですよ』


「なんでそこで渋るんだよ」


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