ティータイム☆
サタンが部屋から出て行ったのと同時に アリスが戻って来た。
「サタン様は、お帰りになられたのですか?」
「えぇ……」
「折角 お茶とお菓子をお持ち致しましたのに……」
「そのクッキー、アリスが作ったの?」
「はい……!! 宜しければ どうぞ」
アリスはお茶と 美味しそうなお菓子を持って来てくれた。
「アリスも一緒にお茶しましょう?」
「では…お言葉に甘えさせて頂きます」
アリスは、ティーカップへお茶を注ぎながら 私がチケットを持っているのをチラリと見た。
「マリア様……前夜祭へ行かれるのですか?」
「えぇ……そのつもりよ」
うん…アリスが作ってくれた このクッキー美味しい☆
「ですが……」
「私なら大丈夫よ…アリス」
「………」
アリスには『二人の結婚を 私が阻止してみせるわ!! オーッホホホ!!』な~んて言える訳ないわね……。
私は温かいお茶を一口飲んで ティーカップを置いた。
「……コホン。明日の前夜祭 アリスが一緒に来てくれるかしら?お父様とお母様……お兄様達に 婚約が破棄された事がバレたら―――」
「………確かにマズいですね」
婚約破棄された事は両親と双子の兄にはまだ話していない。
「この私で宜しければ 何処までもマリア様へ付いて行きます……!!」
私は思わず「フフッ…」と笑った。
アリスなら 地球の裏側でも付いて来そうね……。
「…ありがとう。私は貴女が傍に居てくれるだけで 本当に幸せよ」
「マリア様……!!」
アリスと私はまるで姉妹の様な存在。
例えサタンが他の人と結婚しても 私にはアリスが傍に居てくれるだけで良いのだ。