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地下牢へ
一方……。
マリア達と離れて裏から城へ侵入したセーラ達一行。
暗い場所を右も左も分からないまま進んでいる。
妹・マリアと離れて寂しいのか? 双子の兄二人の口数はさっきよりかなり減ってきた。
「(マリアさんがこのシスコン双子を私と一緒に行かせた理由…何と無く分かったわ)」
もし結婚式の方に行ってたら……二人とも号泣しちゃって 作戦どころじゃ無くなりそうだもんね。
「はぁ…暗いな……」
カイトがポツリ…と呟いた。
「周りを照らすアイテム…何か持って無かったっけ?それか魔法」
「少しは我慢しろ、カイト」
「え~……」
本当は周りを照らす魔法があるのだが。
「今それを使うと敵に気付かれてしまうだろ」
「うぅ…リクトはまるでお母さんみたいだな」
「誰かお母さんだ……」
……すると―――。
「……誰か居るのですか?」
「………!!」
―――この声は……!!
「……お母様?」
「その声は……セーラ?セーラなの?」
イヴ女王の姿は暗くてよく見えないが……牢屋に大人の女性が閉じ込められているのが見えた!!