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第三十七話 果樹園

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「わあー、ぶどう? りんご? かき? マンゴー? バナナ? もも? キウィ? すいか? 全部木にぶら下がってるね」


「そもそも知ってるのとは違う果物なんだろうけど、同じ木になるのもおかしいし、季節もおかしい」


「ここは王都東の果樹園のなかでもとりどりの実がなる一角です」


「とりどりだねえ」


「これもしかしてとりどりの実っていう木なのか?」


「そうですよ?」


「あーつまりいろいろな見た目の実がなってるけど、これ全部同じ果物ってことか?」


「同じ木になる果物ですけど、見た目どおりそれぞれ味は違いますよ」


「味見してみよ」


「じゃあまずはぶどうみたいなやつから」


「口に入れて噛むとはじけてなくなる」


「微炭酸のなし?ジュース? いやココナツウォーター? あんまり強い味はしない」


「スポーツドリンク系のあっさりさっぱり感」


「皮はわりとしっかりしてるな」


「日持ちがするので旅人には携帯飲料として重宝されていますね」


「次はりんご?」


「半分に切ってスプーンで食べるのか」


「柔らかいしちょっとネバっとしてる」


「味は……練乳? コンデンスミルク原液」


「めっちゃ甘い」


「よく冷やしたらアイスっぽいかも」


「非常に甘みが強いので高級果物として人気があります」


「じゃあかきっぽいやつ」


「色がピンクだけどな」


「これは皮をむくのか」


「なかみもどピンクだな」


「ももみたいだね」


「それか種なしドラゴンフルーツって感じだな。味はすっぱ……油断してた……」


「レモンとはまた違って梅干しやすもも系のねっとりした酸味」


「そういうものだとわかってればイケるな」


「……それはそのまま食べる人はあんまりいないんですが」


酸っぱいと言いながらもガツガツ食う日本人に若干引いてるな。


「次はなんだ?」


「マンゴーっぽいやつ。これは酸っぱくない?」


「それは甘い果物ですよ」


「見た目はオレンジ色で……種がない。いや、いままでの全部種なかったけど」


「種ですか? 種の実がありますよ」


「あー、共通の種というか、それが本来の実なんだな。ほかはよくわからないけどおとりみたいなもんか」


「食感はマンゴーに似てるけど、味はみかんだ」


「む、甘いみかんだな。さっきの酸っぱいのとうまく合わせるといいかもな」


「バナナ食べてみよ。あれ? 皮がむけない」


「縦に半分に切ってスプーンで食べます」


「なかがシャキシャキしてる……黄緑色で……味は、んーすいか?」


「見た目と食感と味と香りが矛盾しててよくわからない。食感はすいかっぽいけど味はりんごのほうが近いかな? 香りはきゅうりっぽいんだよな」


「そう言われると甘いきゅうりだ」


「こちらはゆでてあります。生も味見しますか?」


「あ、ももだ」


「なんでゆでるんだ?」


「生はちょっと苦酸っぱいのですが、ゆでると消えるんですよ」


「皮を剥いたら真っ白」


「柔らかいな。生のほうはちょっと弾力がある」


「あ、キウィだ。黄色いやつ」


「味も香りもキウィだな」


「生のは……キウィだ。緑のやつ」


「種がないから食べやすいな」


「生も好む人はいますが、あまり人気がないようですね」


「どっちも好きだけどな」


「じゃこっちのキウィはどんな味?」


「水色で毛むくじゃら。なかは……うわっ真っ赤だ」


「ん、シャリシャリしてる。なしみたい」


「味は……なんていうか……ピーマン?」


「赤パプリカのなか身が詰まってたらこんな感じかな」


「最後はこれか。白黒の玉」


「小さめのすいかみたい。白いけど」


「開けるとうわあ、黒い……いや茶色っぽい?」


「ん? いい匂い。チョコレートだよね?」


「味は……苦っ。砂糖超ひかえめのビターチョコレートって感じだな」


「コンデンスミルクの実と混ぜたらいける気がする」


「量がすごいな。このかたまり全部チョコか」


「ぐる?」


「チョコちゃんのことじゃないよ」


「ホワイトチョコレートはないのかな?」


「白黒の実はなかが黒いのと白いのがありますよ。黒いのは苦いのでハズレだと言われていますが……」


「チョコレートケーキとか作れるじゃん! 辰巳、作って」


「はいはい、戻ったらな。白いのも味見したいな」


「白いのは数十個にひとつと言われているのですぐに見つかるかどうか」


「見分けつかないんだ」


「ふんふん、ぐるる」


「ん? チョコ、どうした?」


「これちょっと匂いが違うって」


「開けてみましょうか」


「おお、白い! チョコ、すごいな」


「がう」


「確かにちょっと匂いが違う気がする。皮のからわかるかわからないけど」


「味は、ん、普通に甘いホワイトチョコレートだな」


「いい感じにビターチョコレートと混ぜれば苦味抑えられるかもね」


「ホワイトチョコレートは色を付けてカラフルな材料にもできるからな」


「量が少ないのが残念」


「研究のためにいくつか選んで持ち帰ろう」


「ぐるぅ」


「任せてって」


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