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第六十四話 魔導都市の入り口

「なんか屋台の設備が全然違うな」


「よくわからないけど全部魔道具なの?」


「冷蔵魔道具とか保温魔道具とか火焔炙り魔道具とか粉砕攪拌魔道具とかいろいろあるな」


「食べ物も結構おいしい。オレはこのとぅ……とぅば……なんとかいう肉が好き」


「とぅばねるじとか言ってたな」


「テゥヴヮリゥミネグルズィですね。この辺の野鳥のようです」


「とぅば……」


「あきらめよう」


「このシャリシャリする飲み物?はいいですね」


「果物を凍らせて粉砕したものだな」


「ミキサーだね」


「これほどの魔道具を動かすための魔力はどうしているのでしょうか」


「あ、門に着いたよ」


「やっとか。デカいから距離感がわからなかったけど見えてから相当かかったぞ」


「ひごっどんの紹介状があるから大丈夫だよね」


「ええ、あちらから通れるはずです」


「ナチュラルに行列を無視」


「あ、立派な馬車が停まってるよ」


「なにやらもめてるな」


「……どこかの貴族がムリヤリ通ろうとしているそうです」


「粉砕する?」


「やめなさい」


「ちょっと排除してきますね」


「やめなさい」


『お待たせして申し訳ございません』


「いえ、なにか問題でしょうか?」


『ええ、大したことではありませんが、あそこに立ちふさがっている障害物を撤去するまでもう少々お待ちいただけるとありがたいです』


「障害物呼ばわり」


『もうすぐ烈火車が参りますので燃やし尽くして御覧に入れます』


「思ったよりやり方が激しい」


「乗ってる人はどうなるの?」


『すでに拘束して脇のどぶに放り込みました』


「なんかこの人怖い」


「あれをどかすだけでいいなら俺がやるよ」


『え? 動かせるんですか?』


「ちょっと待ってて」


「辰巳ならひょいっと持てるよね」


「タツ様の身体強化は見事ですね」


『うわ。すごい。人間?』


「これでいいか?」


『あ、はい。あの馬車は持ちぬし以外は運転できない仕組みでして。助かりました。どうぞまえへお進みください』


「すんなり通れそう」


「なんであの馬車は通れなかったんだろう?」


『ああ、あの障害物にお乗りになっていた荷物はこの都市から出入り禁止を命じられた悪徳商会とつながっていた追放貴族なんですよ』


「うわあ。いきなりすごい濃い情報」


『バリダカ・ティエンバイァーという名前は聞いたことないですか? 一族郎党残らず全国指名手配されてますから見つけ次第即処刑です。かかわらないよう気を付けてくださいね』


「全然知らないけど既視感(デジャ・ヴュ)


「指名手配されてるのによくこんなところにのこのこ現れたな」


『馬車に隠れて忍び込もうとしたようですが、こっちだってちゃんと透過魔道具で監視してますからね。バカなんじゃないですか?』


「なんかストレスあるのかな」


「ところでヌッカマッのフィグォルドさんから紹介された魔道具師のかたにお会いしたいのですが、どちらへ行けばよろしいでしょうか」


『ええ、とっくに連絡しときましたので、もうすぐお迎えがくるはずです。その辺でもう少しお待ちください』


「ありがとうございます」


「丁寧ではあるんだけど、ところどころ壊れてる」


「ちゃんと仕事はしてくれてるから気にするな」


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