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第四話 適性診断

「うへえ。ヤベえ」


「異世界に連れて来たの辰巳が初めてだけど、体調大丈夫?」


「おまっ、俺で実験するんじゃねえよ」



いま辰巳の適性診断をするために城に連れて来たところだ。



「ケルベロスとかヤバすぎるし、完全にこれ城だし。騎士みたいのいるし。おまえの妄想じゃなかったんだな」


「やっと信じた? ここ王族のお客さんに会う部屋らしいよ」


「おまえ王族だったんだな」


「オレは王族じゃないけど。親戚?」


「違いがわからないけど」


「オレも」



そこへじいちゃんばあちゃんが入って来た。



「おお、おお。トラの友達じゃな。よう来たのう」


「楽しみに待ってましたよ。お友達を連れて来るなんて初めてですもの」


「なんか恥ずかしくなってきた」


「あ、どうも。虎彦の友達の(いぬい)辰巳です。よろしくおねがいします」


「ふふ。緊張しなくていいわ。お茶でもしながらゆっくりお話ししましょう」


「めっちゃ品がよくてキラキラの王族じゃん。どうしておまえはこうパッとしないんだ?」


「ぅえ? オレは普通の日本人だからな。パッとしなくて当然」


「日本人全体をパッとしないみたいに言うな」


「仲良しじゃのう。安心したわい」


「あ、ところで今日は辰巳の適性診断やってほしいんだけど、できる?」


「ええ、準備できてますよ」



そう言って合図をすると城の魔法使いのおじいさんと魔道具を抱えた使用人が入って来た。


魔法使いのおじいさんには魔法を習ったことがある。



「サルさん、お久っす」


「トラぼっちゃま、お久しぶりでございます。そちらがお友達ですね?」


「はい。辰巳と冒険者やりたいんで適性あるか見てください」


「わかりました。わたくしキゥミュィァマェントゥ王国の名誉魔法師団長を務めておりますサリュートリュ・クシリスミプルと申します。今日はタテュムェ様の適性診断をさせていただきます」


「きゅみゃ……ムリ。俺の名前も呼びにくいでしょうからタツでいいですよ」


「わかりました。タツ様。こちらの水晶玉に手を乗せてください」


「おお、水晶玉」


「タツ様の適性はこの辺に表示されていると思いますが見えますか?」


「はい。ちゃんと見えます。文字も読める……なんでだろう?」


「異世界人が世界を渡るときには特殊な能力が付与されるという言い伝えがありますな」


「え、あのなに気なく通過して来た魔法陣?」


「そういえば辰巳ちゃんとこっちの言葉話してるよね」


「マジか。チートじゃん」


「で、どんな能力あるの?」


「ああ、えっとこんな感じ」



名前 タツ

年齢 15

性別 男

所属 異世界人

職業 なし

適性 戦士、剣士、拳闘士、魔法師、鍛冶師、薬師、料理人

特殊能力 言語、お化けスタミナ、全属性魔法、器用、異世界知識



「おおすげー」


「虎彦は?」



名前 トラ

年齢 15

性別 男

所属 キゥミュィァマェントゥ王国王族と異世界人のハーフ

職業 なし

適性 漫遊浮浪人



「え? これで冒険者の適性あるって言ってるの?」


「旅に出て遊びに行くんだよ?」


「冒険者とはなにかじっくり話したほうがいいな」


「トラ様は異世界人ではありませんから特殊能力の付与がございませんので」


「そういうレベルの話?」


「トラちゃんは小さいころから冒険に憧れてたのよね」


「母さんが父さんとの冒険譚を毎日毎晩休みなく語ってくれたからね」


「ぐぬぬ、姫さらいの勇者め」


「これで冒険者になるの応援されてるのすごい」


「だからトラちゃんにタツくんみたいなしっかりしたお友達がいて本当によかったわ」


「あ、これ断れないやつじゃん」


「オレ辰巳といっしょに旅したい」


「わかったよ。冒険の旅に行けばいいんだな」


「やったあ!」


「ただし旅に出て困らないように準備はちゃんとするぞ」


「おお、なんという計画性! あの勇者とは大分違う気がするぞい」


「勇者様はなんというかトラ様と同じ路線でしたから」


「オレ父さんよりは落ち着いてると思うんだけど」


「おまえの父さんどんな無茶苦茶やったんだよ」


「召喚初日に母さんをさらって城を飛び出したところから話すと長い」


「ヤバすぎるな」


「オレちゃんと辰巳を連れて来たからな」


「ある意味計画的犯行だな」


「ふふん」


「ほめてないぞ」


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