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第二十一話 仲直り

「うわあ、乳しぼりってこんな感じなんだね!」


「……これで合ってるのか? なんかボーたちがゴロゴロしてる上を白いスライムみたいのが這いずってるんだけど」


「これはミルフェドゥリィムっちゅう乳を吸う性質のフェドゥリィムなんだあ。うまく飼いならしたら乳しぼりに使えるんだ」


「へえ、ドロヘドリンに似てるね」


「デュルフェドゥリィムのことけ? 同じフェドゥリィム属だから似てるな」


「このあとはどうなるんだ?」


「じゅうぶん吸ったら余分な乳は乳桶に吐き出すんだ。ミルフェドゥリィムが生きるのに必要な分はごくわずかでいいからな」


「なんかミツバチみたいだね」


「ああそう聞くとちょっと抵抗が薄まるな」


「ボーたちはおとなしくしてるけど気持ちいいのかな?」


「あれは麻痺してるだけだ」


「ひぇっ」


「そこもドロヘドリンと似てるのか」


「心配するな。麻痺してる間はなんか幸せな夢を見てるって研究があるらしいからな」


「ドロヘドリンに捕まったら夢見てる間に溶かされちゃうんだ……」



*****



「ボーたちを連れて森に来るの楽しいね!」


「どっちかっていうとボーたちに連れられてる感じがするけどな」


「ねえねえ、乳しぼりの間に見た夢ってどんなの?」


「ふすふす」


「うわあ、どれくらい?」


「ふむふむ」


「すごいね!」


「この子たちなに話してるのかしら」


「全然見当もつかないな」


「うむ。俺は三つだ」


「ふすん」


「あははそれは少ないね」


「なんで混ざってるのよ……」


「通じてるのか?」


「なにもわからん」


「ぐるぐる」


「チョコちゃんは三十二か」


「なんの話なんだ……」


「あ、着いた!」


「おい虎彦、あんまり遠くに行くなよ」


「え? 辰巳ほど遠くには行かないと思うよ?」


「ぐっ」


「ふふ。やられたわね。あの子は自由でいいわね」


「ああ、虎彦はあれでいい」


「でもあんな小さな子を冒険に連れまわすのはよくないわよ。お兄ちゃんならちゃんと面倒見なきゃダメよ」


「ちょっと待て。だれがお兄ちゃんか。俺たちは同い年だぞ」


「はあ? そんなわけないでしょ。あの子まだ十二歳くらいよね?」


「十五歳だ。もうすぐ十六になるぞ」


「うそ、成人してるの? ていうか二歳しか違わないの?!」


「え? ヒステさん二十五」


「あ゛?!」


「じゅ、十八歳?ですか?」


「なんで疑問形にするのよ!」


「俺は十九歳だ」


「ぃ゜?!」


「見えないわよね」


「落ち着いた大人の男だと思ってました。ヒステさんと違って」


「ん゛?」


「大人の女ですよね」


「ルィル、ムリ強いはよくない」


「どこがムリなのよ!」


「ねえ、ペッペたちが遊びに来たよ」


「は?」


「や?!」


「お」


「きぃ?」



*****



「まさかペッペたちとこんなに平和にゲームができるなんて」


「なんなのこの感情」


「ん、楽しい」


「きぃ」


「あ、次はわたしね。おりゃっ」


「1だね」


「きっきっき」


「笑ってる」


「きーっ!」


「きぃっ!」


「きっきっ!」


「まねしてる」


「ルィル、たくさんいる」


「いないわよ!」


「次は俺か。……6だ」


「きっき」


「どんぐりだね」


「ん。4」


「きぃ」


「どんぐり没収ね!」


「ルィル、最下位だぞ」


「きーっ!」


「きぃっ!」


「きっきっ!」


「ぐるぐる」


「チョコちゃんは5か」


「どんぐり二つだ」


「きぃきぃ」


「3。あ、ゴールだ」


「おめでとう!」


「え? うそでしょ?!」


「ルィル、最下位だ」


「ちょ、もう一回!」


「きっき」


「あの、ペッペたち、昨日は追いかけまわしたりしてごめんな」


「きぃ?」


「気にしてないって」


「そっか。ありがとな」


「ききっ」


「友達だろって」


「マジか」


「ぐるう」


「なんでそこだけ青春してるのよ」


「感動した」


「もうちょっと感動した顔しなさいよ」


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